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ランキングの落とし穴(そのランキングの「カラー」、ちゃんと「あなた」にマッチしていますか?)

投稿小説サイトには、大概の場合「ランキング」が存在します。

ランキングは大体「目立つ場所」にあることが多いので、そこから小説を探せるなら一番簡単で効率的でしょう。

ただし、それはそのランキングが「あなた」の好みにマッチしていた場合に限ります

そもそもランキングというものは「どんな層(年代・性別・職業etc)を対象にするか」により、出る結果がガラッと変わります

投稿小説サイトのランキング上位には、そのサイトの多数派読者(あるいはヘビーユーザー層)の行動が反映されます。

(注:「好み」や「ニーズ」でなく「行動」と書いているのには理由がありますが、話が脱線するので、そのうち別記事にまとめます。←いつになるかは分かりませんが、まとめたら追記でリンクを貼ります。)

もし、その多数派(あるいはヘビーユーザー)が、自分とは真逆の好み・感性を持つ人々だった場合…そのランキングは「小説を探すのに効率的」どころか、「時間の無駄」にもなりかねません。

よく「ランキング上位作品なのにおもしろくない」「ランキングにおもしろい作品がない」あるいは「なぜ、こんな作品がランキング上位に?」という声がありますが…

それは、そもそもそのランキングとその読者の好みがマッチしていない(ランキングの中心層その読者のタイプが違う)から起こる問題なのです。

ランキングや小説投稿サイトには、それぞれの「カラー」があります。

どんなジャンル、どんな内容の小説が「人気」なのかは、それぞれのサイトで微妙に異なります。

ランキングが自分に「合っていない」と感じたなら、ランキングからではなく、別の方法で小説を探してみるべきなのです。

そもそも皆さん、ネットではないリアルな本屋に、おもしろい小説を探しに行ったとして…

そこの書店ランキング1位が「つくりおきおかずのレシピ本」だったからと言って「そっかー、じゃあこのレシピ本を買って帰ろう」となりますか?

普通は「このランキングは自分向きじゃない」と判断して、参考にしませんよね?

そして、もしそのランキングに「小説」が全く入っていなかったとしても、「この本屋には“おもしろい小説”なんて無いんだな」と諦めて帰ることもしませんよね?

普通は、おもしろい小説のありそうなコーナー(小説の本棚)をウロウロして、気になる本がないか探してみるはずです。

現実世界の一場面でなら、普通にできる判断が、なぜネットの中では途端にマヒしてしまうのでしょうか…?

「ランキングは“誰にとっても”おもしろいものの順位を並べたもの」という、誤った固定観念に縛られてしまうからでしょうか?

それとも、書店の店頭のランキングほどには“極端な好みの差”が見えないため、「そのランキングが自分と合っているか」を見定めること自体、思いつかないということでしょうか?

あるいは、投稿小説サイトでの小説の「探しづらさ」ゆえに、「自分で探してみよう」「検索しよう」という気が起こらないからでしょうか?

ランキングには、順位という分かりやすい「話題性」で読者の興味を惹けるというメリットがあります。

しかし、そのランキングと合わない読者に「ランキング上位でも『こんなレベル』じゃ、このサイトにはおもしろい小説なんて無いな」と誤解され、サイト自体から(場合によってはネット小説自体から離れられてしまうというリスクもあります。

最近の世の中、「ランキング」を絶対視するような風潮が、しばしば見られますが…

そのランキング、ちゃんと「あなた」に合っているのか、見極められていますか?

自分と全く違う“他人”の好みや感覚に振り回されて、時間を損してはいませんか?

周りとの“違い”を気にしやすい国民性を考えると、「自分の好みがランキングとズレている」こと自体、気にしてしまう方もいらっしゃるかも知れませんが…

“本当はおもしろいと思っていないもの”に無理に合わせて、“自分にとって本当におもしろいもの”を否定してしまったなら、そのうち、「何がおもしろいのか」ということ自体、見失っていってしまうのではないでしょうか?



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