見出し画像

宿題が出ない

前回『最初の違和感』で授業の半分が遊びになる事を書いたのですが、ほぼ同時進行で宿題が出ない事にも悩んでいました。

対人関係を正常に築くには、まだ時間が必要なカナの為に、中学は病弱支援学校を選びましたが、高校は周囲の子供達も大人になるし、本人も望んでいたので集団へ帰るつもりで、入学当初から県立高校への進学を希望していました。

その為に学校は1人で安心して学習出来る様に、学校外の活動は出来るだけ大人の集団で行うモノを選び、対人関係の練習をしていました。

コレはS先生が仰ったのですが、
今は対人関係が下手でもカナも周囲もいつか大人になるのだから、大人と関係が築けるなら大丈夫。
この教えに従い、あえて大人の中に混じって出来る活動をしていました。

宿題が出ない事に対して入学当初は、

新しい環境に慣れるのを待ってるのかな?

と思っていましたが、いつになっても宿題が出ない事に段々と不安が募りました。
もともと反復練習や家庭学習が苦手なカナは、最初こそ気にしていましたが、授業が遊びになるのと違って『宿題が出ない』は段々と慣れていきました。

このままでは不味い....

私は先生に宿題を出してもらう様にお願いしました。
本当はど素人の私が支援や学習に関して、お世話になっている先生に色々言うのは気が引けましたが、宿題を出して欲しいのには『学習の定着』以外にも理由がありました。

カナは特性上『見通しを立てる』という事がとても苦手なので、予定管理は目下の課題でした。
『課題を期日までに提出する』
というのは、学生だけでなく社会人になっても必要なスキルであり、その練習の為にも宿題は必要と考えていたので何回もお願いしました。

結果、1年で諦めました。

1年間お願いして出た宿題は、長期休暇期間の宿題と定期テスト前の課題でした。
お願いするのに疲れたので、宿題は諦めて家庭で出来る通信教育を利用して、私がチェックする様にしました。
この事から、お願いしてもダメな時には、家庭で代用可能な物は家庭で頑張る様になりました。

残念だったのは、特別支援学校だからこそ個別で本人に合わせた学習方法が取れると思っていましたが、それは大きな間違いだった事。
実際には
『特別支援学校だから』
ではなく
『この人(先生)だから』
でした。
後に主治医から

『ルールは一緒でもそれを動かすのは人』

と言われるのですが、通常の学校でも、支援学校でも支援級でも、どこに在籍していても結局は校長先生の方針や、関わって下さった先生次第で出来ることは広がるし、また狭まる事もあると知っていきました。

学校の中に理解者を増やしていく事
学校の外に支援者を増やしていく事

理解者はいつか支援者になってくれます。
実際にカナは小学校で出会ったS先生をスタートに、その後出会う先生方と今でも繋がりがあり、みなさん地域の支援者として応援して下さっています。

大事なのは 【人】  ですね。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?