見出し画像

【売上公開】デザインフェスタ56に初出店して好評だったので、ディスプレイや売上など公開します。

売上など赤裸々な部分も書いてますので、これから絵を販売したい・している作家様の参考になれば幸いです。


 
2022年11月19日(土)・20日(日)に開催されたデザインフェスタ56に出店してきました。
今回初めてのデザフェス参加だったので、色々考えたことや実際の様子など振り返りの意味で書いてみようと思います。デザフェスは初出店でしたが、一応雑貨店で販売職を数年していたこともありますし、過去に個人で他のフリマやハンドメイド系イベント等でも販売経験があります。
なので、もし、これから初めて販売しよう、デザフェス参加しようと思っている方にとっては参考になる部分もあるかと思います。




ブースの大きさについて

初参加ということもあり、Sブースに絵画系のカテゴリーで両日申し込みました。今回、友人と合同でスペースを取りましたので2人で相談し、机や壁などのレンタルはせず、自分たちで用意した什器を使用して臨みました。

予算の都合もあり、壁をレンタルしないと決めた段階で、高さのある棚を使わないと目立たないなと感じました。手持ちの什器では高さが出せるものがなかったので、大きな棚を新たに購入しました。ある程度大きな作品も置けて、高さがあって、組み立て・持ち運びが出来るもの……。いろいろ見てまわった結果、ニトリのスチールラックと、ラック専用の木目調の板があったのでそちらを購入しました。組み立てが現地で出来ること、5段あるので高さも充分にあり、作品数も多く置けること。また、マットな黒と木目調の棚板が、高級感があり気に入りました。それに決まるまで、家具屋や雑貨屋など何店舗も見てまわって考えました。

自宅でシミュレーションした時の写真


商品について


今回はいつものようにアクセサリーやZINEなど色々は持って行かず、原画を中心にしました。持参した作品数は、一番目を惹くS6号、SSM号、SM号、S0号、ハガキサイズ、ATCサイズを用意。ちょっとサイズ展開としては多かったかも。数のバランスはよかったように思います。グッズはもともとあまりたくさん作ってないので、ポストカードセットとステッカーを用意しました。


ポストカードとステッカー

原画はもともと以前の展示などで制作していた分と、今回デザフェス用に新しく描きました。今回はミニ原画(ATCサイズ)を多めに制作。

ちょっと脱線しますが、絵を描く人間がお金とか価格の話をすると不快に感じられる方が居るようですが、私は仕事として今後も末永く楽しく創作活動をしていきたいので、きちんと考えて値段設定すること、売れ行きなどのデータを元に試行錯誤することは大事なことだと思っています。
やはり「好き」という気持ちだけでは続けていけないですし、販売する以上は「好きでやってることだから」「趣味だから」というのを言い訳にして、売ることから逃げるのも違うと思うのです。
これから自分の創作物を売っていきたい方、または売っている方、どなたかの参考になるかも知れないので、自分の考えていることや知識、経験は、なるべく正直に書くことにします。


そんなわけで価格の話。


実はATCサイズのミニ原画は、正直に言うとかなり原価率の高い商品です。ひとつひとつ自分で額装しているんですが、額もマットも、絵に合うものを選んでひとつずつ組み合わせを考えてコーディネートしているので、時間も手間もかかっています。絵は小さいけれど、絵が完成してからそれを届けるまでの手間としては、パネルに比べると一番手間がかかります。

ATCサイズ原画、額装中。

「じゃあ額なしで原画だけ売ればいいのでは?」という声もあると思うんですが、ATCサイズって一般的な市販のフレームの規格じゃないので、ぴったり合う額は売ってないので、それをそのままお渡しすることに抵抗があります。届いた後の飾り方に困ってしまうかも知れないし、近所にそうそう額装してくれるお店なんて知らない方の方が多いと思うので。飾るまでの手間の負担がお客様にかかってしまいます。

絵を購入するという行為そのものが、そこまでメジャーではないと思うので。だったらせめて届いてからお客様の負担は少なく、手軽にしたいなという思いがあります。そんなわけで紙の原画はなるべく額装してからお届けするようにしています。額とのコーディネートを考えるのも楽しいですしね。


右がハガキサイズ、左がATCサイズ

脱線しましたが、話を戻しまして。ミニ原画は原価率は高いのですが、今は絵を多くの人に届けて私のことを知ってもらう時期だと思っているので、当面は手頃な価格でいこうと思っています。お土産とか、初めて買う絵、プレゼントにしてもらうのにちょうどいいサイズと価格だと思っています。なので、作品数としては一番多く用意しました。

