2ヶ月間ヨーロッパ周遊したらインフレで90万円かかった(旅行費用まとめ)
いきなりだけど、ヨーロッパに行ってきた。大学受験勉強をしてる時からずっと行きたかったんだけど大学入学とともにコロナに遭遇して3年間待ち続けていたけど、ようやくこの春に決行した。
旅行前に、ヨーロッパを周遊した人のブログとかをみてたら「ヨーロッパ3ヶ月は30万円でできる!」「2ヶ月の欧州周遊にかかった費用は25万円」みたいな記事ばかりで、そんなもんかと思って実際やってみたら全然そんなもんじゃなかった。
コロナから回復した需要と、コロナ中に各国の中央銀行が金を刷りまくったせいでインフレ率が上がり、とにかく物価が高くて貧乏旅行者にとっては苦しい旅だった。多くのブロガーの人みたいに物価の安い東欧を周ればまだ良かったかもしれないが、僕はスイスを含めた西ヨーロッパを中心に周ったのでかなり厳しかった。
そういうわけで2ヶ月にわたる欧州周遊から帰ってきて旅行費用の総額を計算してみたら結構やばかったのでまとめておこうと思う。
日程
日程は、2023年の2/23~4/27の64日間。ただ、実際には2/23、4/26、4/27は行きと帰りの移動日で(ヨーロッパは遠いから飛行機も長かった)、現地でまともに観光できたのは2/24~4/25の丸61日間、ちょうど2ヶ月くらいだった。
ちなみに、なんで2ヶ月という期間にしたかというと、Eurail Pass(ユーレイルパス)というものを使っていて、その期間がちょうど2ヶ月だったから。
ヨーロッパは日本と同じく鉄道網が発達していて、ヨーロッパを周遊するときには鉄道がとても便利。Eurail Passというのは、ヨーロッパ各国の鉄道が大体乗り放題になるパスのことで、何種類かのパスが買えるんだけど僕は2ヶ月の通期パスを買ったから必然的に旅行期間も2ヶ月になった。本当は格安バスを全て個別予約して乗るみたいなスタイルであればもっと移動費は安くなるけど、今回は利便性を選んだ。
Eurail Passについては色々な細かいルールとかがあるのでまた別の機会に解説するかも。
費用の概要
最初に費用の概要、それから個別の項目について解説をちょろっとしたいと思う。
<全体合計> 89.5万---894563円
宿泊 28万-----280000円
食事 4.5万----45600円
移動 33.5万---335500円
観光 16万-----163500円
土産 1万------10350円
雑費 5千------5050円
電子機器 2.5万----24400円
サッカー 3万------29000円
本 1千------1200円
左が大体の数字で、右が正確な数字。やばいね。合計90万円。
33万円の移動費に関しては、その内訳も計算してみた。
<移動合計> 33.5万----335500円
飛行機 19万------188355円
Eurail Pass 8.5万-----84808円
鉄道 3万-------30800円
メトロトラム 1.5万----- 16800円
バス 1万----- --12460円
船 2千-- -----2240円
あれ?って思うかもしれない。Eurail Passって鉄道乗り放題じゃないの?なんで鉄道とかメトロトラムの項目あるんや。
実はEurail Passは大体の鉄道は乗り放題になるけど、都市(パリとかミラノとか)における地下鉄やトラムは含まれないし、国によっては(スペイン、イタリアとか)、鉄道に関しても別途予約料がかかったりする。
だからEurail Passはちょっとルールが難しくて、ドイツとかスイスでは超強い最強のパスなんだけど(ふらっと鉄道に乗れるガチの乗り放題)、スペインとかイタリアだと若干微妙(予約しなきゃいけない、予約料もかかる)。
合計90万円を円グラフにまとめてみるとこんな感じ。これから個別の項目についてコメントしていくけど、全体的に割合が高いのは「宿泊」「観光」「飛行機」の3つ。この3項目だけで実に70.7%、7割を占めている。特に「宿泊」に関しては31.3%で、全体の3分の1弱を占めている。
頑張っておさえているのは「食事」と「土産」(観光の左の緑のやつ)かな。
個別の項目について
全体 89.5万円
