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マグナムの魅力

先日、お誕生日のお祝いも兼ねたワイン会にこちらのワインを準備しました。

Champagne Extra Brut Jean Vesselle(Magnum)

伝わりづらいので、写真をもう1枚。

伝わったでしょうか?
そうです、マグナムサイズのシャンパーニュです。

一般的に見かけるワインのサイズは750mlに対してマグナムは1500ml倍の量になります。
ちなみに750mlのワインは「ブティユ」と呼ばれます。

マグナムは華やかで特別な感じを演出してくれるので、誕生日や記念日にはピッタリかと思います。

では、本題に入ります。

マグナムの魅力は華やかな演出だけでしょうか?

実はもう1つ大きな魅力があります。
重要キーワード「熟成」です。

1つ前の記事「古酒から学ぶ “ワインは腐らないの?”」でお話しさせて頂きましたが、熟成には「酸素」との接触が大きく関係します。
前回の記事を少しおさらいしましょう。

ワインは酸素と触れることにより化学変化が起こります。
これによりワインの味や色が変わります
適量の酸素との接触は素晴らしい古酒を生み出すのですが、触れ過ぎるとワインは劣化してしまいます。

思い出して頂けたでしょうか?

※まだお読みで無い方は是非こちらもチェックしてみて下さい。

瓶の中のワインはどのように酸素と接触するのでしょうか?

液面とコルクの間を「ヘッドスペース」と呼びます。
このヘッドスペースには何があると思いますか?
そうです、「酸素」なんです。
ここの酸素とワインが触れることによりワインは良い意味で酸化するのです。

そして思い出して下さい、マグナムの事を!
マグナム(1500ml)はブティユ(一般的な750mlのワイン)より液体の量が倍です。
という事は液体全体で考えると、マグナムはブティユと比べて酸素と触れてる面積が少なくなります
これによりマグナムはブティユより熟成がゆっくりと進み、タンニンはよりきめ細かく滑らかになり味にも深みが生まれます。
煮込み料理も同じです。
じっくりコトコト時間をかけて煮込むと、美味しくなりますよね。

ではもう一歩踏み込んでいきましょう。

前回は酸素の触れ過ぎによりワインが劣化する化学変化についてみていきましたが、今回は

適量の酸素がワインに触れる事による化学変化をみていきましょう!

わかりやすく、赤ワインの渋みに特化してお話ししたいと思います。

赤ワインを飲むと渋みを感じるかと思います。
この渋みの成分はタンニンです。
熟成中にこのタンニンが酸素と結合することにより固体となり瓶の底に沈みます。(この個体を澱と呼びます)。
これによりタンニンが削ぎ落とされ、最初は渋い!と感じたワインが滑らかで心地よいタンニンに変わるのです。

「デキャンタージュ」という言葉を聞いた事がありますか?

「デキャンタージュ」とはボトルに入ってるワインをこのようなデキャンタと呼ばれる容器に移す作業をいいます。
※こちらのAmazonの商品は、私がワイングラスで使用しているRIEDELの商品で、お値段もお手頃でなので、私が欲しいデキャンタです。

この作業には2つの狙いがあります。

①澱を取り除く
先程熟成により澱(個体)が瓶底に沈むとお話ししました。
澱は飲んでも問題ありませんが、口当たりがざらざらするため取り除く事が多いです。
デキャンタージュしてワインのボトルに澱を残し、ワインの液体のみをデキャンタに移してワインを楽しみます。

②酸素と触れさせる
また出てきました、酸素!!
一口飲んでみて渋みが強いかな?と感じたら、デキャンタージュしてワインの渋みを滑らかにします。
ワインをボトルからデキャンタに移す際にワインが酸素に接触します。
これによりタンニンが滑らかになります。

余談になりますが、ワインバーなどででワイングラスをクルクルと回している人を見た事があるかと思います。
この作業にも名前があり「スワリング」と呼びます。
これもワインの液体が回される事により酸素と触れてより滑らかなワインになるのです。

まとめ

マグナムの魅力を通して、前回に引き続き「熟成」と「酸素」の関係、ワインの味わい変化、そして「デキャンタージュ」と「スワリング」について語ってみました。
いかがだったでしょうか?
少しでも理解が深まってもらえてたら嬉しいです。

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