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忘れられない夫からの言葉。普通なら一発アウト。

自己紹介を兼ねて「『価値観が正反対』だけでは説明のつかない夫と私の関係。」を書いていたら、いいこと、悪いこと、いろいろ思い出されてきたわけですが、すごく頭にきて悔しかったのは覚えているのに何がきっかけで喧嘩になったか思い出せないこともあります。忘れることができるから、なんとかやって来られたとも言えます。

そう言えば大学時代の友人の一人は、過去の出来事を写真のシャッターを切ったように記憶していて、私からしたら羨ましいのですが、辛かったことも同じように頭から消えないから、しんどいと…。以前から「記憶力、いいよね~。」と話していたけど、「生きづらさを伴う。」と先日カミングアウトされました。

私は平均的な記憶力だと思いますが、今でもフラッシュバックのように思い出す夫からの二つの言葉があります。

一つ目は付き合い始めて間もない頃。誕生日プレゼントに小銭入れの付いたキーケースを用意しました。革製でいい感じのものをみつけて、喜んでくれるだろうとニコニコしながら渡したら、夫はどういったと思います?

「僕、こういうの、使わないから。」

(゚Д゚;)(-_-;)
今思えば、何の疑いもなく「喜んでくれるだろう。」と思った私がバカだった。まあ、人からプレゼントをもらっておいて、普通の人は言わないでしょ、そんなこと。

そう思ってたら、関西の大御所漫才師の息子に嫁いだ女性タレントがテレビで言ってたんです。お姑さんにプレゼントを渡したら、「私、こういうのは使わないから。」と言われたと。
これは嫁に対する姑の意地悪かもしれないけど、そういうこと、言う人いるんですね。私は、嘘でもいいから受け取ってくれて、引き出しの奥で埃かぶってくれてた方がいいです。

二つ目は、エグイです。偶然、似たような夫を持つ友達にしか言ってない。その友達も聞いた瞬間、引いてた。(ブログや、FBにも書けない。noteだから書ける。)

結婚して6年目の頃、注文住宅で家を建て始めました。今住んでいる家です。例によって、価値観が正反対なので、家の間取りからデザインから私と夫ではかみ合いません。夫の頭は1970~80年代で止まっていますから、「玄関は南の真ん中、入って左は和室、屋根は寄棟か切妻」といった、かつて住宅メーカーがこぞって建てたタイプの家です。

「家は住めればいい。」とも言うし、話し合いも渋々だったから、私の考えで最初の間取り図を描いてもらったんです。案の定、こっちはこうで、これは違う。言うわ、言うわ。夫の思っている間取りと違うから楽しい話にはならず、「黙ってても思うようにしてくれると思ってた。」とおっしゃった。

このころすでに「この違和感は何なん?」と思い始めていましたが、なんとか夫の思うような間取りの中に私の好みも入れて、思ったよりいい感じに落ち着きました。そしていよいよ住み始める初日。荷物の整理で大変だったから夜は外食しようということになり、車で家を出ました。

「なんとかできて良かった~。」みたいなことを私が言った後に、夫はどう言ったと思います?

「僕が家を建てるなら、ああいう家は建てない。」

(゚Д゚;)(-_-;)
今、こう書いてて、ドキドキしてきました。完全におかしいですよね。あれは、まぼろし~~~だったんでしょうか?(私は嘘はついてません。夫は日本人です。)予想もしない言葉で、その瞬間、何も言い返せなかった。

そのあと、私が何か言ったのか、晩御飯をどこで食べたのか、まったく思い出せません。ただ、住宅街を走る車の助手席から真っ暗な道に次々と現れる街灯を見ながら、涙が止まらなかったのを覚えています。すみません、暗い話で。

私はSでもMでもありません。「何でそんな人と?!よく結婚生活が続けられるねえ。」時々、自分で自分に言います。発達障害の人によく見られることのようですが、こういう信じられないような出来事がいつも起こるわけではないんです。別人かと思うような良い言動もあり、私の夫の場合、そのギャップが大きすぎるんです。

ほかの女性ならとっとと別れているだろう出来事は多々ありました。カサンドラ症候群の妻で「自分の方が非常識なんだろうか。」と、わけが分からなくなる人は多いようです。友達に言わせると「ご主人は良い人と巡り合えた。」これは皮肉ではなく、「そういう夫の状況が冷静に理解できる女性と一緒になれたから、ご主人は幸せな結婚生活が送れる。」という意味で。

私は「そういう夫の状況が冷静に理解できる女性」として人生の後半戦に入りました。それが幸せなことだったのか、少し早い気もしますが、人生を振り返ってみようと思いました。それがnoteを始めた理由でもあるのですが。


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