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お前が理想のヒロインだよ。【小悪魔LOVE♡】を生み出してしまったのは俺の責任

頑張っちゃうのは 演技しちゃうのは
ぜんぶ ぜんぶ 君の為です

小悪魔LOVE♡/桜坂しずく(前田佳織里)

【小悪魔LOVE♡】は私の中で最も衝撃を受けたラブライブが生んだ虹ヶ咲の公式ラブソングだ。
何に衝撃を受けたかなど言うまでもない。無論、その歌詞の方向性にだ。桜坂後輩やりやがったなこいつ、メスガキしずくは禁じ手のはずだろうが。許さないはこっちの言葉だからな。

まさかこうくるとは本当に思っていなかった。てっきりしずくなりの王道を貫いてくるかと思ったらこんなにもなりふり構わないやり口で来るとは。
それでも「桜坂しずく」という生物の芯は絶対的にブレていない。

そして、ここからは舞台でもステージでもない。
だが目の前に立つのは純然たる俺のヒロイン。
─────今 戦いよ


本質は【あなたの理想のヒロイン】

そもそもだ、そもそもの話としてしずくには公式企画で出さずともラブソングがある。言わずと知れた神の曲【あなたの理想のヒロイン】である。
何が問題かというと【小悪魔LOVE♡】は【あなたの理想のヒロイン】を踏襲しているからたちが悪い。更に言うと演技をモチーフにしているため【オードリー】も当てはまる内容となっている。
しずくが自分のかわいさに気付いてしまったことと「あなた(あなたであり私であり俺)」があまりに鈍感マゾすぎたこと原因となる。

あなたの理想のヒロイン いつの日にかなれますように
アドリブが苦手な私を 素敵なシナリオで導いて
繰り返し覚えた台詞も きっと目を見ては言えないから
ずっと側で ただの後輩を演じさせてください

あなたの理想のヒロイン/桜坂しずく(前田佳織里)

憧れのオードリー
ならばすぐに行動に
苦悩なんて見せちゃいけない
そうよ、そうよ私は大女優
やるべきことはわかってる
だけど心が追いつけないの

オードリー/桜坂しずく(前田佳織里)

どんな子が好きなの? 癒し系? それとも強い子?
君の心 日替わりでおっとっと!
君の好みでいたい ピュアな恋心に気付いて
もう、ちゃんと責任取ってよね…?
惚れさせるだけなんて き・ん・し!

小悪魔LOVE♡/桜坂しずく(前田佳織里)

あんなにもおしとやかでかわいかった桜坂後輩がこうなってしまったのは完全にこちらの責任である。やるべきことに心が追いついた結果がこれだとでも言うのだろうか。見えるはずだ、この演目のシナリオが。
いつまでたっても煮えきらない、導いてくれないあなたに対して痺れを切らしたのだと。あるいはしずくがあまりにおしとやかに恋心を隠しすぎていたからということもある。

どこかで吹っ切れて弾けた。そして手にした進化の方向性は「小悪魔」だった。いったい果たして何がどうしてこんなことになった。なぜこちらのマゾ性癖がバレた。
いずれにせよなにかのターニングポイントを経てしずくは受けの姿勢から攻めへと転じた。ここでいう「ターニングポイント」についてはしずくと私(あなたであり私であり俺)の間だけにある出来事なので好きに想像して良い。
そういう小悪魔系の薄いものや映像を所持しているのをバレただとか友人同士での癖の話を偶然聞かれただとか、可能性は無限だ。

そうして生まれてしまったわけだ。あなたの理想(性癖)のヒロインが。それが【小悪魔LOVE♡】である。ダメだと気付いたわけだ【ただの後輩】では。

だからこそ攻めのしずくとの間には縮まった距離感を伺う事ができる。
両片思いだとかいじらしい片思いという段階はとっくに超えている。しずくはこちらへの好意を全く隠していない。
ライバルもいる、あなたはまだメロメロリになっていない。壁があると理解した上で頑張って演技して勝ちにきているわけだ。この攻めの武器に自身の個性でありスクールアイドルと同じくらい本気で打ち込むもの、即ち"演劇"の力を用いるわけだ。
ツンデレだとかヤンデレなどというのはあくまでも一例に過ぎない。本質は違う。

