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『泪橋ディンドンバンド3-泥まみれの月-』

『泪橋ディンドンバンド3-泥まみれの月-』
@博品館劇場
4/13〜4/24

帰ってきた!

銀ちゃんメインの1、卓メインの2ときて、お待ちかねの哲也メインの3作目。前の2作を見てきているから、お決まりのパターンが来るたびに嬉し楽しくて、懐かしい気持ちになって最高にハッピー。また続いたことが嬉しい。

笑いもドラマもしっかりあって見応えあるし、出てくる人間たちの心根が優しいから爽やかな気持ちで劇場を後にできる。素直に楽しい舞台

今作は銀ちゃんの留守を守ろうともがくメンバーの葛藤が描かれていたからこそ、みんなの本質みたいなところを垣間見れたし、哲也のいい奴具合にニコニコなっちゃった。

牡丹姐さんが小宮山サーティーンに「お前なんか信用しなきゃよかった!」って激昂した後の哲也の対応見ました?遠回しな気の使い方、最高に男前じゃありません???姐さんをこれ以上刺激することなくサーティーンに身を引くタイミングを与える「早く行ってあげたほうがいいんじゃないですか?....ほら、彼も大変だろうし」のセリフ...........惚れちゃう!いい奴やな!

この後の「前田組のチンピラなんか俺一人で十分や」のやりとりでノックダウンよ。おま....男前かよ.......常に周りにアンテナ張って気を使って、やるときゃやる男....................いや、これ和田だ!!!流石の当て書き。あまりにも随所で男前な哲也の向こうに和田さんを透し見てしまって、やだ...好き......(惚)ってなった。なるんだよ。

この後、ディンドンバンドのことを一生懸命考える気持ちが暴走して耕介と喧嘩しちゃうのも、ある〜〜そういうとこある〜〜〜〜!!暴走する正義漢の気ある〜!!って思ったし、
耕介の「リーダー面してんじゃないよ、銀ちゃんは銀ちゃんなんだよ」の主張もなんか、前に前に出ちゃいがちな和田さん自身に縁遠いものとは思えなくて。

極めつきの哲也&推し大好きポイントは、卓に対して「ホンマのこと言ってええか?」と板崎への不信感をあっけらかんと行ってしまう所。嘘を、つかないよね。ほんとに。
得体の知れない不信感から誰かの意見を否定したいとき、それは自分でもみっともない気がしてしまう位の感情論で、体裁を整えるために理論で自分の意見を言い換えてしまうことってあるし、これする人多いと思う。でも、そのままの感情論で素直に伝えられるのが哲也の漢気だし、推しのいい所。

多分これを読んでいる人は、お前は和田雅成のなんなんだよって思ってることでしょう。私も思う。これはあくまで私個人の独自の推し解釈に基づきます!!!総じて推しが好きで哲也が好き。気持ちの良い人間。改めて、堤さんの当て書き凄いよなあ。バッチリ嵌ってるよ。

それもあってか、今作の和田さんはものすごくフラットにリラックスして舞台上で生きているように見えてとても好きだった。3作もやってきてるわけだから、この役が馴染んだのもあるかもね。

ツッコミも怒りもホロリと溢れる笑みもぜんぶぜんぶ、確かに今、そこで起きたものだと感じることができたのが嬉しい。和田さんのお芝居ってちょっとクサイなあ、と思うことは少なからずあったから。それが全然なかった。嬉しい。

マチソワ間のおやつシリーズ、千疋屋の銀座パフェ(大好き、パフェの中で一番美味しいと思う)と銀座つぼやきいものお芋(蜜たっぷりでねっとり甘い、おいしい)。

にしても、今回描かれてた、ガラパゴス的に発展した小さな“内”のコミュニティと、外の文化へのコンプレックス、その流入による動揺みたいな構図、めちゃくちゃ身に覚えがあって、すごくわかるし見てて苦しかった。外に出ようとするのも、内を守ろうとするのも、調和を図ろうとするのも、みんな明るい方を目指してるなら全部間違ってない。でも間違ってないからと言ってうまくいくとは限らない。すべてが自分の思い通りになるわけじゃないし妥協は必要。

でもそんな世知辛い現実の中でも、自分の芯をしっかり持っていかなきゃならない。じゃないと他人にとって自分はどうでもいい人間になっちゃう(←和田さんの受け売り)。泪橋のみんなは、自分たちのロマンを守り抜いてて最高にカッコよかった。外の人たちになんと言われようと、自分たちの大事な芯を持ち続けることができるからこそ、あんなにもあったかい居場所を見つけることができたんだと思う。ああ在りたい。がんばらないと。

3めちゃくちゃ好きでした。また会えることを願ってる。

#俳優 #舞台感想 #コメディ

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