息子の前で泣かないで #生後223日


タイトルは、夫に言われた言葉。
『まだ分からないようでも、きっと分かってる。だから、〇〇(息子)の前では泣かないであげて。』

そうだよね、そうなの。
私もわかってる。
母がニコニコ笑って楽天的にいられることが、息子のためであることも。
その方が、きっと色々うまくいくことも。

分かってるんだ。

私も夫と息子のために笑っていたい。

『ムッとすることがあっても、怒らないであげて。』
「私、怒ってた……?」
『いや、例え話ね。』



深夜2:30。
ギャン泣きする息子を夫が代わってくれようとしたけど、1度落ち着かせる為にとリビングへ連れていこうとするのを止めた。

「寝室から出ないで欲しい……。」
初めて夜中に夫に抱っこされたからか、普段と違うと不安になったのか、泣きが強くなった。

夫はそれに気付いていないようだった。
「私、抱っこする。」
代わると、息子はすぐに落ち着いて顔を私の方に預けた。

泣きが落ち着いてウトウトしだした頃、夫は部屋に下がっていった。
それから15分ほどかけて深い眠りに落ち、ベッドに置いたら泣いたけれど、背中をさすっているうちに寝てくれた。


夫の部屋に行くと、
『余計なことしてごめん。』
きっと、手伝おうと思ったのに取り上げられて機嫌を損ねている。

「いや、ありがとう。来てくれて嬉しかった。」
『ううん、余計なお世話だった。』
「そんなことないよ、ただ置いたら泣いただけで寝そうではあったから、寝室にいて欲しかっただけだったの。ごめんね。」

取り留めもなく泣いた私に夫が告げた言葉は、言われなくても分かっているけどできていなかったことだ。

夫も多分、私のメンタルの弱さに辟易していることだろう。
『落ち着くまで居ていいよ。』という言葉とは裏腹に、夫の身体は私を見ていないのを感じていた。



翌朝、息子は普段は食べない朝食をよく食べた。

解凍したおかゆとベビーフードだったからなのかもしれないし、夜中のミルクがなかったからお腹が空いてしっかり食べられたのかもしれない。

私が泣いても、何も解決しないのだ。
ただ、考えて行動する。
私に出来ることはそれだけだ。


昼食。
夫を起こして昼食を出す。

「あのね、私自身のためもあるけど、それより〇〇(夫)と〇〇(息子)のためにがんばる。泣いても何も解決しないから。泣かないでがんばる。」

『俺もそうだよ。むに と〇〇(息子)のためにがんばってる。』


昨日少し奮発して買ったガロファロ1.5mmで作った菜の花のアーリオオーリオは、いつもより美味しく感じた。


夫の出勤前、自室のドアを開けてベッドに転がっていたので抱きしめにいった。
少しはにかんで迎え入れてくれた。

アラームが鳴る。
もう準備し始めるかな?と思ったのに、夫はおもむろにスマートフォンに手を伸ばして10分後にアラームを再度セットした。

この20分ほどの時間とくに会話はなかったけれど、この時の私たちに、もはや言葉はいらなかった。






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