十代女性の政治思想遍歴


 はい。私は幼稚園児のころから政治に興味を持っていました。特に高い意識があったわけではなく、単純にテレビや新聞によく触れていて、それについて父と話すことが多い子供だったからってだけ。

「憲法って何? 法律とどう違うの? 条例は?」
「議員さんってどんなお仕事してるの?」
「未成年の人が法律を破ったらどうなっちゃうの?」
「なんで中東アジアではいつも紛争が起きてるの?」

 父はいつも、私が気になることを丁寧に教えてくれた。決してごまかしたり、分かりやすくまとめたりせず、私の理解度に合わせて教えてくれた。本当に感謝しているし、父はちゃんと私が理解していると分かると褒めてくれたから、それが嬉しくてもっと勉強しようとも思えたのだ。

 正直私は何か特別なものを持って産まれた人間ではないと思うけれど、私が同世代の他の子たちと比べて勉強が得意で、物事の分析や類推に秀でいているのも、そういった父の教育の賜物だと思っている。

 さて、私の政治思想は大まかに分けて三回ほど大きく変わっている。それを説明しようと思う。

●幼少期(小学校入学前)
 父が元々保守的な人で、私もそれに影響されて保守的な思想を持っていた。
「急な改革は大抵うまくいかない」
「ものごとはゆっくり進めるべきだ」
「話し合いが大事」
 かなり常識的な考えだったと思う。でもあまり深く考えていなかったし、ほとんど父の受け売りだった。

●小学生期
 少しずつ、社会への憤りを感じつつあった。そもそも小学校は私にとって、どこか歪な雰囲気のある場所だったし、その中で自分が少しずつ歪められていくのも敏感に感じていた。
 「変えなくてはならない」というような考え方が、頭にのぼってくることが増えた。
 道徳の授業で「世界平和」だとか「命の重さ」だとか、そういうことをやればやるほどに、この世界は嘘と欺瞞で満ちていると思った。
 ただ父が教えてくれたことを忘れていたわけでもないので、極端な左翼的な思想を持つことはなかった。
「政治は、常に最善の努力を尽くしていなくてはならない。改革は早すぎても遅すぎてもまずい。今の日本は少し腰が重すぎる。世界的な流れに取り残されているし、古い思想に囚われている。もっと世界的な視野をもって取り組むべきだ」みたいなことを考えていた。
 右派左翼(右寄りの左)(漸進的な改革主義者)って感じかな。
 多分だけど、高校生大学生に多い政治思想だと思う。

●中学生期
 現実を見つめすぎて疲れていたのと、なんだか色々なものに失望していた時期。
 自分の性的な部分というか、いやらしさというか、そういうのを受け入れがたかった時期でもある。
 「政治なんて、くだらない。どうせ何も変わらない。人間は救いようがない。もう生きているのもめんどうさい。でも目の前のことはやらなくちゃいけない」なんて思いながら生きていた時期。
 多分だけど、くたびれた社会人とかによくある政治思想だと思う。なるようになれ、というか。
 友達に誘われたら選挙にいくけど、そうじゃないなら行かない。調べる余裕なんてないし、自分の一票に価値があるとも思えない。政治家がどれだけ頑張っているかは知らないけど、よくそんな無駄の努力をできるなぁとぼんやり感心と軽蔑の入り混じった目で政治を見ている、みたいな。
 まだ参政権持ってないけど、もし大人になったらそんな感じなんだろうなっていう。

●現在
 自分自身のことについて多少折り合いがついて、やっと地に足をつけてものを考えられるようになってきた時期。自分の政治的な責任というものをまともに考え始めた。
 一票に価値はないという考えはそのまま持っている。ただし、言論は他者への無視できない影響力を持つ。
 『思うだけ』『一票を入れるだけ』ではあまり意味がないが、自分の考えたことを発信することには少なくない政治的影響力がある。そういうことを考えるようになった。
 そしてそういう個人の努力の積み重ねで民主主義政治は成り立っているということと、多くの人の絶え間ない努力によって絶妙なバランスを保ってやっているということも、理解した。
 基本的な政治的態度は左派右翼(左寄りの右)(改革派保守)。幼少期のころと態度自体は変わらないが、ただその深さや強さは変わったと思う。

 政治はゆっくり進めなくちゃいけない。ただ、積極的に変えようという意思は持っているべきだ。
 一市民としてできることはほとんどないし、義務も責任もない。ただ私は、自分の自然な興味と関心に従って政治について考えるし、答えも出す。それを広めるべきだと思ったら広めるし、そうじゃないなら黙っている。(今のところは別にどうでもいい。自民・公明はこんなごたごたの中よく頑張ってると思うよ)
 そーんな、かーんじぃ。


終わりに

 私は政治についてはそれなりに興味を持っているが、特別というほどではない。興味の程度としては大体おしゃれと同じくらいかな。
 美容(よい習慣)>政治≧おしゃれ(お洋服とか流行とか)って感じ?
 人とそれについて積極的に意見を交わしたいとは思ってないし、頭の片隅にあるなぁ程度。

 他の人が政治についてどれだけ考えてるとかあんまり興味ないし、何でもいいと思ってる。というか、個人的には馬鹿が政治に興味を持つとろくなことがないって感じてる。(歴史的にね?)

 ともあれ、政治はできるだけ複雑に捉えたほうがいい。それはあまり単純なものじゃないし、素人が批判しても的外れになることばっかりだ。
 自分の頭で考えること。できるだけ多くの情報に触れること。極端な意見が正しいことは滅多にないというのを意識すること。
 私が言えるのはそれくらいかなぁ。

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