当初、インフレとかエネルギー資源高とかを考えても総額50万円かな〜とか60万円超えたら大変だな〜とか考えていたのが、結果としては90万。社会人だったらまだしも学生としては厳しい金額だわ。2ヶ月で90万なので、1ヶ月あたり45万、1日あたり1.5万円。
クレカの上限が月20万とか30万とかなので、メインの楽天カードが上限に引っかかったけど、クレジットカードを3枚持っていったので他のやつを併用することで乗り切った。
これくらい金額が大きいと物価だけじゃなくて為替レートも結構影響が大きくて、2020年以降のコロナ禍、特に過去1年間の急激な円安基調によってマジで痛手を受けた。コロナが始まった2020年春頃はユーロ円が120円くらいだったのが、2023年春現在は150円くらいまで円が安くなっているのでこれはデカい。
(現実にはコロナで無理だけど)もし3年前の2020年春に旅行してたら、89.5÷150×120=71.6万で済んだはず。もし1年前の2022年春に旅行してたとしても、89.5÷150×130=77.5万だ。円安によって10万、20万くらいの負担が増えてるわ。
ちょっと暗い気持ちになるけど、時給1200円だったら10万円稼ぐのに83時間、20万円稼ぐのに166時間。行く時期とその時の為替レートによってこんなに変わるんだな。
「時は金なり」っていうのはある意味正しくて、物価も為替もその時の各国の経済状況と金融政策によるから、僕は最悪のタイミングで旅行に行ったと言って良い。ただ、僕みたいにコロナ明けで金を使ってる人が大勢いるからさらにインフレが加速してるのも事実だからまあしゃーない。
宿泊 28万円
宿は基本的に個室のホテルとかではなくて、ドミトリー式のホステルに泊まっていた(ただ、たまに個室にも泊まった)。日本にはあまりないけど、ヨーロッパには金のない人とか学生とかが利用するホステルがいっぱいあって、ホテルよりだいぶ安いのでこれに泊まっていた。ホテルの個室だと50ユーロ超えはほぼ確定だけど、ホステルの場合は20、30ユーロくらいで泊まれる。スペインとかだと10ユーロ台のところもあるくらいお手頃。ホステルは大体2段ベッドが何個かある寮みたいな感じで、他の人と一緒の部屋で寝るスタイルだけど、特に危険性を感じることもなかった。
2ヶ月間の総宿泊数は61泊で、個室は10泊、ドミトリー式のホステルには51泊した(ドミトリーに客が自分だけっていう実質個室状態も2泊分あった)。1泊あたりの平均値段は30.5ユーロ。改めて言っておくけど、30.5ユーロだから3000円くらいかな?って考えちゃうけど実際には4590円なのでやっぱりつらいね。特に地獄の高物価国スイスがつらくて、個室じゃないドミトリー式のホステルでも最安が8000円みたいな感じだった。逆にスペインやポルトガルは安くて、2000円とかのところもザラにあった。
ちなみに宿の探し方・予約方法に関しては全てBooking.comアプリを使った。スマホとかが存在しない時代にはみんなどうやって宿を探してたんだろうと思うくらいBooking.comは便利で、最安の宿も簡単に見つかるし、宿の場所、支払い、チェックインの時間帯とか全て確認できる。
Booking.comの宿探しのコツとして、「写真よりもレビューを信じろ!」って他の人のブログに書いてあって、これは本当に真理。実態とは違う別の写真を載せている宿は結構あるけど、レビューコメントに関しては本当にハズレがなくて信頼できる。僕の宿探し基準として、「レビューの平均点が10点満点中6点後半とか7点以上のやつで、コメントを読んで特に問題がなさそうな宿の中で最安」という独自ルールで選んでいた。純粋な最安を選ぶと恐らく地雷があるので、レビューでフィルタリングした方が良いと思う。僕が泊まった宿は全て、特に大きな問題はなかった。
食事 4.5万円
旅行では「金をかけるところはかける、削るところは削る」の精神が大事だけど、実際に削れるところってそんなに多くない。バス料金とか観光地の入場料とかは削るも何も値段が決まっているので払わざるを得ないし、飛行機代とか宿代ってそもそも最安を選ぶものだからすでに削った状態。だから本当に自分の裁量で支出を調整できる分野って少ないけど、食費はそれが可能な数少ない項目。そういう理由から、食事に関しては削りまくる項目に設定して旅をした。
