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オンライン授業のあれこれ

さて、恵まれたことに、私の通う大学でもオンライン授業が始まりいくらか過ぎた。

私が履修する授業は全てリアルタイム形式(:ビデオ会議ツールを使い、本来の授業時間割同様に受講する)だ。

いくら日頃からレジュメもレポートもネット上で済まされていたとはいえ、この形式に抵抗が全くない訳ではない。物理的ロケーションの違いでこれほど変わるのか、と受講して初めて感じたこともあった。

今日は記録がてら、オンライン授業の所感を綴っていこうと思う。タイトルの通り本当に「あれこれ」だ。

利点1. 集中できる

確実にこれが大きい。

「家にいると集中できない」という声をよく聞くが、それは果たしてどうなのか。そう言う人は普段の授業ならどれほど集中できているのだろう、と不思議だ。
授業の途中で入退出する学生に目をやってしまったり、話し声が聞こえてきたり、そんなことはオンライン授業では起こらない。

周りの集中が切れ始めたのに影響されて自分も…ということはなくなった。逆に自分の集中力が切れたことで誰かの集中力を切れさせることもなくなった。本来こうあるべきだが、同じ箱にいると実現は意外に難しい。

教科書だって目の前の棚に並べてある。狭い机に出しておかなくてもいいし、床に置いたカバンからひっぱり出さなくてもいい。
靴だって履かなくていいし、なんならボトムスは部屋着でも…。着ているものに必要以上に締め付けられる必要はほぼゼロ。この点でもストレスフリーだ。

私の場合、ある程度フォーマルな服装を指定されているアルバイトをしており、大学からアルバイト先に直行することが多い。つまり朝からフォーマルな服装で満員電車に乗り、日中その服装で講義を受けるということだ。それが全部なくなった。楽の一言で終わりだ。

利点2. より活発な議論ができる

オンラインの方が、人とのコミュニケーションの壁は案外低いものだ。

グループワークをするときに周りのグループの様子が見えないので、それを気にして何かをする必要がなくなる。
ほとんどの場合教員はそのグループワークを覗きに来ないので、まさに学生同士のコミュニケーション能力がものを言う。

そこでようやく能力が培われるのではないだろうか、と思ったり思わなかったり。
個人的にはグループワークのときには完全封鎖されていた方がやりやすい。本当に何も気にしなくていい。失敗だってし放題だ。

教員にメールを送ったり質問したりする機会も増えた。この時代に乗じて気になったことをなんでも気軽に聞くような習慣がついている気がする。
ただ、特別質問があって研究室を訪ねるようなことはできない。1対1で話せる機会が減ってしまったのは惜しいことだが、何人かの教員はアポをとれば可能だと扉を開いてくださっている。

利点3. 「通学」がなくなる

通学することによる利点って、何かあったっけ…。

私の友達には2時間以上かけて通学する学生もいる。さぞ生活スタイルが変わったことと思う。
そうでなくても満員電車に乗る機会が減る。乗り換えでもみくちゃにされる機会も減る。風邪をどこかからもらってくる機会も、誰かに足を踏まれる機会も、重い荷物を背負って筋肉痛になる機会も、痴漢に遭う可能性も、全部減る。

通学がなくなることで朝ゆっくり起きられるようになったという人もいるだろう。私もその一人だ。二度寝だってできる。

できた時間を睡眠に回すも、別のことに使うもよし。
朝起きて講義に出席するまでに、時間を気にせずストレッチする時間ができる日がくるとは思ってもいなかった。髪を巻く練習ができる日も然り。自由に使える時間が増えるというのはこういうことなのだと実感した。

利点4. 時間の有効活用度が限界突破する

利点3と共通する点が多いが、とにかく時間を自由に使える。

そのときやりたいと思ったことを自由にやれる。移動中という概念がほぼなくなって、授業が終わってからそのまま作業に集中する時間を取れたり、あるいは休みたいと思ったときには自由に休めたりする。

なんなら講義の合間の10分間、どうしても眠いなら5、6分の仮眠を布団で取ることもできる。上質すぎる。(ちゃんと起きます)

