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和風でも洋風でも中華でもないファンタジー

自作サイトに掲載している「夢の降る島」は、一応「児童文学風ファンタジー小説」と銘打っています。

児童文学風」としているのは、この物語が古き良き児童文学やジュブナイルの系譜を引き継いだ少年少女の「成長物語」であるから、というのがひとつ。
 
もうひとつは、この物語が「和風」「西洋風」「中華風」のいずれにも分類できず、「あえて何か付けるとしたら『児童文学風』?」としか言えない作品だからです。
 
(ただの「ファンタジー小説」だと、何となく「西洋風」なファンタジーを想像されてしまいそうな気がするので…。)
 
「和・洋・中のどれにも分類できないなんてことがあるのか?」とツッコまれそうですが、実際そうなのです。
 
なぜなら、この物語、「古今東西のあらゆる幻想(ファンタジー)が具現化する島」を舞台としており、登場するファンタジー要素が、「和・洋・中ごちゃまぜ」どころか、時代やジャンルまでごちゃまぜのカオスなことになっているからです。
 
例を挙げると、世界樹(→北欧神話)、妖怪(→日本)、怪鳥ルフ(→アラビアンナイト)、ウンディーネ(→ヨーロッパ)、月下老人(→中国)、ラピュータ(→空想科学小説)、カンブリア紀の古代海洋生物(もはやファンタジーですらない)etc…
 
なぜこんなことになっているのかと言うと、この作品のコンセプトが「夢」――あらゆる国・あらゆる時代で人類が夢見てきたモノたち――だからなのです。
 
なので、できる限り様々な国・様々な時代の「ファンタジー」あるいは「ロマンのあるもの」を取り入れるようにしています。
 
おかげで、参考文献のリスト用語解説一覧も、かなりカオスなことになっているのですが…。
 
神話系・幻獣・妖精などの“ファンタジー”な資料・用語だけに留まらず、鉱物やカンブリア紀の古代海洋生物までと、未読の方からすれば「こんなカオスな内容を一つの作品にぶち込んで、真っ当なモノが出来上がるのか?」と思われてしまうのではないかと、ちょっと心配になるほどです。
 
(ただ、そんな古今東西ファンタジーへのオマージュや、世界観のオリジナリティーを評価してくださる読者様も、もちろんいらっしゃいます。→「夢の降る島」は現在のところ3年連続で、専門学校の授業課題に使っていただいています。)
 
<関連記事(別ブログ)→今年も専門学校の授業課題で「夢の降る島」が使われました!(2021)1

「できる限り様々な国・様々な時代」から要素を取り入れるということは、自分にとって「あまり詳しくない」「知識が無い」分野の情報を「学ぶ」必要があるということです。
 
なので当然、苦労も多々あったのですが…その分、新たな知識も増え、自分の中の引き出しが増えたように思います。
 
今では、様々な意味で「書いて良かった」と、心から思える作品のひとつとなっています。


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