見出し画像

【歌詩】イフ

イフ

動物達 動物達
今宵 森の晩餐会
誰を捧げるか?
異論はなく 僕を指差して
祭壇へ連れていく

 頭のなかにいる僕の友達
 「目も耳も塞いでおくね。」

家畜達 家畜達
毛皮纏った裁判官
死刑判決
異論はなく 僕を指差して
絞首台へ連れていく

「最適解 最適解 木々ごと焼き払え。」
飛び散る火の粉 ラード
欲をそそる オードブル
「残さず齧りつけ!」

 頭のなかにいる僕の食いしん坊
 コイン まるで鏡合わせ

 「このまま子どものままでいようよ。」
 君は僕の手をとって 引きずり込んだ

引きずり込んだ

胎動の揺りかご
しっぽ切れる
焼け野原 駆ける
しろいけもの
君の待つ部屋から
僕は旅立つ

 「もし僕がいなくなったら、君はもう
 そのピカピカを忘れるよ。
 それでも良いの?」

 「良いよ、僕は平気なんだよ 
 本当は、君が生まれてくるべきだった。」

「ごめんね、辛かったね。」
今度は僕が君の手をとって 光の元へ

水槽で 泡を吹いて 笑い合う








この歌詩について

数年前に書いた歌詩。
タイトルの「イフ」を英語に直すと「IF」。
これはイマジナリーフレンドの略であり、この歌詩に出てくる君が「僕」にとっての「イフ」といえる。
「イフ」とは、現実に嫌われている(と思い込んでいるのかもしれない)「僕」の純粋さや無邪気さ(=そのピカピカ)の源であり、良くも悪くも「僕」を世界から守っている。

この頃People in the box にドはまりした時期であったため、彼らの歌詞に強烈に影響を受けているのが分かる。
世界からの抑圧→精神的逃避→新たな次元へ旅立つ
という構成は、Peopleの楽曲「天使の胃袋」から着想を得た。




ムジナの芝居

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?