見出し画像

多発性硬化症確定までの検査

さて先日指定難病である多発性硬化症と診断されて第一弾の治療を終えている私ですが、確定診断をされるために検査入院となった経緯は前回の通りですが「多発性硬化症と確定診断されるためにどのような検査を受けたのか」について詳しく書きたいと思います。

・誘発電位検査
視覚 聴性脳幹 体性感覚 運動
この4種類があるそうです。
正直視覚誘発電位検査以外はどれがどれだったのかよう分からん。という程度の記憶ですが、検査をしたい感覚を掌る神経部位に電極をつけ感覚部位に刺激を与え、その伝達速度を計る検査。らしいです。
唯一ちゃんと理解把握していた「視覚誘発電位検査」ですが、頭の複数箇所に電極をつけ、暗い部屋で白黒の千鳥格子模様の白黒がパカパカ入れ替わるのをただじーーーーっとみつめるだけの簡単な検査です。
いずれの検査も、電極はペタペタ貼り付けるだけですし痛み等はありません。
ただ時間がかかるので退屈なだけです。

・問診、神経学的検査
私はこれが辛かった。
まず家族構成、親類縁者の構成、病歴、死亡理由等々微に入り細に穿ち質問されます。
とうに亡くなった祖父母や何年も会っていない叔父叔母のことを思い出したりして懐かしい気持ちになるのでそれはいい。
辛いのは、認知状態を確認するための知能検査のような検査。
延々と絵を見せられて「この絵の中で明らかにおかしいと思う部分を言ってください」
などと言われるのですが、まずその見せられる絵が小学生が一生懸命描いたようなパースもクソもないような絵。どこがおかしいってどこもかしこもおかしいわ!と思う絵で、見ているだけでストレス。
答えるべき「明らかにおかしい部分」はちゃんとあるんですよ、人が砂浜を歩いている絵で1人だけ足跡が描かれてないとか。
でもそもそも絵自体がおかしいので見てるだけでストレスを感じさせるのです。
更に辛かったのが、簡単な暗算問題と一般常識的な知識を次々聞かれる質問。
暗算苦手なんですよ昔っから…一般常識的なのは、答えられないとお医者さんというインテリ層の方々相手なので「フフンこんなことも知らんのか」と思われてるんじゃないか…と恥ずかしい気持ちにさせられます。

これらの検査がとにかく時間がかかり、面倒臭いことこの上ない。
できれば二度と受けたくないです。

・腰椎穿刺(ルンバール)
脊髄に針を刺して髄液を取る検査です。
中枢神経系の疾患だとよくある検査のようですね。
背骨のところに針を刺す、なんとなく恐れられている検査ですが、実際のところ最初に刺す麻酔も普通の注射程度の痛みで、腰椎穿刺自体には特に痛みはありません。
髄液は血液のように針を刺してちゅーっと取れるものではないらしく、針を刺してポタポタと出る髄液が必要な量になるまで、膝を抱えて丸くなった姿勢でじーっとしていなくてはいけません。
動くと脊髄が傷つく恐れがあるため、動くの厳禁です。
髄液というものを見たことがなく、また普通の生活をしていてなかなか見る機会はないので「取れたら見せてくださいね」と担当医の先生にお願いしていました。
なんとなく若干薄黄色い液体を想像していたのですが、実際に見せていただいた髄液は、正に無色透明。
普通の水みたいでした。
黄色かったらヤバいそうです。
せっかくだから写真撮っとこ。と思い、「1時間くらいはこのままじっと横になっててくださいね」と言われ起き上がれなかったので「ちょっとお使いだてして申し訳ないのですがそこにある携帯取っていただけますか」と担当医の先生を使い私のiPhoneを取ってもらい、無事先生が手に持つ私の髄液を撮影しました。
「研修時代に同じことをしていた同級生がいましたけど、患者さんがされるの初めて遭遇しました。」と言われました。
いい思い出です。

・MRI
うるさい音のする筒状の機械の中に横になった状態で入れられて撮影をされる検査です。
多発性硬化症の検査だと造影剤を入れて撮影をされるので、手には点滴用みたいな針が刺さった状態です。
MRIって強力な磁石でできた機械なので金属を身につけているのが厳禁なのですが、検査前の注意説明で「刺青が入っていないか」という質問事項があるんですね。
噂で「刺青が入っているとMRIが受けられない」というのは聞いたことがあり知っていましたが、ふと「入っているとどうなるんだろ」と思い、検査後に病室に戻ってから看護師さんが来た時に聞いてみました。
「今はどうか分からないですが、昔の刺青って染料に金属が含まれていたものが多かったそうで、特に赤は鉄を多く含んでいるらしくて刺青部分が加熱して酷いやけどになるんですよ。」
と恐ろしい話をされました。
なるほど、だから刺青してるとできないのか……恐ろしや。

・眼科での診察
目に症状の出ることが多い病気なので、眼科で様々な検査をされます。
普段コンタクト使用者なので、コンタクトを処方してもらう時の検査のディープなやつくらいな感じでした。

あと毎日のようにされた
・血液検査
こちらはいっぱい取られはするもののまぁただの採血でした。

ざっと記憶を掘り起こして、入院しての精密検査はこのような感じでした。
入院前には造影剤なしのMRI、筋電図検査(手足にビリビリ電極をつけてビリビリされて伝達状態を見る検査。痛い)、先生の前で歩いて見せる、手足の関節の反応をコンコン叩いて見る等がありました。

痛い検査は入院前にやった筋電図検査だけでした。
ですが私がやったのは「痛くない方」の筋電図検査だったらしいです。
私的には「ライトな拷問」と思ったのですが、針筋電図検査という「割と拷問(経験者の看護師さん談)」レベルの筋電図検査があるらしいです……

一番印象に残ったのは、やはり髄液を取る検査です。
確定診断のためと投薬治療3クール終了後の2回受けたのですが、自分の体内にこんなに無色透明な液体が流れているなんて……人体ってワンダー。
としみじみ思いました。

なかなか受ける機会のない検査が次々続き、自分の髄液を見る機会をいただき、色々と興味深いことが多い検査期間でした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?