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ラブライブ公式ラブソング到来。【咬福論】から見る栞子略奪愛概念ガチ恋歌詞考察

ラブライブのガチ恋曲は私の心を強く震わせる。今まで幾度となくその力に触れてきた。
だが今回の戦いは次元が違う。公式がオフィシャルに「ラブソング」と明言して出してきたわけだ。これは世界が震天したといっても過言ではない。

まだスクフェス内でも1番だけしか聴くことができない。だがそこだけでも既に圧倒的力に満ち溢れたガチ恋エナジーを接種することができる。

全てをジャッジするのは曲の全部を聴いてからにしたい。だがそれでも今の時点でしなければならない話がわんさかのさかと湧いている。

だが今は最も衝撃の大きかった栞子の曲である【咬福論】についての輝きを紡いでいく。全てが圧巻であった。


咬福には痛みが伴う

たとえばあなたにキズナ残して
あなた笑顔で首筋抑えて
誰にも言わずに羈縻しよう

咬福論/三船栞子

【咬福論】は略奪愛をテーマとしたラブソングである。もっと言うのであればかなり背徳的な愛を掲げている。この曲の歌詞考察において辿り着く結論はこれに尽きる。
それを勝手な行動No No Noな完璧主義の栞子に歌わせるという公式の発想には流石に驚きを隠せない。
ちなみに歌詞は耳コピに加え漢字の変換が分からない部分は調べて恐らくこれだろうというものを当てはめている。

まずここで言われる【キズナ】とはキスマークのことである。ラブソングで首筋に残すキズナなどそれ以外にない。そう思うのが常識だ。
だから発想を飛躍させるのだ。よりラブソングベースに、より栞子ベースに。そうすれば真の答えが見えてくる。

そう、その通りだ。この【キズナ】とはキスマークだけではない。「歯型」あるいは「噛み跡」をも意味している。
栞子は八重歯だから。故にそれは【咬福論】という曲名の意味そのものにも通じてくる。そのチャームポイントをこれでもかと活かしているのだ。

単なるキスマークで終わらせない理由としては、それが略奪愛であり背徳的だからという点も関与しているからだ。ただ甘いだけのキスマークではない、そこに「痛み」が伴うことを示唆しているのだ。
二人が共有する秘密、その本質がここにある。
故に【キズナ】という言葉の歌詞、そこには「キズ」という言葉もかかっていると捉えられる。そんな後ろ暗く、痛みが伴う2人の絆。それを【笑顔で抑えて】ほしいと願うのだ。

【誰にも言わずに羈縻(きび)しよう】という部分。最初は「日々」かと思ったが「きび」で片っ端から調べたらまあこれ以外ないであろうというものがあったので確定だ。

このフレーズは非常に芸術点が高い。「誰にも知られず」でも「気付かれず」でもない。ただそのキズナが誰のものかを【言わずに】いることで束縛しようということを謳っている。
首筋に「痕跡」があることを知られようとも気付かれようとも構わないということを示している。ただそれが誰に付けられた何なのかは【二人だけの秘密】
そんな秘密を共有することだけが栞子のただ一つ望む【ワガママ】であり、幸福の形。

【ただそれだけで幸せです】という言葉の重みはこれらを理解することで真髄を発揮する。あまりにも重い。相手と公に結ばれることなど求めない。自分の付けた【キズナ】を【二人だけの秘密】として受け入れてほしいと。
これを【それだけ】と呼ぶにはあまりにも重い。そしてこの本質は相手のリスク、負担が大きいところにある。栞子とのキズナはあくまでも相手が言わなければそれが栞子からのものだと分かることはない。
そう、つまり栞子は二人の絆を試しているわけでもあるのだ。どんなことがあってもそれをお互いにとっての【秘密】であり続けさせてほしいと。ここにこそ略奪愛の真意が宿る。

全てを投げ売って自分を選んでもらいたいわけではない、なぜならば【私で変わってしまう二人で在りたくない】から。
この関係を縛り付ける鎖であってほしくもない、【あなたで暮らしてほしい】から。
だから相手、つまりあなたもこの秘密の関係を受け入れてほしいと。そして絶対にそれを「秘密」のままにしてほしいと。
あなたからのその献身、秘密を秘密のままでいさせようとする心にこそ幸福を感じる。そう言っているのだ。

とんでもないことを言っている。だが似合う。このインモラルは栞子に相応しい。ここには真面目な優等生だからこそのギャップと栞子がいざという時に見せる行動力から為せる説得力が存在している。

私はここまで歌詞中に出てくる「きずな」という言葉を「キズナ」と表記してきたがこれは【決意の光】の【揺るぎないキズナ】からこの表記だろうと推察している。
【咬福論】を聴いてから【決意の光】の歌詞を見るとなにかこう栞子が別ベクトルで吹っ切れているかのような印象を得られて実に趣き深い。

どこに向かうかまだ分からないけど

今回追加された曲は全て非常にクオリティが高く本当にフルを聴くのが楽しみだ。

特にしずくの【小悪魔LOVE♡】とかいうあなたの理想のヒロインレベル100みたいな進化の方向性は合っているのだがベクトルがあまりにもあなた色に染まりすぎていて笑ってしまった。
ジャケットのツインテ姿という完全に自分の持つ力の全てを自覚してしまった上で”勝ち”に来ている。この様はいづれ特筆せねばねばならない。
また、かすみんの【背伸びしたって】はかわいくあろうとする様とちょっと憂いを帯びた様子のコントラストが非常に美しい。【無敵級ビリーバー】のようなバランス感覚の歌詞に本物の涙を流した。

他にもというかもう話し出せば全てが止めどないのだがこれらはフルで全貌を見て答え合わせをしてからの歌詞考察とする。
その答え合わせを待てずほどだった【咬福論】はやはり私の中で特に抜きん出ていたと言える。

圧巻のタイトルに加え「ラブソング」のベクトルを背徳感に振ってくるのはあまりにもなるほどやってくれたなという万感の思いで胸が溢れる。
この後ろ暗いラブソングの果てがどうなるのか楽しみがすぎる。どこに向かうかまだ分からないけど面白そうなことになるかも危ういのが面白い。

ただこれだけは言える。これからどんな展開が待っていようとも。

抱きしめ続けよう。栞子との
二人の、俺たちのキズナを。笑顔で───

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