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雨の日さんぽ

子どもの頃は、雨が降る日が待ち遠しかった。

赤い長靴はいて
黄色のレインコートを着て
黄緑の傘をさす

雨の日限定、三種の神器をまとえるからだ。


長靴を履けば、水たまりも無敵。
ジャブジャブ、バシャバシャと、大きな水たまりから小さな水たまりへダイブしたり飛び越えたりして遊んだ。

花や葉っぱの上の雫を振って落としたり、手のひらで受け止めたり。
カタツムリやミミズがいつもより元気に動く姿を眺めることもスキだった。

晴れの日とは違った景色と遊びは、雨の日の醍醐味と言えたのだろう。


そんな恵の雨が、いつから憂鬱なものになってしまったのだろうか。

きっと就学してからなのだろう。


通学・通勤で持ち物が濡れる
靴や洋服が濡れる
髪の毛が湿気を含み膨張する
電車が混む・遅れる
じめじめして蒸し暑い
寒い
暗い

理由をあげたらキリがないほど、雨が憂鬱な日に変わってしまったのだ。



雨の日の通勤は特にブルー。
1本早いバスに乗り、2~3本早い電車に乗る。満員電車に濡れた傘。ムシムシする車内は最悪だった。
ドライヤーを持参して、会社の更衣室で髪をセットしなおす。濡れた時用にちょっとした着替えも持参していたので、とにかく荷物が多くなった。

良くもまぁ、そんな生活を10年以上続けていたものだと思う。



私が20代の頃は、オシャレなレインブーツなどはなく、長靴はゴム長のみで、子どもかお年寄りが履くくらい。

雨の日も晴れの日も、パンプスかヒールを履くのがあたりまえで、街中どこをみても長靴を履き、レインコートを着るオトナはいない。(自転車通勤のヒトは着てたけど)


そう、あの頃は、雨の日の三種の神器を使っていなかったのだ。
いや、使えないような風潮があったのだ。


今は、オトナかわいいレインブーツやレインコートが巷にあふれている。
お陰で、世間の目を気にせずに、雨の日の三種の神器が使えるようになっている。時代は変わったものだ。


それもあってか、最近は雨の日の憂鬱な気分が薄れていることに気がついた。


レインコートにレインブーツを履いて、今日も雨の日散歩に出かけている。

雨や風を感じながら歩く道端には、紫陽花がいきいきと咲き誇っている。


誰も見ていないことを確認して、水たまりにダイブすると、自然と口角が上がっている私がいた。



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パラレルキャリアをもつフリーランス助産師です。歩くパワースポットと呼ばれるくらい幸運体質な私が、妊娠/出産/子育て/女性の健康/の情報発信と日々のくらしのよしなごとをエッセイでつづっています。サポートしていただけたら最高にうれしいです!