政治あれこれ

元老院あれこれ

 選挙シーズンっすね。私は来年から親にくっついてって投票しに行くぜー。それに関連して、古代ローマの元老院について語るぜー。

 ローマの元老院(セナトゥス)の何が優れていたかって、それを構成する人々が全員終身議員(任期が無期限)で、しかも様々な階級、地域の出身者で構成されていたことなんだよね。一度元老院議員になると、何かまずいことをやらない限りは死ぬまでずっとその立場が保証されるわけだし、国政に集中できるってわけ。その制度の性質上、年老いた人たちもいれば、そこそこの年齢の人たちもいて、若い人も少数はいるが、あまり力を持つことはできない。いい感じに政治は安定するし、もちろん権力組織である以上、腐敗は免れないけれど、他の諸制度を補助するはたらきとしては、かなり優秀な制度だと思うんだよね。

 一応今のイタリアには終身議員の制度があるみたいだけど……でもどうなんだろうね? 過去の総理大臣とか、終身議員にする、みたいな制度って、悪いものだとは思えないんだけど、そういう制度を取ってる国がほとんどないのはなんでなんだろう。やっぱり一人の存命の人間に、他の人間より多くの権力を握らせるのは、民主主義に反しているからなのかな? でも、複数の優秀な人間が集まって政治をすること自体には、それほど大きな問題はない気がするんだけどね。寡頭制ってなんでダメなんだろう。
 というか、一説によると人間の社会集団は絶対に寡頭制から逃れることはできないらしいんだよね。共産主義の失敗も含めてさ。
 だったら開き直って、より優れた寡頭制は何なのか考えた方がいいような気がするんだけど。できるだけ権力を分散させて、多くのチェック機能を作って、権力を持っていない人や少数の人の意思や考えができるだけ無視されないような仕組みを考えた方がいいと思うんだけどな。それでいて、古い意見や過去の流れみたいなものもちゃんと残して置ける仕組み。

民主主義あれこれ

 民主主義って、老人が多ければ多いほど安定して、悪くない政治になるんだけど、老人が少なかったり、あるいは老人がみんなボケたり生活に余裕がなくなったりすると、めんどくさいことになる。国の安定を考えて政治をしている分にはひどいことにはならないけど、国の名誉や利益、発展を、安定よりも重視し始めると、まずいことになる。下手すると、簡単にぐちゃぐちゃになる。民主主義ってそういう危うい政治形態だからさぁ(もっとも、それよりも危うくない政治形態があるわけではないが)……今は少子化だからいいけど、ずっとそうってわけでもないから、気をつけないといけないんだ。
 うん。だから元老院みたいなのっていいと思うんだよ。少数の老人が、大多数の若者たちよりも多くの権力を握っているっていうのは、決して悪いことではない。まぁその老人の性根が腐ってるとダメなんだけど、でも性根の腐った若者が支配してるよりはマシだし、ね。
 政治は年寄りに任せた方がいいと思うんだ。本来。でも、高齢化社会の場合は別だよ。ここまで人が長生きする時代なんてこれまでなかったし、普通老人っていうのは、少数であり、弱い立場にあったからこそ、尊重されるべきだった。でも今はそうじゃない。
 老人の声は、放っておいても大きくて、本来なら大多数である若者の方が、びっくりするくらい少数であり、声も小さいので、意見が通らない。通らないというか、ないものとして扱われる。それはさすがにちょっと問題なんだよね。
 お金も相対的に見てご老人方の方が持ってるし、若者の貧困の問題って結構ひどい。貧困っていうか、労働環境が悪すぎるんだよね。道具として安い賃金で酷使されてる。んで、そんな生活してたら、どんな精神が出来上がると思う? そいつらがもっと年取って、色んな権力を握るようになったらどうなると思う? 私は怖いよ。今の、ユーチューブとか見て大喜びして、ツイッターとかでかみ合わない議論ばっかりしてる人たちが権力の中枢を担う時代になったら、どんなことになるか分かったものじゃない。でもそうなってるのは、何が悪いって、年取ってる人たちが自分たちの生活のことばっかり考え続けてた結果でしょ? 「最近の若者」を作り出してるのは、そういう時代を作ってそういう教育をしてきた壮年中年の方々なんだから……いやまぁ、私の立場から言っても仕方ないんだけどね。ただ、現代の若者には力がないし、そもそも力があっても若者という生き物は基本的にろくなことしないんだよ。だから、経験も知恵もある年長者にどうにかしてもらうしかないんだ。

政治は安定しててほしい

 私は個人的な生き方において中庸っていうのは結構クソクラエだと思ってるんだけど、政治とか、公共の問題に属することは、中庸を意識して考えた方がいいと思う。
 そもそも個人の個性とか自由っていうのは、社会が安定していなくては不可能なのだから、社会の安定は実現されていないと具合が悪いんだよね。たとえある程度の犠牲があったとしても、各個人がそれぞれ思い思いの生き方をするには、社会がある程度安定していないといけない。

 いやまぁ極論を言えばそうではないんだけど(宗教的な生き方とかは、どんな環境でも貫けるから)でも社会が不安定だと、やるべきことが増えるんだよ。めんどくさがりな私としては、社会は安定していてほしい。社会が安定しているうちは、私は働かなくていいし、自由にものを言うことができるから。貧困とか戦争とか、そういうのが国に蔓延るようになると、私みたいな人間は真っ先にひどい目に遭わされる。言ってしまえば、私の政治的立場は同世代の若い人達よりも、静かに生きていたいご老人方の立場に近いんだよ。

 若くして老いた魂とか言わないでよ? まだぴちぴちでぷりちーなぎゃるですから。



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