
お店を休むと決めたワケ〜「自己中心宣言」と「緊急事態宣言」〜
”なるようにしかならない世界”を見守ることしかできない。
二度目の大騒動。
しがない個人事業主が干渉できるレベルの事象ではないことは明白で、
頻繁にトレンドに出てくる活動家のように、
世間に一石投じる実力も、気力も、僕にはない。
ただリビングでお気に入りのソファに座り、
「自分の中に孤独を抱け:岡本太郎」
「反応しない練習:草薙龍瞬」
「愛するということ:エーリックフロム」
様々な角度から、他人と自分は関係ない、と説いてくれる聖書を、
下らないバラエティ番組と自分の目線の中間に差し込む日々を過ごしている。
今は、それが本からパソコンに変わっているだけだ。
これはこれで毎日快適なのだが、
同時に、とてつもない無力感が付き纏っている。
腐っても経営者。
己の飯と従業員の飯、メリールーの飯(家賃のこと)は僕が用意せねば。
相手がウイルスだろうがティラノサウルスだろうが、何か起こる度に最善の決断を下し、
自ら舵を取らなければならない立場にあるのだ。
メリールー、現状閉めてます。
宣言解除が見込まれる、2/7までかな。
メリーの場合、「最低限支払わなければいけない固定費」を上回る補償金が出るので、
無理して開ける必要はないのです。
ずいぶん危機迫った書き方をしといて、
「店閉めてサボるだけかいっ」と思われるでしょうか。
いやいや!
お店を開けている方が全然儲けが出る。
これも中々の決断です。
この期間、丸々閉めちゃうと150万円くらい損することになる。
いっとき15〜20時で開店してみた。
するとわかった事がある。
・外が明るいと照明の灯映えが悪く、ロマンチックな雰囲気がでない。
・ある程度の客数がいないと”ガヤガヤ感の中の居心地の良さ”が演出できない。
早い話が、昼は”シラけている”のだ。
昼間カレーとか売りなよ!というアイデアも頂いた。
前述の「昼に開けるバー」同様、
少しでも売り上げの足しになれば店的には良策かもしれないが、生憎カレーを売りたくてバーを作ったわけじゃない。
「雰囲気のあるバーで心のあるサービスを提供し、気分良くお酒を買って貰うこと」
以外の仕事は、
僕にとっては工場で単純作業してるのと変わらないんだ。
さらに個人的な話、
丸々無視して通常営業することも考えた。
だが、
緊急事態宣言下の
”どこか殺伐とした、独特な夜の空気”が好きじゃない。
出歩く連中は、どこかコソコソ、申し訳なさそうに、嫌味ったらしく呑んでいる。
美味しい酒には見えない。
(僕も付き合いで町に出ることもあるが、それはそれは堂々としたもんだ。)
常々言っている事だが、
メリールーの商品は「良いMOOD」なので、
町も、店も、人も、こんな空気じゃ商売にならない。
満足いく物が提供できないなら店を閉めるのは、
商人としてごく当たり前のことじゃないだろうか。
(営業しているお店が悪いわけではない。
メリーは"商品が提供できない"から閉めているだけ。他のお店の"商品"は別にある)
とまあ、
営業できない理由をあげたらキリがない訳だが。
そんなことでいいのか?
と尋問してくる自分もいる。
冒頭に言った通り、
どんな状況下でも、経済のため、従業員のために何かしら行動して、現金を生み出すのが経営者の使命な様な、気が、しなくもないのだ。
でも嫌だもんなぁ。
やりたくない事に時間を費やすなんてまっぴらごめんだ。
・とっくに匙を投げていたアコースティックギターの練習を再開する時間が降ってきた!
・普段なかなか会えない友人と、共にゆっくり時間を過ごすチャンスだ!!
くらいに考えてはダメなんだろうか、、。
僕の性格は経営者には向いていないだろうな。
「こんな緩いこと言うててええんか、、」とよく落ち込む。
正直に言おう。
人を使って仕事するのがあんまり好きじゃない。
嫌ではないんだけど、
何だか申し訳ない感じがする。
僕のお店作りを手伝ってくれる人とはもっと、
特別な関係でいたい。
細かく仕入れを練り直し、原価3%下げられたって別にテンション上がらない。
儲かりそうな飲食店のアイデアを思いついても、
実際作ることはしない。
事業を大きくしてより良いサービスを皆様に、
とも思ってない。
こう言うの、僕の趣味じゃないんだ。
経営者とは、、、とかどうでもいい。
「今は経営が安定しているから言える戯言だ」と言われるなら、
こう言える状態を作り続ける努力をしよう。
一般的に許されないなら、叶う環境を作るまで。
「今、自分がとっている行動に趣も味も感じていない。」
それじゃダメなんだ。
自己中心宣言!!!
僕は「趣味人」。自分らしく生きる。
別に人にどうして欲しいわけじゃない。
僕自身は、”行動の訳”を人に左右されない。
他人と比較し、優劣を判断することもない。
お店作りと、執筆と、
人が笑いそうな事を考える。
それが僕の、何よりの自己表現であり、
アイデンティティーの確立だ。
死ぬまでにまだ幾つか増えるだろう。
今はある趣味を深めること、
自然と増えた新たな趣味を喜ぶこと、
それこそが、
決していい事ばかりではない人生のご褒美なんだ。
今回も、自分の道から外れないように決断した。
僕が「〜〜者」に相応しいかはわからないが、
自分勝手に進んでいくだけに、
関係してくれている人への感謝と配慮を、
すぐ取り出せる位置のポケットに大切にしまって生きていかなければ。沢山失敗した。
ご迷惑かけて申し訳ない。
商品が揃ったら、
なるべく早く皆さんに会いたい。
終わりは見えている。
目線を本に戻し、
笑えるネタでも探すとしよう。