人によっては(特に女子?)「せっかくヨーロッパに来たからパリの綺麗なレストランでディナーしたいな〜」みたいなことを思う人もいるんだろうけど、ヨーロッパのレストランはマジで甘く見てはいけなくて、軽くランチするだけでも2000円超えが確定する。そんなことをしてたら金は溶けていって総額が100万どころか150万を超えるだろう。
じゃあ、安く食費を抑えるためにはどうすれば良いかというと、スーパーで買えばよい。ただスーパーでも自由に買うといつの間にか2000円、3000円を軽く超える物価なので(特にスイス)、基本パン、水、バナナ、チョコ、ジャム、ポテチくらいしか視界に入れてはいけない。2ヶ月間の旅の最初の方はまだ食事の最適解を発見できていなくて、誘惑に負けてサンドイッチとかフルーツジュースとかを買ったこともあったけど、旅の後半にもなるとスーパー内の安い商品の見極め眼も鍛えられ、最適解を導くことに成功した。結論を言うと、「最安のパンをチョコのクリームにつけて食べる」が値段、量、味のバランスが最もとれているのではないかという答えに行き着いたのである。
最初はジャムにつけて食べてたんだけど、ジャムは飽きる。でもチョコは全く飽きなくて、疲れてる時にチョコ食べるとめちゃ美味しいみたいな状態がずっと続く感じだった。
値段的にはパンが1ユーロ、チョコの瓶が2ユーロとかなので、3ユーロくらいでお腹いっぱいになる。
あと追加テクニックとして、無料の朝食がある宿の場合は、ジップロック2、3袋にパン、シリアル、クッキーとかを詰め込みまくることで昼も夜も朝食ビュッフェの恩恵にあずかり続けるというのも実践した。
こんなことをしてたから2ヶ月で合計45600円、1日あたり735円で抑えることに成功した。これはユーロに換算すると4.95ユーロくらいだから1日5ユーロ以下で乗り切ったことになる。
移動全体 33.5万円
移動の合計費用だけで全体89.5万の実に37%を占めている。もちろん、航空券のウェイトがかなり重い。
少し面白かったのは、3月に入ってフランスの年金改革反対デモが本格化したことによってフランス滞在のラスト3日間くらい鉄道運行が大打撃を受けて、FlixBusやら鉄道会社の振替輸送バスやらを使わないといけなかったこと。スペインに入国するまで本当に不便で、フランスのデモ活動の威力を感じた。
飛行機 19万円
この旅で飛行機を利用したのは、
行き 成田からコロンボ経由でパリ → スリランカ航空
バルセロナからポルト → ライアンエア
リスボンからチューリッヒ → TAPポルトガル航空
帰り アムステルダムから台北経由で成田 → 中華航空
行きと帰りはそれぞれ86400円、バルサポルトは6720円、リスボンチューリッヒは8820円。
コロナ前の原油安の時期とか、コロナ中で需要減のタイミングだったら中東系航空会社(エミレーツ、エティハドとか)のエコノミーで日本からヨーロッパまで片道5万とかが平気であったんだけど、インフレ+原油高+円安のトリプルパンチでトランジットの長い便でも片道9万近くまで高騰してる。これが日系航空会社の直行便とか、ビジネスクラスとかだとマジで数十万、100万超えの時代になってしまった。
そのかわりヨーロッパ域内の格安航空便は価格競争によって本当に安くて、新幹線みたいな感覚で軽く飛行機に乗れる感じだった。スペインポルトガルの国境を鉄道で越すのは難しいのでバルセロナからポルトで一回目、ポルトガルからスイスまでは鉄道だと無限なのでリスボンからチューリッヒで二回目、という感じで飛行機を使った。RyanAirとかEasyJetが欧州格安航空会社の有名どころで、本当に安くて1万円以下で主要都市間を移動できてしまう。ただ座席は広くないし、機内サービスとかも全て追加料金がかかるけど、ゆうても2、3時間とかなので全く苦ではない。
ちなみに飛行機の予約は全てSkyscannerというサイト経由で行った。Skyscannerは旅行サイトというより検索ポータルみたいな感じで、Skyscannerで最安の便を検索した後、そこのボタンからTrip.comなり、エアトリなりに飛んで予約する。
航空券の予約方法には色々な流儀があると思うけど、僕は特定の航空会社にコミットしてマイルを貯めているわけではないので、シンプルに額面金額が安くて、トランジットが現実的な(セルフ乗り継ぎ3回みたいな狂ったルートは選ばない)選択肢をSkyscannerで探すスタイル。