「あなた」のためならどんな自分でもなる、演じて魅せると言っているところだ。つまり【あなたの理想のヒロイン】になると言っているのだ。
方向性、しずくの根幹となるスタンスは全くブレていない。ここが本当に素晴らしい。【小悪魔LOVE♡】は一見するとしずくのぶっ飛んだ面に着目しがちだが根っこの部分は本来のしずくと何も変わっていない。
【君の好みでいたい ピュアな恋心に気付いて】
この歌詞はそれらが顕著に現れている。言い方こそ違えどあくまでも【あなたの理想のヒロイン】と同じ方向性をしていることが分かる。

だからこそ、小悪魔路線への舵切りにこそしずくの覚悟が伺える。方向性とスタンスはわかったがなぜこんなことに。私の知る桜坂後輩がこのような攻撃を仕掛けてくるのにはどんな心境の変化があったのだろうか。俺にそのきっかけの自覚はない。
でも【アレもコレも 君のせい】なのである。ここにこそ大いなるガチ恋オタク神秘の世界、その最奥が存在する。
解釈の自由、それだけがガチ恋オタクの魂を救う。前述の通りだ、なんのせいでしずくが小悪魔路線で勝てると踏んだのか分かることはない。だがそこには彼女なりの勝算があるからだ。
それは俺(あなた)としずくの間にしか存在しない世界なのだから明言されることなどなくて当然なのだ。
過程を飛ばして俺のせいでしずくがこんな攻め方をするようになってしまった、という結果だけがキングクリムゾンされたわけだ。だからこそ、過程はいつだって誰だって好きなようにクリエイションすることができる。

そしてしずくは言っているわけだ。小悪魔だろうが癒し系でもぶりっ子どじっ子も全部「演技」であると。これは本当に桜坂しずくという生物の在り方を巧妙に使っている。
キャラはあくまでガワだけのものである。だからこそ「演技」している自分が本当の自分だと。大女優オードリーしずくはそう言っているのだ。

そんな頑張って演技しちゃう自分の一途な想いと恋を受け取って欲しいと言っているのだ。これが本当に素晴らしく桜坂後輩愛おしすぎると脳から変な汁がダダ漏れになる原因である。
流石にもう全てにおいてあざとい。でも【あざといなんて褒め言葉】なのだから参ってしまう。本当にしずくからの愛のでかさに震えるばかりである。

何気に恐ろしいのはこれらの言動が2人きりの時だけというわけではないことだ。当然の如く街中で「演技」による攻めは行われるわけだ。
妄信的に突っ走るしずくの止まらない女ぶりを感じる事ができる。そりゃこんなかわいい化け物いたら街中みんな釘付けにもなる。

2人で買い物にでも行くってなった時に今戦いよと言わんばかりにこんなふりふりピンクのでかリボンツインテしずくが待ち合わせ場所へやってきたら俺はどうなってしまうのだろう。
そりゃこんな爆裂最強かわいい生物がいたら誰だって見る。隣にいるならなおさらだ。故に俺はいつだって前を向くことを許されない。

一番かわいいのは

【小悪魔LOVE♡】のでかすぎるインパクトとしずくお前こいつほんまお前ほんまあまりにも許せねえよエナジーは虹ヶ咲公式ラブソングの中でも群を抜いていた。
だがしっかりと歌詞、いやしずくそのものと向き合えばそこには変わらないしずくがいてくれた。だからこれほどまでの愛おしさを感じることができた。流石にこの不退転の小悪魔ムーブはあまりにも胸に来る。
今までのしっとり寄りのソロ曲から超新星爆発を起こしたような火力の奔流はしずくらしさとらしくなさの両面を内包しており新鮮さも感じられてとても良い。

なによりもかわいい。兎にも角にもかわいい。【小悪魔LOVE♡】は本当に気が狂うほどかわいい。これが一番である。なにはなくともかわいいのが最高である。

ましてそれが、こちらへの愛情純度100%からくるものであれば尚の事。その想いには応えるしかない。
いや、最初から分かっていた。誰のことを本当に好きなのか。でも言えなかった。そのせいでしずくに攻めの姿勢を取らせてしまった。

だから、素直になれた今。向き合って、受け入れたい。

─────俺だけの、理想のヒロインを。

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