夏1

雨の日迷子

目的地まで歩く時
人が少ない道を行きたくて
路地に入るのがすきだ。
道なのか、道じゃないのか、どきどきする。


今時分は
花も葉も水滴をのせて生き生きとしていて
妙に勇気づけられる。かたつむりと目が合う。


雨が降って足が濡れても気分だけはいい。
自分の中に落ちる水たまりは
レコードのように輪っかを作って、音を奏でていく。


やり過ぎて、路地|×路地にしてしまうと
大人のくせに迷子になって、ここ何処になる。
そんな時、世界を繋ぐものの電波は届かない。
心の中で、あなたの名前を呼んでみた。


#散文詩 #写真 #欠片  『夏の欠片を拾う。』

いつか自分の本を作ってみたい。という夢があります。 形にしてどこかに置いてみたくなりました。 檸檬じゃなく、齧りかけの角砂糖みたいに。