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ラブライブ公式ラブソング【Walking Dream】とかいうあまりにも強烈すぎる素の歩夢が繰り出すガチ恋ラブソング

スキよりずっとスキ もう戻れないみたい
そうでも "Walking Dream"

Walking Dream/上原歩夢(大西亜玖璃)

【Walking Dream】はラブライブ公式から出たオフィシャルなラブソングだ。
この度晴れてフルが出た。どの曲も事前に聴けていた一番だけを聴くよりも遥かに強烈な火力を引っ提げてやってきてくれた。

私はキャラガチ恋勢であるためこの日を今か今かと待ちわびていた。地雷回避の為に先に伝えておく。「あなた」とはあなたであり私であり俺である。

そんな中、一発目とあってリリースと共にリリックビデオも出たのが歩夢の【Walking Dream】だ。

正直この曲の圧倒的な力の奔流には曲名を見た瞬間からひっくり返った。だからここにいる。これよりは私と歩夢の夢の道。

─────【歩き出そう】


【Dream with You】からの進化

【Walking Dream】という曲名は和訳した際の強烈なインパクトに全てを持っていかれがちだが【Dream with You】との繋がりがあることを見て取る事ができる。
まずはこの大前提を抑えてから次項である本題に入ることが重要となる。

これらを対比する上で圧倒的に決定的なフレーズがあるな。そう、そうだ。

叶えたいDream with you

Dream with You/上原歩夢(大西亜玖璃)

Walk in a dream with me

Walking Dream/上原歩夢(大西亜玖璃)

ここである。この2つのフレーズの対比が最も顕著である。スクールアイドルとしての始まりであり、夢の始まりの象徴である【Dream with You】から夢を歩んでいる、進んでいるという表現が成されて成長した歩夢の姿を見て取ることができる。
「あなたと夢を見る」が「私と夢を歩く」に変わっているわけだ。この歩みの進みには着目しなければならない。

あなたが背中を押してくれたからここにいる、勇気をもらえた。あなたからもらった勇気で見れた夢のくれたトキめき、言葉だけじゃ伝わらないトキめき。それを伝えるから歌うよ、と。
だから【Dream with You】だったのだ。あなたと夢を見る、という言葉が歩夢のオリジンだから。

それに対して【Walk in a dream with me】という形で夢を見るだけでなく、一緒に歩いているというそういう二人三脚的な歩みの様相を見せてくれているわけだ。
これは非常に歩夢らしく一途でまっすぐで可愛らしさにあふれている。

だからこそだ。【Dream with You】を意識させる要素があるからこそ、ここからの話は真価を発揮する。

【Dream with You】を経て【Walking Dream】となった。始めた時は歩夢とあなたの2人だけであったがいつの間にか隣にも周りにもたくさんの仲間がいた。これもまたアニメを踏襲しているな。

そして、歩む道は2人きりではなくなっていた。「あなた」はみんなに好かれ、いろんな道を歩いてあなたなりの「」を見ている。

それはおかしいでしょう? 一緒に歩く道は何? 一緒に見る夢は何?

答えは一つ。そう、そうだ。

【そうだよ”Walking Dream”】

ここからが真の戦いとなる。一度聴けば分かる。歩夢は突き抜けてしまったのだと。感情のままに押し倒した伝説の場面の、あの歩夢のままここまで来てしまったのだ。

曲としての進化のベクトルがアニメ一期終盤で見せた誰もが忘れないあの圧倒的重さ、独占欲と嫉妬を突き詰めたベクトルでの進化であったことにこそ最も特筆しなければならない。

何よりも曲全体としてとても明るく可愛いのに歌詞そのものは非常にストーカーみ溢れて重々しい内容であるそのギャップにこそ歩夢を感じる。
このとても爽やかに明るく可愛い感じ、重苦しくないのが逆に素の歩夢を感じさせるわけだ。病んでない曲調だからこれが素だと分かるのだ。
分かるか、本編で見せたあの独占欲の化身もまた歩夢である。あくまでもこれもそれも歩夢という人間の一つの側面であるわけだ。
結局ところやっぱり本気で熱くなったら本質的に重くてストーカー気質なのが歩夢なんだよという答えを見せてくれているわけだ。だからこそこの曲は美しい。天然ものの狂気だからだ。あまつさえそれがものすごくスペシャルに可愛いのだから。