Eurail Pass 8.5万円
ヨーロッパの鉄道が大体乗り放題になる券。ただ、言ったようにメトロ、トラムは範囲外だし、スペインとかイタリアだと予約料金も追加でかかる。
本当に安く移動したいなら全部鉄道を個別手配して格安バスとかと合わせて使うのが良いんだけど、ヨーロッパの鉄道(特に新幹線みたいな高速鉄道)はダイナミックプライシングを採用していて、時期とか便によって値段が変動するから厄介だ。2、3ヶ月前だと数千円の高速列車の便が、1週間前とか数日前になると数万円に跳ね上がったりするから、柔軟に旅程を変更したい人からするとマジ使いにくい。そこで登場するのがEurail Passで、数万円するこのパスを買うことによって、ふと「明日TGVの予約したいな」みたいな時に千円ちょっとで予約ができるのである。
だからバスとかに比べて別に安くはない。安くはないんだけど、鉄道を柔軟に利用したいなら超絶便利なのである。Eurail Passの本質は、お得ではなく柔軟性。
そういう理由から僕は2ヶ月間有効なパスを買ったので、旅行期間も必然的に2ヶ月になった。パスには色々な種類があって、特定の国だけとか、フレクシータイプとかがあるのでもし暇があればまた解説するわ。
鉄道 3万円
Eurail Passと別項目のこれは、パスとは別にかかった鉄道予約料金の合計。少し高く感じるけど、ここにはローマからトリエステまで行くのに使ったイタリアの夜行列車InterCity Notteの料金6500円も含まれていることに注意。ただこの6500円もパスを持っているからこそ適用される割引金額で、通常予約料金だと2、3万はする。
それ以外に予約料金がかかる鉄道の種類は、フランスのTGV、スペインのAVE、ポルトガルのAlfa Pendular、イタリアの各種高速鉄道などなど。逆にドイツとかスイスは鉄道天国で、Eurail Pass保有者は高速鉄道のICEとか含めて基本全部無料で予約も必要なし。
また、パスを持っていれば各国の高速鉄道以外の在来線とかローカル線は基本無料だけど、何度も言うように地下鉄やトラムはパスの範囲外。
メトロトラム 1.5万円
Eurail Passではカバーされないので普通に払う。都市の地下鉄とかは大体1回の乗車で2、3ユーロとか。パリ、バルセロナ、マドリード、ミラノとか大きい都市では地下鉄は超便利。
日本ではほとんどないけど、ヨーロッパは大都市以外の中規模都市では大体トラムが走っている。普通に道路上に線路もあるみたいな感じだから、車みたいな感じでトラムが走ってるんだけど、かなりカオスな状況ではある。
日本だと道で遭遇するのは車、歩行者、自転車くらいなんだけど、ヨーロッパだと車、歩行者、自転車、トラム、電動スクーターみたいに色々な動くものがあるからごちゃごちゃしてる。
バス 1万円
鉄道旅といっても限界があって、ちょっと僻地にいこうとするとバスも使わざるを得ない。バスを使った場所の例でいうと、モンサンミッシェル、ポンデュガール、ペン宮殿、フェラーリ博物館、ノイシュヴァンシュタイン城とか。特徴としては、街から遠かったり、山間部とか海岸とか行きにくい場所にある観光名所で、そこに行くにはバスで行かざるを得ない。
ただバスっていうのは時刻表が難しいし、停まる場所もよくわからないし、鉄道みたいに質問できる駅員もいないし、クレカ使えないことも多いしと正直使いにくい交通手段。
実際この旅でもポンデュガールとかフェラーリ博物館への行き帰りにはマジ苦労した。ポンデュガールではフランス語の時刻表の見方をミスって何時間も待った結果バスが来なくて別の日に再チャレンジしたり、フェラーリ博物館では帰りのバスでクレカが使えないと言われて、持ってる現金が足りなくてこれは詰んだと思ったけど、そこらへんの店の店員に懇願して3ユーロ貰うことでバスにやっと乗れたりと、そういう面倒に遭遇した。
ちなみに合計12460円の半分の6000円くらいはニースからニームへ行くために使った格安長距離バスFlixBusで、これはフランスの労働組合がストライキをしたことで鉄道が完全に止まったから使ったもの。
