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古酒から学ぶ “ワインは腐らないの?”

ありがたい事に最近、古酒を頂く機会や購入する機会が増えています。
そこで今回はワインの熟成について語りたいと思います。

ワインは腐らないの?”
結論は腐りません
何故ならアルコール発酵をしているからです。

初めに“腐る”とはどういう事が起きているのか考えてみましょう。
私達の周りには目には見えませんが、たくさんの細菌(微生物)が存在します。
細菌は食べ物にくっついて食べながら繁殖し、排泄物を出します。
この細菌と排泄物が嫌なにおいの原因であり”腐る”という事なのです。

という事はこの細菌を殺す又は活動(繁殖&排泄物を出す)をさせなければ、腐る事は無いという事です。

ノンアルコールワインの章でもお話ししましたが、ワイン造りでは、原料(葡萄)に酵母を加える工程があります。
※ノンアルコールワインについて気になる方はこちらもチェックしてみて下さい。

この工程により原料に含まれる糖分がアルコールへ変わります。(アルコール発酵)
アルコールには殺菌作用があります。
という事は腐る原因の細菌を殺してくれるという事ですね。
※アルコール度数は違いますが、手のアルコール消毒と同じような考え方ですね。

またワインは“酸性”の飲み物になります。
有害でも無害でも細菌と言うのは中性の環境で生育し、元気に活動します。
酸性の環境では活動を停止したり、死滅する細菌もいます。
※ピクルスなどのお酢を使ったお料理が腐りにくいのもこの酸性の原理です。

その他に亜硫酸の添加などありますが、こちらについてはまた後日、詳しくお話ししたいと思います。

アルコール発酵により細菌が死滅または活動出来ない状況になるため、ワインは腐らないのです。
賞味期限もありません。
なので古酒という物が存在するんですね。

以上。
いえ、終わりません笑

ワインは腐りませんが、劣化します。

ここからワインの劣化についてみていきましょう。

重要キーワード「酸素」です。
ワインと酸素の関係はこの世で1番複雑な関係であり、語り尽くす事は出来ないと個人的に思ってます。

ワインは酸素と触れる事により化学変化が起こります
これにより味や色が変わり素晴らしい古酒になる事が理想ですが、劣化に繋がることもたくさんあります。
酸化によって劣化へ繋がる化学変化はいろいろありますが、わかりやすい例を2つご紹介したいと思います。

酸素に触れる事によりアルコールが化学変化してアセトアルデヒドが生成されます。
このアセトアルデヒドによってワインはシェリーのような風味(カラメルやくるみのニュアンス)になってしまいます。

また身近な物ですと、切ったりんごを放置すると茶色になります。
これもりんごに含まれるポリフェノールが酸素とタンニンを結びつける化学変化を起こし、茶色に変色させます。

適量でない酸素が接触すると劣化する事がご理解頂けたでしょうか?

ではワインが酸化する状況(瓶詰め後)=ワインが劣化する状況をみていきましょう。

①熱による劣化
物質(液体も含む)は温めると膨張する性質があります。
瓶内のワインも温まると液体と空気が膨張し、コルクを押し上げてしまう事があります。
それにより酸素が入る → 酸化=ワインの劣化に繋がります。

②乾燥による劣化
ワインの保管は湿度70〜80%が良いと言われています。
乾燥しているとなぜダメなのでしょうか?
それはコルクが乾燥して縮むからです。
これにより酸素が入る → 酸化=ワインの劣化に繋がります。
“ワインは横にして保管する”と言われるのは、コルクがワインと触れて乾燥防止になるためです。

この他にもワインに最適な保管条件はいろいろあります。
この保管条件がクリア出来ているのがワインセラーなんです。

ちなみに私はこちらのワインセラーを使用してます。
高さが低いのでカウンター下に置ける事と日本製という事に惹かれて購入しました。

ワイン会

自分の年齢より古いワインを頂いた際、とても素晴らしく感動しました。
古酒のエレガントな枯れたニュアンスもありつつ僅かに果実のフレッシュ感もあるのです。
“このワインは素晴らしい月日を経て、今、みんなを喜ばせてくれているんだなぁ”と感じました。

魅力的なワインをより素晴らし状態で頂くためにも、ワインは最適な状況で保管しましょう。

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