価格は、普段ネットショップで販売している時より消費税分を引いて設定しました。これはお会計を1,000円、500円単位にすることで会計とおつり銭の両替の手間を軽減するため。来てくださる方にも、その場で直接買うとちょっとお得になるのでメリットありますし、私は細かい計算が苦手なのでこれは個人的にはやってよかったです。(小銭の計算が得意な方はしなくても大丈夫だと思います。これが絶対正しいってことではないので、各自の方針で選んでください)

ポストカードやステッカーも、あらかじめ袋詰めしてセットを作ることでお土産っぽさを出しつつ、1,000円、500円単位になるようにセット内容を調整しました。ポストカードは以前制作したものなので、在庫数もバラバラだったのもあり、ガチャのようなランダムな詰め合わせにしました。単に私がガチャやりたかったというのもあり。
クリスマスカードも以前制作したもの。こちらも2種類セットでの販売にしました。
ステッカーは今回デザフェス向けに新しく作りました。手作りなので印刷して自宅で地道にカットカットカット。文化祭みたいでこれはこれで楽しかったですね。

ポストカードセット¥1,000
ステッカーは4枚で¥500


ディスプレイについて


これは先述したスチールラックを使用しました。上3段をディスプレイで使用し、最下段は荷物置き場として、在庫や持ってきた時のキャリーケースを置きました。Sブースは奥行きがないので、いかにキャリーなどを朝のうちにスマートにしまえるかが大事だなと思いました。

初日はありがたいことに、開場してすぐにお客様が来てくださったため、時間がなくてきちんと整頓が出来ず、キャリーをブース内に出しておいたのですが、とても邪魔だったのと、通り抜け出来ず、荷物が倒れたりして後ろのブースの方にご迷惑をおかけしてしまったので、そこは深く反省…。収納のことまで事前に考えておくべきですね。2日目はきちんとブース内を整頓出来たので、会計などグッとスムーズに出来ました。

ディスプレイの構成についてですが、ありがたいことに足を止めてくださる方が多く、褒められることも多かったので、お写真載せておきます。

最上段には看板とブースNo.を大きく書いたPOPを設置。今回ありがたいことに通路ぎわの一番端のブースだったので、目印にしてもらうために設置しました。
2段目には大きめの原画、一番目立つ段なので、雰囲気が伝わるようにしました。絵の色合いや雰囲気、特徴が分かるように、大きめの絵をまとめて展示しました。
特に大きいS6号の絵が目を引いたらしく、足を止めてくれる方、写真撮ってくださる方も多かったです。


左奥の青いS6号の絵が目を惹く
こちらも迫力(友人の作品)

3段目には一番の売れ筋、ミニ原画を中心に陳列。ここが一番手に取りやすい位置なので、手に取りやすく、購入しやすい価格を意識しました。あとこれは個人的なこだわりなのですが、あまり整頓しすぎるとお客様は商品に触りにくいので、ちょっとラフに角度をつけたり、間隔を開けて手に取れるようにしました。ついでに持って帰ってもらえるように名刺などもこの段に設置しました。


名刺は棚の中央付近に設置

4段目には、ポストカードやステッカーなど低価格のものを、雑貨屋さんのようなにぎやかな雰囲気で飾りました。ディスプレイ用のトランクケースに、ポストカードを籠盛りで設置。ステッカーはスタンドで設置しましたが、こちらも籠盛りにした方が売れたかも。


低価格(500〜1,000円)のものは、今回の主力ではないので、思い切ってちょっと見えにくい下段にしました。安いものを前面に出すと「安物の店」になってしまうので、この辺のさじ加減はちょっと考える必要があります。
かといって、あまりにも高額に見えても、それはそれでお客様の足が遠のくので、ここはイベントの性質や客層などでも調整が必要なところかなと思います。今回は、低価格の商品はちょっとしゃがまないと見えない位置になっているのですが、POPでお得感を出しつつ、掘り出し物を探す感じがあって良かったのではないかなと思います。

5段目には絵の在庫と、ハサミやテープなどのお道具箱、袋など梱包資材のストックを置きました。絵の在庫は、籠に入れていつでも取り出せる状態で、見えるようにしまっておきました。売れたらすぐに補充出来ること、接客中に在庫から商品を取り出しやすいこと、お客様が自主的に在庫から探して買ってくれることもありました。原画のようにすべて違う絵柄の商品については、見せる在庫作戦はオススメです。

