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病気と仕事の両立

再発してからの姉さんの仕事は、休職したり、在宅にしてもらったりしながらでした。コロナの影響で急速に増えた在宅勤務も当時はまだまだレアなケースでした。

会社としては、ものすごく配慮してくれ、休職しやすいような仕事内容に変えてくれたり、在宅勤務という形態はありませんでしたが、整えてくれたりとマネージャー始め、色々と姉さんのために尽力してださいました。

おそらく特例とはいえ会社がそういった形を認めてくれたのは、姉さんと会社との信頼関係があったからこそだと思います。姉さんのケースから考えても、高齢化、人口減少が進む中、会社に制度としてはなくても、信頼関係をしっかり築いておくと、万一の時は相談に乗ってくれる会社も多くなってきているように思います。

会社としては本当によくしてくださったものの、当初姉さんは随分と色々手探りで悩んでいたようです。

まず在宅勤務。自分の裁量である程度自由になる、と言われても、根が真面目な姉さんは任されている=余計と「ちゃんとしなきゃ」と思って、休憩も最初の頃は取れなかったようです笑

それと一番は辛そうだったのは、同僚や仲間の目。「なぜ姉さんばかり特別扱いされるのか」「ちゃんと仕事もしていないのに」といった声が気になったようです。本当にそういった声がどこまであったのか、正確には分かりませんが、やっぱり中にはそう思う人もいるだろう、と心を痛めていました。

これまでそうやって、メンタル不調で休職したりした人の分も姉さんは倍頑張ってきたんだから、今度は甘えていい番と思って!といってもどうしても気になるようでした。
ですので、そういう考えが出てきても、どうしようもないんだから、もう考えないようにしようというところに思い至りました。

現在、介護や産休育休の制度は、一般的にも随分と整ってきましたが、病気との両立支援はまだまだ未整備です。そして病気との両立支援は、単純に「給与がもらえる状態をいかに保つか」「会社とどううまく折り合いをつけていくか」というだけではありません。そこには働く仲間がいて、多くの仲間とのさまざまな感情との折り合いをつけていくことも大切です。

癌は二人に一人がなる病気で、決して治らない病気ではなくなったからこそ、その人がその人らしく働き続けられる環境を整えていくことは、組織としてやはり無視できない課題の一つではないでしょうか。

そして私のようなキャリアコンサルタントもまた無視できない課題だと考えています。

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