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睦月
2021年8月7日 15:26
「原田?」 その日、仕事からの帰り道、見覚えのある顔を見つけた。十代前半の女性。中学時代の同級生によく似ていた。 少女はこちらを見た。「だれ?」 冷静に考えると、それは似ているだけで別人だとわかった。 当然だ。あれからもう十年近くたっている。「すまん。人違いだった。俺はユウ。君は?」 少女はじっとこっちを見つめて、答える。「私は、久遠瑞。ここはどこ? 変な人がいっぱいいる」 やは