見せる在庫スペース

ディスプレイの反省点としては、売れ行きやお客様の反応に合わせて、ある程度ディスプレイ変更できるように、もう少し予備の什器を持って行くべきだったなと思います。今回は車で行ったので、予備用でいろいろ籠など積んでおくべきだったな、と。




価格設定について。


これも知っている人には当たり前の話ですが、「松竹梅」の三段階で用意するといいです。簡単に言うと、三段階の価格帯で商品を用意すると、多くの人が真ん中の価格帯を選ぶ、という法則があるのですが、それにある程度則って商品ラインナップを揃えました。

・特上 50,000円の原画
・松 12,000〜18,000円の原画
・竹 3,000〜5,000円の原画
・梅 500〜1,000円の雑貨(ポストカード、ステッカー)

だいたいこんな感じで価格設定しました。今回は基本の三段階に特上を加えた四段階ですね。やってみた結果、ちょっとそれぞれの価格帯の幅があったので、次はもっと厳選して商品を絞ってもいいかなと思いました。あとは、差を出すためにも、松をもう少し上げる(30,000円くらい)とかね。ここは色々改善すべきところがあります。ただ、結果としてはやはり真ん中の松と竹の商品が一番売れましたので、やはりこの法則は大事なんだなと思います。


木製パネルの原画と、額装原画

今、同じような価格帯の商品ばかりになっている人は、一度商品設計を見直してみるといいかも知れません。だからといって、無理して今の商品の値段をつり上げる必要はないですけど、まとめてセット売りにするとか、自分の技術の向上に合わせて少し上位の商品を作ってみるといいかも知れません。
あとは、今便利な世の中なので、いろんなグッズが作れるんですが、たくさんグッズを増やすとイベントでは目を引くんですけど、価格帯など注意しないと、梅が量産されてひたすら在庫が増えしまう可能性があるので、色々作りたい気持ちと売れ行きを考えるバランス感覚が大事ですね。自戒も込めて…。
梅はある程度、手軽に低予算で量産できるもの(印刷など)で作るといいのではないでしょうか。私は今後、梅の種類を増やすべきかちょっと考えています…。


あとは、個別の値段設定については、それぞれ原価も違うし制作時間も違うし、作品のレベルも違うので、ご自身で納得のいく値段設定にするといいと思います。すごく高額でも欲しければ購入する人は居ますし、逆にどんなに安くても欲しい人がいなければ売れません。シビアですが、実際に販売してみないと分からないので、なんとも。そこがおもしろいところですしね。
自分の話で言うと、私は今の段階ではこれで納得しているのですが、今後は状況に応じて、値上げしたり商品ラインナップの見直しをする時期がくるなと思ってます。

私が実際にどんな商品にいくらの価格設定をしているのかは、storeをご参照ください。


ミニ原画


POPについて。


これは用途別で、手書きのものと印刷のもの、両方用意しました。ここで元雑貨屋さんでPOP職人だった私の腕がなります!笑

今回、原画など高価格のものについては印刷でサイズや価格、素材を表示。ギャラリーのキャプションをイメージして作りました。

ポストカード、ステッカーなど低価格のものは手書きの元気なPOPで目立つようにしました。「撮影OK」とか「(フライヤー)ご自由にお持ちください」なども手書きで目立つように作りました。これは割と初歩的な技術なのですが、高額のものは価格の表記は小さく、反対に低価格なものは値段を大きく書いておくと訴求しやすいです。今回、商品説明のPOPは作らなかったのですが、制作方法や技法など、商品の特徴を伝えるPOPも用意してもよかったなと思います。(今回は棚がPOPだらけになってしまうので割愛しました)

POPもきちんと書こうと思うと、結構色んな小技がありまして。ただ商品名と値段を書けばいいってものではないのがおもしろいところですよね。POP工夫で反応が変わったり売れ行きが変わりますから、本当に奥深いです。

撮影OKと名刺ご自由にお持ちくださいPOP
ポストカード、ステッカーPOP


さて、一番気になる当日のお客様の様子や、売り上げについて書こうと思います。
結論から先に申し上げると、黒字でした。

ですが、売り上げについてここで赤裸々に書くのはちょっと気がひけるので、有料で公開します。ここまで読んで知りたい!と思ってくださった方は購入して読んで欲しいです。あるいはここまで読んで「参考になった」と思ってくださった方も、投げ銭や、絵やグッズのご購入をいただけたら幸いです。


ここから先は

3,152字 / 7画像

¥ 300

よろしければサポートお願いします!いただいたサポートはスタバ代など心潤うことに使わせていただきます❤️