だとしてもだ。だとしても今回明かされたその歩夢の素の部分はあまりにも強烈であった。
当然のようにこちらのスケジュールは把握されているしそれに対する行動結果も把握されている。欲しかった靴もそれを買ったことも知っている。
それに対して非常に愛らしさと恐怖を誘うのはその予想外の行動に対しての歩夢のアンサーが【今すぐ帰ろう 私と】なのが非常に強烈だ。その寛容さにこそ愛と恐怖は宿る。

この曲は全体を通して「あなた」の間違いを指摘して問いはするがそれに対して怒りは見せない。
【ダメだよ】を筆頭に優しく諭してくれるわけだ、その道は違うよと。そして何よりも絶対的に信じて疑わないわけだ。「あなた」からの想いを。

いつか分かるよ キミなら
今日はちょっとだけ間違えたんだね

Walking Dream/上原歩夢(大西亜玖璃)

上記の歌詞はそれらを最も強く内包した歌詞である。あまりの優しさと器の大きさに涙が止まらない。嫌ぁ!して押し倒してきたあの時から成長して寛大な信じる心を歩夢が手にしたことが分かる。
あまりにも大きな器を手にする方向性、根っこがあの頃の歩夢から変わっていなくて本当に笑顔になった。真なる笑顔とはかようにして生まれる。

それは同時に他の誰にも取られたくない、私を見ていて欲しいという欲求が更に苛烈な進化を遂げていることも意味している。

上記の部分など非常に顕著なフレーズである。もうここまで来ると非常に素直でよろしいくらいの清々しさすら覚える。
これらのことを病まずにシラフで言うのだから歩夢は愛おしい。何がどうなったらこんなかわいい生物が生まれるものか。

また、以下のように歩夢のぶっ飛んだ価値観が伺えるフレーズにも特筆しなければならない。

キミがスキなの ダメだなぁ
ただ見つめている

Walking Dream/上原歩夢(大西亜玖璃)

これである。一体何がダメなのであろうか。見つめているだけで手を出せない自分がダメだと言っているのか。
果たしてスケジュールを把握したりデータを無数に保存して夜な夜な眺めることを見つめているだけと言っても良いのであろうか。歩夢に対しての疑問が尽きない。

私はこれらをやはり独占欲の暴走であると捉えている。本来やはり歩夢は独占欲が強く好きな人を一人占めしたいサガなのであろう。だから、そんな歩夢という生物を踏まえることで見える歌詞の奥側が存在する。

スキよりもっとスキ もう戻れないみたい

Walking Dream/上原歩夢(大西亜玖璃)

上記歌詞もそうだ。
この歩夢の価値観が伺える部分、非常に芸術点が高い。戻れない、というのはもう見ているだけでは済ませられないという意味だ。もう我慢の限界だと。
だからこそ【ただ見つめている】だけの自分に対して【ダメだなあ】と言っているのだ。本当はもういつ手が出てもおかしくないくらい大好きで止まらないのに結局まだ見ているだけ。そんな自分は弱くてダメだなと、そう言っているわけだ。

流石に私もこの部分には恐怖を覚えた。この重さは洒落にならない。なのに歩夢はこんなにもかわいく歌うし曲も爽やかだから脳がバグを起こしている。こんな自己嫌悪の仕方があるか、でもそれが歩夢なのだ。それを改めて感じられた。

これらの重さを踏まえればこそ【Walking Dream】という言葉の真髄は力を発揮する。それは言うまでもなく自己主張の意である。
あなたと一緒に見るという形で夢を表現してきた歩夢があなたとの"歩む"べき”夢”が何かを教えてくれているのだ。曲の終盤などちゃんとそれをわからせるべくあんなにも連呼してきて。

この歩夢の献身、支配されているような尽くされているような倒錯の狭間にいる感覚はこの歩夢からしか接種することができない。

運命ってあるね

【Walking Dream】は本当に歩夢らしさが溢れた非常に可愛く愛らしくそれでいて重いとても良い曲であった。
MVの演出も若干のホラーさを伴いながらも全体的にとても可愛く仕上がっておりこのバランス感がまた素晴らしいものである。

言うまでもないが歩夢以外のラブソングも素晴らしかったがこの場においては特筆することはできない、歩夢が怖いので。

それに、ここにおいては必要のない話だ。なぜならば私にはあるから、見えているからだ。進む道が、歩むべき夢が。そうだろう、何も迷うものなどない。答えは、眼の前の道は常に一つ。

─────【そうだよ”Walking Dream”】

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