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「いい人が見つかったらいなくなる」人ではなく、「いなくならない」人と想いを交わしたい。

2番目の人をしていた時のこと。

彼は何度か私に言った。

あなたにいい人が見つかったら、僕はいなくなるよ。

私はこの言葉の額面通りそのまま素直に受け取って、私を1番にしてくれるような出会いを何度か探したことがある。友人が「マッチングアプリで結婚した人がいる」と言っていたので、数人の男性と会った。メールを交換した時点で、どストレートに「僕はセフレが欲しい」と言われたこともある。違う人は、会った後に抱きついて来た人もいた。また違う人とは、どうにも先に進まず、転勤して遠くに行った。

思い返せば仕方がない。

だって私の中で1番は、彼なんだから。

誰を見ても、何をしても、その人といる時間を上回ることは無いし、会ったあとは寂しさが込み上げた。本当に私が一緒に時間を過ごしたい人は彼なのに。

なにやってんだろ

惨めだなと思って、その日を境に出会いを探すことをやめた。

ふと思い出した、彼が口にしていたことば。

あなたにいい人が見つかったら、僕はいなくなるよ。

この言葉の中には、私が1番になれる日はないということが、明確に示されてた。

彼にとって、私は、「彼が」幸せにしたい相手ではなかった、ということなのに。

ある日、

ちゃんと誰かみつけようと思ってがんばってるんだ

と話したことがあった。

彼は安心したのか、嫉妬したのか、私には分からない。「2番目」をしている私に、「自分が何かいうことは出来ない」と話しながら、「頑張ってるんだね」と褒めてくれた。

私がなりたい私の気持ちは、あなたの1番だったのに

彼ははじめから、私を1番に思うことなどなかったのに…

そして彼はいなくなった。

なんだ、考えてみたら、スタートから答えが出ていたではないか。

本気で全身全霊で大好きだったのは、私だけで、彼は私の片想いを、かわいそうに思ってそばにいようとしてくれたんだろう。

誰か他の人が見つかるまで。

誰もいないよりはいいだろうと、思ってくれたのだろう。それはそれで、犠牲的な愛だったのかもしれない。本当の気持ちは、彼にしか分からない。

だが最終的に私は、その「誰か」を見つける前に、「幸せになる」、「幸せでいたい」、「一緒に暮らせる人と生活がしたい」、「一緒に食事ができる人といたい」、という気持ちが大きくなって、今に至る。

たぶん「2番目」をしている人には、それに釣り合う人が、引き合う。なにか滲み出てるものがあるんだろう。

だから私は「2番目」にはもうならない。なりたくない。幸せでいたいから。幸せになりたいから。

私が欲しい言葉は「あなたにいい人が見つかったら、僕はいなくなるよ」ではない。

「あなたには僕がいるよ。僕と一緒に、暮らしていこう。幸せでいよう。」

そっちだ。

「僕が君を幸せにする」とか「しない」とかそういうのではなく、自立した個の人間として、根本的に互いの幸せを考えられる、考える人でいられたらいいなと思うし、そんな人と生活がしたい。じゃないとほら、「してあげてる」っていつか言い出されても、悲しいし、惨めだから。

想いを交わす相手は、「いなくならない」人がいい。

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