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香り付き婚姻届


私事ですが12月31日に入籍しました。

大晦日に婚姻届を出す理由は特になく、大晦日には余程の事がない限り予定は入らないだろうという見当で決めました。


届出に行く日の朝、普段よりゆっくり起床して、フレンチトーストを食べました。最近は出来ていないのですが、少し前までは休みの日の朝はフレンチトーストを食べ、頭の中を甘味いっぱいにして昼寝するのが楽しみでした。

久々にゆっくり食べて、それはそれは気持ちが良くて寝そうになりましたが区役所に行く日なので早めに腕時計を着け、コートを着てしまいます。

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届出に行く区役所は住んでいる世田谷区ではなく、大好きな神保町を擁する千代田区役所に提出するとずっと前から決めていました。


毎朝降りる神保町駅の一駅手前、九段下駅に到着です。

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バックに入れて歩いているうちに婚姻届が折れると何となく縁起が悪そうなので、手で持って歩く事にしました。側から見ると、近所に打ち合わせに行っている人に見える感じです。

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さすがに打ち合わせ感はちょっとどうだろうと思い、九段下駅のエスカレーターの手摺りにクリアファイルに入った婚姻届を置いてみます。置いてみると婚姻届が、何とも縁起良さそうにスイスイ地上を目指していきます。

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縁起が良さそうな感じを満喫して地上へ到着、区役所へ向かいます。


区役所に到着し、夜間休日窓口へ向かいます。これは数日前に美帆ちゃんと予行演習したので迷わずに到着できました。

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夜間窓口のガラス越しに座るおじさんに「すみません、もしもし」と声を掛けてみると反応がありません。おじさんはコーヒーを傍に従え、イヤホンをつけて熟睡していました。

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好天の大晦日、寝かせてあげたい気持ちはいっぱいですが、届出を出したいので優しくガラスをノックすると飛び起きてしまいました。

飛び起きたと同時にイヤホンのコードがコーヒーを倒し、デスクは琥珀の海に。「すみません!」と慌ててデスクを拭きあげるおじさんに「婚姻届ですか?」と問われた時に「これはいい思い出になる」とワクワク。

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アクリルボードの隙間からコーヒーの香りが溢れる中、書類をチェックして頂き無事提出。奥からもう一人おじさんが登場し「写真撮りましょうか」と声を掛けて下さり、窓口の前にある、市松模様に千代田区といっぱい書いてある記者会見の時に使うようなボードの前で撮影。


帰り際、コーヒーの件で大好きになった区役所のおじさんから、入籍記念にと千代田区役所オリジナル、千鳥ヶ淵の桜の入浴剤を頂きました。でも僕も美帆ちゃんも数年に一度しか湯船に入らないので、これで顔を洗おうと思います。

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楽しい千代田区役所を後にし、これから面白い事が沢山ありますようにと、個人的なパワースポットである皇居へ行きました。

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皇居で宮内庁をバックに記念写真を撮りました。今思えば、どうして二人で一緒に撮らなかったのか良く分かりません。

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二重橋から丸の内を眺めていると、ちらっと千代田区役所が目に入りました。あのおじさんはまた寝たんだろうかと気になりながら、婚姻届の上にコーヒーを倒してくれたらもっと良い記念になったのになと思いました。コーヒーの香りがする婚姻届はそうあるもではありません。

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コーヒーの香りの婚姻届は出来ませんでしたが、窓口での一連の流れの中で漂うあのコーヒーの香りは、今までで一番記憶に残るコーヒーの香りになりました。


皆様これからもどうぞ宜しくお願いいたします。


BOOK SHOP 無用之用

店主 片山 淳之介



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