FlixBusがあって正直助かったけど、でもニースの空港発しかなくて、路線バスもストライキで止まってるからわざわざ1時間以上かけて空港まで歩いて、挙げ句の果てには2時間半くらいFlixBusが遅れたからずっと空港のバス停で待って、ニームに着く頃には深夜でしたみたいな超最悪体験だったけど、まあ長く文句言ってもしょうがないからここらへんでやめておく。
船 2千円
一応船にも乗った。ヴェネツィアの水上バス、ライン川のリューデスハイムの渡船と、ライン川のカウプの渡船。
ヴェネツィアではやっぱり船に乗らないとだめで、船からの景色もそうだし、サンジョルジョマッジョーレ島の塔からヴェネツィアの本島を見るのが超おすすめ。
観光 16万円
基本的に観光には躊躇せずにお金を払った。ここには含まれるのは観光地の入場料金、チケットの値段、あと氷河急行やユングフラウ鉄道は移動手段というよりも観光要素がメインだからこっちに含めた。
特に高かったのはパリミュージアムパス(57ユーロ)、グラナダカード(49ユーロ)、氷河急行(39ユーロEurail Pass割引適用)、ユングフラウ鉄道(163ユーロ)らへん。
結構良かったのが、ヨーロッパの多くの観光地で一般料金以外の細かな割引があって、学生とか障害者とかEU市民とかだと少し安くなったりする。僕は学生で、国際学生証とかは持ってなかったけど、普通に日本語で書かれた大学の学生証で大丈夫だった。しかも学生証を持っていくと無くしそうだから、学生証をスマホで写真撮ってその画面を見せる方式で全然いけた。日本語わからないよ〜って受付の人によく冗談で言われたけど一応Studentって英語で書いてあったからOKって言われて学生料金になって一般に比べて2、3ユーロ安くなったりした。大人だと16万じゃ収まらなかったと思う。
土産 1万円
旅行においてお土産は諸刃の剣である。家に帰ってから思い出したり、友達や家族にあげたりといったメリットもある一方で、旅行の最中にはお金はかかるし重いし場所はとるしでデメリットがかなり大きい。特に重さと場所問題が大きくて、スーツケースすら持っていかない身としては、バックパックの奥底にちょこっと入れる程度の小物しか買えないんだよね。
我が家では昔から行ったところのマグネットを買うのが風習で、冷蔵庫がマグネットに埋め尽くされて大変なことになってるんだけど、僕もこの旅ではキーホルダー2つ以外基本マグネットしかお土産は買っていない。マグネットは理想的な土産で、安くて軽くて小さいから10個とか買ってもかさばらない。
雑費 5千円
この項目はマジで雑費で、歯磨き粉、爪切り、ティッシュ、洗濯機代、ロッカー代とかそういう諸々の費用。
電子機器 2.5万円
カメラのSDカードとか、eSIMとか、コンセントに差すUSBのやつとかの費用。
旅行者とって、スマホでどうやってネットに接続するかは一つのテーマだと思うけど、今回は初めてeSIMを試してみた。かつてならポケットWifiとか物理SIMカードを買ってスマホに差すみたいな選択だったけど、今ではもう少し選択肢があって、eSIMとか、日本のMNOでそのまま安く海外ローミングもできるらしい。
eSIMは、スマホの製造段階で基盤にSIMが搭載されて、ネット上で通信業者と契約することでそれを発動できるみたいなシステム。近年のメジャーなスマホだったらほぼ必ずeSIM機能があるけど、今まで使ったことがなかったので新鮮だった。
色々な通信会社があるんだけど、今回はMaya Mobileってところにした。国単位で契約できるし地域単位でもできて、今回はヨーロッパ地域のプランを使った。
正直この会社が最安かどうかはよくわからんけど、サイトが見やすいし信頼性もかなり高かったので補充分も全部Maya Mobileで追加した。通信の接続とかは全く問題なくて超快適だった。
Google MapsとかSafariとかGmailとかBooking.comとかを外出中でも使えるのは美術館とかその日泊まる宿の予約作業をする上で必須だね。あと、サイトで注文してからメールが届いてeSIMを起動してネット接続できるまでがすごい早いからデータ容量がなくなって追加注文をしても1日待つみたいなことがないのは良かった。
日本を出る前に5GB注文しておいて、2週間くらいでそれを使い果たして10GB注文して、1ヶ月くらいでまた無くなって5GB注文してそれは少し余った。2ヶ月で7000円、1ヶ月で3500円だからまあ安くはないけど高いわけでもない感じかな。
