新宿1

雨上がりの新宿1


この円形信号機を見つめていると
環状のかたちに沿って
誰かが電車ごっこをはじめる気がしてしまうんだ。

ぐるぐると、秘密の荷を載せた列車が走る。
都会の喧騒に紛れて
日夜止まらない物語を紡ぐかのように。

雨の日には列車たちはおやすみ。
代わりに透明な人たちが
傘を差して散歩するに決まってるんだ。



いつか自分の本を作ってみたい。という夢があります。 形にしてどこかに置いてみたくなりました。 檸檬じゃなく、齧りかけの角砂糖みたいに。