![紫陽花9](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/12127206/rectangle_large_type_2_bc6a3a1c846218b3237d6489abb6e13d.jpeg?width=1200)
刺繍の白花びら
アナベルという名の、紫陽花のなかまがいるのです。
白いレースの刺繍のハンカチーフのような。
小さな花びらの集いは、みっつだったり、よっつだったり。
カリフラワーに襲われそうな、もこもこ具合。
泡泡のシャボンみたいに、いたずらなクリーム色。
小さなどうぶつだったら、潜って遊んでみたくなる。
くも、メレンゲ、ふかふかわたあめ!
和の紫陽花は、あまり香りがしないのに
このアナベルはいい香りがする。
えっとね、欧羅巴の匂いなの。
秘密の香水、夕方の気配、待ち合わせ。
夢の中の少女の日傘のように、くるくるとそれは回って。
まるでルノアールの絵画の少女みたいに
ふわりと午后の優しい時間を作り出す。
- - - 8× キリトリ - - - 紫陽花の残り香1
いつか自分の本を作ってみたい。という夢があります。 形にしてどこかに置いてみたくなりました。 檸檬じゃなく、齧りかけの角砂糖みたいに。