とにかく、物理SIMをどっかで受け取ったり、ピンセットみたいなので入れ替えるあの面倒くさい作業に比べるとeSIMの利便性は最強。もう将来的に旅行で物理SIMを契約することはないと思う。
サッカー 3万円
観光に含めても良いかなって思ったけど、ヨーロッパ行く人全員がサッカーを見るわけじゃないし、金額も高いから個別項目にした。
僕はFCバルセロナが好きなので、バルセロナにある本拠地カンプノウで宿敵レアルマドリードとのエルクラシコを観戦した。人生で初めてバルサの試合を見たけど最高だったね。今シーズン、バルセロナはラリーガ(スペインの1部リーグ)で首位を独走してるんだけど、このクラシコは劇的逆転勝利で素晴らしい試合だった。前半はマドリーに先制された上に試合内容もかなり悪かったけど、前半終了間際にぎりぎり追いつき、後半は流れが戻ってきたけどずっと1-1が続いて、後半アディショナルタイム2分経過時点という試合終了ギリギリでケシエが決めて2-1の勝利だった。2点目を決めた瞬間はスタジアム全体が爆発するような感じで、試合後もずっとお祭り騒ぎで本当に楽しかった。
試合結果以外に本当に良かったのは、セルヒオブスケツをカンプノウで見れたこと。ブスケツはバルサの黄金時代からずっとピボーテでプレーし続けてるチームの心臓なんだけど、つい先日今シーズンをもってバルサから退団することを発表した。ブスケツはもう34歳で契約も今夏に満了するから、あとは中東のクラブでサッカー人生の最期を過ごすらしいんだけど、世界最高のピボーテをカンプノウで最後に見れたのは良かった。実は2022年カタールワールドカップの日本戦でスペイン代表のブスケツは見れたんだけど(W杯後にスペイン代表から引退)、バルサでも本当に退団直前のラストシーズンだった。
叶わなかったのは、メッシをカンプノウで見れなかったこと。2021年夏にバルサからPSGに移籍したんだけど、がっつりコロナ禍だったので行けなかった。ただ、どうやらメッシはバルサ復帰の可能性があるらしいので、もしそれが実現したらもう一回スペインに行って見に行くかも。
本 1千円
ウィーンのオペラ座を立ち見席で見るために当日券の列に並んだんだけど、ネット上のブログによるとめちゃ並ぶらしいからそのために買ったKindle版ハリーポッターとアズカバンの囚人。
開演3時間前から列に並び始めたけど1時間ちょっと経ったタイミングでなんか中に入れたので結果的にそんなに本は活躍しなかった。家には紙の本バージョンがあるからマジで列に並ぶ暇つぶしのためだけに買ったんだけど、1200円無駄にしたわ。
まとめ
以上が費用の説明。この旅をした2023年春は、おそらく過去10年間で海外旅行するには最も金がかかるタイミングだったことはほぼ間違いないと思う。戦争、エネルギー資源高、円安、インフレと、結構厳しい状況だったけど、そうした中でも費用を削れるところはあるし、削る方法を考えることが結構楽しかったりもする。
もう終わるけど、最後に余談を一つ。
オペラの立ち見席で隣に偶然、川崎市から来てた人がいたんだけど、その人もヨーロッパを周っていて、旅行中レストランに結構行ってるって言ってたんだよね。レストランなんかめちゃ高いから、それ1日食費いくらですか?って聞いたら30ユーロには収めてるみたいなことを言っててやっぱりそうだよな、高いよなと思った。
30ユーロ≒4500円だから、もし2ヶ月だったらそれだけで27万円。僕はパンを瓶のチョコにつけて食べる戦法なので1日5ユーロ≒750円、2ヶ月で4.5万円。
川崎から来た人はいうても社会人だったから貯金が多少はあるんだろうけど、ちょっと使いすぎじゃない?でもその人はEurail Passじゃなくて格安バスを個別予約してる派って言ってたから、移動費はおそらく僕の方が高い。
僕は食べ物なんか日本でたくさん食べれるから我慢して、むしろ旅では機動性をあげて色々な場所に行きまくることが重要だと思ってるんだけど、川崎のその人にとっては逆の考えなんだろうな。
結局人それぞれ重視する項目や価値を感じるものが違うから、旅のスタイルや費用を削る場所も変わってきて、それに応じてスケジュールを調整したり色々な工夫を凝らしたりする。
自分で全てを決められる自由度が旅の面白いところなんだと思う。