ネットがつまらなくなった
30歳が見えたころ
2020年前後からネットがつまらなくなった
と感じるようになった
それは
インターネットの情報が本音や口コミから
ルールと建前に変わったから
だと思う
2000年代半ばに自宅にインターネットがやってきた
当時小学校高学年か中学生だった
Flashゲームでひたすら遊んだり
YouTubeで当時は違法転載されていたアーティストのPVをみたり
Yahooの本の購入画面からグラビア写真集の表紙をコソコソ見ていた
2010年前後になると
家に無線LANがやってきた
僕はiPod touchを買った
自分の部屋から自分だけのデバイスで
ネットに繋がるようになった
しかも、ポケットから出すとすぐにつながるのだ
学校の宿題をググって
同じ参考書や教科書を使っている人のブログから
数学の解答や英語の和訳をコピペしたり
2chで情強たちの情報を得たりした
ちょっとだけエロいサイトも見たりした
ググればまだ個人のブログやサイトが上位表示された時代だ
そんな情報をかき集めた僕は
大した努力もせずに旧帝国大学に進学した
生協に頼らずに新生活の装備を揃えた
余ったお金で遊んだ
最初のアルバイトはブラックバイトだった
こんなことを言われた
働き方改革の前
ゆとりとバカにされた僕たち
親も学校の先生もバイト先の社員も
昭和のノリで若者に厳しく当たった
ネットでしか聞こえなかった理屈を信じて
すぐに辞めて、別のバイト先を探した
結果
ほとんど仕事をせずに稼げる
楽なバイトが見つかった
世の中の人たちは
バカばかりで
テレビや世間話で情報収集をして
割に合わないこと
無駄なことをたくさんしている
割に合うこと
意味があることをネットで調べると
サボりまくってもいくらでも楽しい人生が送れる
僕はそれを実体験していた
2018年ごろから
個人のブログや情報サイトが
検索結果に上がらなくなった
鍵付きSNSの浸透
業者の広告クリックのための
アフィリエイトサイトの発展
この辺が理由だと思う
便所の落書き
本音と有意義な情報の集まり
そんなもの思っていた
インターネットが
大人たちの建前で溢れるようになった
昔のインターネットはこんな口コミの情報が大量に溢れていた
今のインターネットは
こんな情報だらけだ
うだつの上がらない
正義の味方マンたちの掃き溜めだ
2010年前後
高校生大学生だったころに
ネット中毒の僕が嘲笑していた人たち
勉強してるのに成績が伸びない人たち
成績が伸びないから塾にいっちゃう人たち
店員さんに勧められてハイスペックなものを買う人たち
営業に不安を煽られて
保険やセキュリティに必要以上に課金する人たち
取説や使い方を守って
私はちゃんとしてます!をする人たち
彼らのような
あまりリテラシー能力が高くない人向けに
インターネットの情報が
発信されるようになったんだと思う
LCCについて検索すると
なんで情報はでない
そんな
個人のブログや口コミで書かれていた情報は
今は鍵付きのSNSの中だ
出てくる情報は
のように
公式のコピペをしている
旅行情報サイトやWordPressのアフィリエイトブログだ
彼らはお金を稼ぐためにしている
無責任な噂話やルールを破った本音の話なんて
自分の仕事として、できないのだろう
インターネットがつまらなくなった理由
今の世の中がつまらなくなった理由はこれだと思う
インターネットが図書館で調べるような
「正しい情報」だらけになり
図書館に行かなかった頭の弱い人たちも
「正しい情報」を手に取れるようになってしまった
「正しいこと」をしないといけなくなったのだ
ただし今でも
車道に出ると誰も制限速度を守っていないし
今日もマスコミは堂々と「捜査関係者によると」と公務員の守秘義務違反を前提に報道するのだ
かつてはそのように本音と建前の使い分けが
一定以上の人たちの裁量で行われていた
その加減を知れるのがインターネットだった
今は加減を知りたくて
他人に肌感を聞きにいっても
気づけば
なんていう結論になる
昔のように要領よくサボれる時代はもう来ないのかなあなんて思った
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