muumu.garden たまなはゆき

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最近の記事

お留守番

こどもの頃、1人でお留守番をするのが好きだった。がらんとした家に1人いると、いつもの机、ほこりがちょっとついた茶色の階段の手すり、窓全部が急に大きく感じたり、光っているように見えた。いつもの景色がちがったものに変わるような時間がお気に入りだった。そんな中でごろんといつまでも天井の電気を見ていた。 六年生の卒業式を終えた春休み。1人でお留守番をしていると、インターホンがなった。  「はーい」とお母さんの真似をして言うと 「このあたりを順番で回っています」 みたいなことを知らな

    • 小さな古い引き出し

      またまた昔のお話。 二十歳過ぎの頃、古道具屋さんで小さな引き出しを買った。なぜか、『これは私が連れて帰らねば!』と運命を感じた。古い木製の赤、青、黄の三段の小引き出し。意外と重くて、電車の中をよいしょよいしょと両手で抱き抱えて実家の自分の部屋に持ち帰った。  部屋のすみに置くと、小さなおばあちゃんが来た!みたいな、たまらない佇まいにときめいた。それから数年、仕事がうまくいかない日、自分に自信がない日を引き出しはそばで見てくれていた。  それからしばらくして、環境を変えたくて、

      • 歌詞

        独身時代、20半ばごろとくに私は音楽をよく聴いた。その頃はCDを買ったり、レンタルをしては一人部屋で、なにかを噛み締めていた。わけがわからず、泣いているときもあった。 『防波堤で見た景色』というBEGINの曲に出逢ったのもその頃。海を感じさせるメロディーで、とても好きだったけれど、なぜその曲がこんなに好きなのかよくわからなかった。海も旅行も全然興味がないのにな。と思っていた。でも好きだった。  ・・・・・・・・・・・  ときがあっというまに流れ、結婚し、こどもが生まれ、慌た

        • muumu.gardenと申します!

          はじめまして、muumu.garden と申します。 刺繍でブローチを作っています。 刺繍作家になってから三年が経過しようとしています。 少しずつ、色んな方に作品を見ていただける 機会が増えてきました。 わたしにとって、小さな種が少しずつ芽を出して きたような気持ちです。 今年は自分が日々感じていることを できるだけ飾らず、素直に言葉で綴ってゆくレッスンをしたいと思い、ノートを始めてみました。 読んでくださった方の暮らしと、わたしの文章がどこかでちょっとだけ、じんわり交わる