それと、どうしても1対1でない以上、大学の講義には「自分にとっては聞かなくてもいい話」というのが発生する。完璧に復習した前回の講義を教員がまた復習している時間だったり、わかりやすいスライドを読み上げているだけの時間だったり。
もちろんそれを聞くに越したことはない。でも、もっとしたいことがある、優先事項がある…そんなときになんの気兼ねもなくそちらを優先できる。

noteだって書ける。後ろに座っている子もいない。目線など気にしようがない。もちろん音声はシャットアウトしないので、だいたい骨格だけ仕上げてまた後で、とするけれど。

ちゃんと話を聞け、と自分でも思うが、その辺りは個人の責任と自由だ。
座って「この話前も聞いたなあ」と思考が止まってしまうのと、自分なりにではあるが頭を回し続けるのとどちらがいいだろうか?私は後者を選びたい。

欠点1. 情報交換の機会が減る

自分の感覚が鈍ってしまっているだけなのかもしれないが、オンラインでのアナウンスメントを見落としてしまう。

「いつまでに…」とか「…に〇〇を開催します」とか、そういうのはきちんとメールやポータルで流されているのだけれど、如何せん学生同士の会話が激減しているので見落とした情報を拾い上げるチャンスも減ってしまった。

昼休みにテーブルに向かい合って座って「来週までのあの課題さ〜」なんて気軽に相談することもなくなった。

困ったことがあれば個人的に連絡すれば問題ないが、そもそも知らなかったことを補完してくれるような会話はほぼない。今のところ重大な情報は落としていなさそうなので心配はしていないが、いつかやってしまうんじゃないかと思うと不安ではある。

リマインドし合えるような友人はあいにくおりませんもので。

欠点2. 課題が倍増する

出席の代わりにレポート、期末試験の代わりにレポート、グループワークの代わりに個人レポート…。

その全てが重いわけではないが、ひとたび積み残すと地獄だ。

もともと課題が少なくはない大学なので(※友人談)、そこからさらにトドメに就活準備だ卒論準備だと言われれば、少なくとも心は穏やかではないのは想像がつくことと思う。
体調を1日崩しでもしたら…。なんだか高校時代に戻ったような感覚だ。

ちゃんとその日のうちに復習するというような習慣が身についている人にはあまり欠点ではないのかもしれないが、残念ながら優等生ではない私の限界は近い。今日は早く寝たい。これ以上言うことはない。

欠点3. 不健康になる

私という学生はもっぱら通学のためだけに外出していたようなものなので(休日に渋谷に遊びに行けるような気力も体力も意思もない)、単純に外に出なくなったことで不健康になった。カビ生やさないでねと親に言われた。冗談はよしてくれ。

そしてオンライン授業では画面を見つめ続けるので眼精疲労がちょくちょくやってくるようになった。
パソコンは昨年度もその前もずっと使っていたけれど、先生の姿を見るのにもグループワークのメンバーと話すのにもパソコンの画面を介して、となると遠くを見る機会はどうしても減ってしまう。

noteを書いている最中にもその症状が出るようになってきて損した気分だ。そうだよな、同じ「オンライン」だもんな…。

まとめ

総じてオンライン授業は「とてもいい仕組み」だと思う。挙げた欠点だって自分の工夫次第でどうにでもなる。



今の自分の境遇は恵まれている。何もかもが恵まれている。
学びを止めてはいけないと支えてくれる人たちのおかげで、学びを続ける機会を得ている。
確かに失ったものもあった。図書館の隅っこも食堂も、友達との会話も、教授の研究室の重い扉も恋しい。

でも、それ以上のものを得られるかどうかは個人にかかっている。


それを担保してくれる人たちの存在への感謝を忘れずに、今だからできることに、今すべきことに手を伸ばしていきたい。
直接的な恩返しはなかなかできないと思うなら、与えられた権利を100%、いやそれ以上生かしていこうのが、いち大学生なりの決断ではある。

少なくとも後から振り返った後に「オンライン授業の期間はだらけてたなあ〜」なんて笑ってしまうことはできればしたくない。それは、自分のためでもあるけれど、支えてくれている全ての人のためでもある。