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MWU Writers in Residence
2024年8月25日 14:11
作:朝日かる1 ちょっとあなた、と呼び止められて足を止めた。 深夜三時の住宅街に人が多いわけはなく、私以外に「あなた」に当てはまるような人間はいない。同時に、呼び止めてくるような人間も滅多にいない。これが噂に聞く職務質問かとやや怯えながら振り向いたが、街灯に照らされて道路の真ん中に立っていたのは一人の女の子だった。同じくらいの年頃だろうか。果たして同じ年頃の女性を「女の子」と言っていいもの