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暮らしレシピ#12 暮らしの本紹介


はじめに

今回は、2回目となる書籍の紹介をやっていこうと思います。

やはり暮らしレシピなので暮らしにまつわる本と、最近自分が読んで面白かった本です。

事務所にも新しく本棚が届きまして、やはり本棚一つ、シンプルな家具ですが作りのいいものはいいなと部屋で眺めています。

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ちなみに福岡うきは市にある杉工場さんで作られている本棚です。

元々は学習机や、体育で使う跳び箱などを制作していた工場で、最近はアーバンな家具、ヨーロッパヴィンテージの形を国産の材を用いて制作されており僕の好みのものが見つかりました。


そんな杉工場さんの家具と一緒に今回はご紹介していこうと思います。



暮らし関連の本

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「すっきり、ていねいに暮らすこと」
渡辺有子 著 2014年PHP研究所


“暮らし”というコーナーが本屋さんにできたのはいつ頃なのでしょうか、

少なくとも自分の学生の頃はあったのかな、定かではありませんが、とにかく最近の本屋さんでは”暮らし”コーナーの充実ぶりには驚かされます。

そんな暮らし系を牽引してきた方々にスタイリストさん達、料理家さん達がいるのですが、渡辺有子さんもそのお一人ではないでしょうか。

今の自分と同い年ぐらいに書かれたこの本はいい具合に部屋家具うつわ料理とカテゴライズされていて、なおかつ渡辺さんのトーンが一貫しています。

シンクの洗剤のボトルのラベルは全部剥がすそうです。

なるほど、実践してみると簡単なことだけど気持ちがいいです。(うちではアルコールのボトル)

そういえばアパレルショップのメゾンマルジェラに行った時もラベルは貼られていなかったです。

ちょっとした事なのですがすぐに実践できる事がたくさん

カーペット敷きの部屋にウェグナーのYチェア、そして骨董の鉢を床置きするなどテイストが好きな感じでした。というかそのまんま、うちの事務所みたいで読んでいて嬉しかったです。

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「Arne ⑧」
大橋歩 著 2004年


2002年よりスタートしたイラストレーターの大橋歩さんの雑誌です。

年4回の季刊誌として発行され、企画、取材、撮影、デザイン、編集のすべてを大橋さん自ら行っていた雑誌なのです。

とても手作り感のある雑誌で、いい意味でラフで軽やか。
最近はこういう雑誌少ないのではないでしょうか。

このアルネ⑧号は、メロンの表紙がなかなかにインパクトありますが、椅子のこと、という目次があり、大橋さんがいかにテーブルと椅子の合わせで苦心されていたかが書かれてあります。

やはり家具のサイズバランスは大事だと気付かされました。

この掲載されてある黒い椅子はアルフレックス社製で現在は販売されていないようです。

以前代官山 蔦屋書店で焼物のイベントをはじめてやった時のチラシが出てきて、同じ時期に大橋さんのイベントも行われていたのを友人が発見してくれました。偶然ながら最近気が付いてびっくりしました。


料理の本

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「アーティストたちの美味しい食卓」
芸術新潮 2001年 新潮社


古今東西の芸術家たちが作品に描き、また実生活で好んで食した一癖も二癖もあるメニューがたくさん掲載されています。
芸術新潮の中でもかなりユニークな号だったのではないでしょうか。

"マネのアスパラ" "劉生の冬瓜" "藤田のシャンパン" "ソフィーカルのデザート"などなど、タイトルからして楽しいですね。


特にお気に入りは、彫刻家、ブランクーシの料理、コールドビーンズのピューレドニ風、ステーキのグリル、ハード型のクリームです。

この号で紹介されていた、こちらも芸術家達の食卓を描写した「ロスト・ジェネレーションの食卓」という本もおすすめです。



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「レシピのない店のレシピ」
櫻庭基成郎 著 2020年 KADOKAWA



恵比寿にある「ほねラボラトリー」という一風変わった店名のシェフの本です。

和食を主体とした料理でそこに最終的な調味料としてワインをペアリングする、という本

この料理にこのワインを合わせるのか!と驚きの連続が楽しく、全てレシピ付き。シェフのペアリングへの拘りがひしひしと伝わってきます。

美しいうつわワイングラスボトルのエチケットまでがトータルでセンスよく集約されていて眺めているだけでも楽しい一冊。

最近、僕がワインばかり飲んでいるのはこの本のせいだったりします。

住宅の本

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「モダンデザインが結ぶ暮らしの夢」
住田常夫.小谷竜介.大村理恵子 編著 2019年 丸善出版



2019年から2020年にかけて、高崎市美術館、東北歴史博物館、パナソニック汐留美術館にて開催された「モダンデザインが結ぶ暮らしの夢」展。

その公式カタログとして発刊されたのが本書です。

残念ながら僕はこの展示会には行けなかったのですが、この本を見るだけでその構成と写真、文章にわくわくしてしまいます。

1930年代から1960年代にかけてヨーロッパより流入してきたモダンデザイン日本ではどの様に発展してきたのか。大量生産の始まった時代、新たな美の創造を迫られた当時のデザイナーたちの暮らしぶりや、当時出出来立てだった、彼らが夢を託したプロダクトが紹介されています。


僕らの時代はまた揺り戻しで、手仕事、手仕事、の時代から一周回って大量生産されてきた昔のプロダクト見直す時期に来ているのかも知れません。

そして当時のデザイナー達の暮らしぶりのスナップ(50年代の)があるのですが、自分がまさに理想としているスタイルがそこにはありました。

シンプルなのだけれど、大量生産されたプロダクトがあるのだけれど、そこに手仕事の匂いの残像が所々に感じられる部屋。

そうそう、こういう部屋に住みたいんだよ、と、70年ぐらい前のデザイナー達に思いを馳せながら読んだ本です。


本を買い続ける

今回5冊、ご紹介しました。昔の本も、今の本もありましたが、とにかくずっと本は買い続けています。

渋谷のジュンク堂書店や、GinzaSixの蔦屋書店、知らない街で見つけた古本屋まで様々です。

最近ではkindleのアプリでiPhoneで読む事も多くなりましたね。

こちらは暮らし系など少ないですが、有名人の伝記物などは電子書籍です。

自分の仕事関連のものはもちろんですが、自分が全然マークしていなかった本を読んでみると以外と仕事や、普段の生活に生かせる場合が僕には多いです。

とにかく少しでも気になったら買って読んでみる、を実践しています。

読書欲も鮮度があるので、気分の乗っているときに一気読みすると吸収も早いですね。



次回また本レビューがあるとしたら、住宅とは直接異なるけれど家で読むのに良い、メローな気持ちになれる旅の本レビューなんかをやってみたいなと思っています。

皆さんも一緒に、暮らしの中の読書時間を楽しんでいきましょう。

おわり

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LAPIN ART 坂本 大
現代のうつわと古美術骨董を取り扱うLAPIN ART OFFICE ディレクター。本プロジェクトを通して、自分の大切な物との向き合い方を、自らが描く理想の暮らし方とギャラリストとしての知見を掛け合わせながら提案する。
⬛︎ LAPIN ART ウェブサイト

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