未来少年コナン第８話「コナン、生きて」「ラナ、死ぬなーっ」の場面作り。

昨日深夜NHKで放送された、「未来少年コナン」第８話【逃亡】。月曜朝は仕事なのでリアタイでは見られなかったですがまた録画で。何周めだ。

８話は神回として有名ですね。宮崎駿監督が絵コンテを切った回。以下、昔購入した食玩の画像もあわせてネタバレあるのでお気をつけください。まあ、アマプラで既に全26話見ちゃったよ、という方も多いかもしれないけど。
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前回7話ラスト、手足が拘束されたまま海で必死に泳ぐコナンで終わりました。

８話、バラクーダ号に監禁されているラナにコナンの声がテレパシーで聞こえます。
「コナンがいる！」焦るラナ。そんな中、レプカたちのガンボートが近づき、バラクーダ号船長ダイスは砲撃の盾としてラナを船の舳先に縛りつけます。

レプカたちは、太陽エネルギーの秘密を知るラオ博士と唯一テレパシーで話せるラナを死なせるわけにはいかないからです。
逃げるために方向転換したバラクーダ号が海面のコナンに再び近づき、舳先のラナはコナンを見つける。コナンもラナを見つけ、溺れそうなのに笑顔。会えた喜びはピンチさえはねのける。

ラナは「コナン、今いく、待ってて」と縛られていたロープを必死に噛み千切り、上陸用ボートを奪い(ここのラナは一層男前)、コナンを引き上げることができました。運転技術もすごい。ハンドルを扱うラナの凛々しい顔よ。見送るジムシーの「いいな、コナン」が可愛い。
そして、脱出したボートにラナが乗っていることを知らないレプカたちはボートを砲撃し、ボートは爆発。ダイスにラナを殺したと非難されたレプカは激怒。

そして沈んでゆくボートのシーン。ラナとコナンは共に沈んでいきますが、コナンの両手はボートの破片に繋がれて浮上できません。外そうと必死なコナン。ひとり海面へと昇ってゆくラナ。
「コナン、待ってて、待ってて、すぐ来る」
「コナン、生きて」

テレパシーが聞こえるコナン。ラナを心配し、戻って来るなと心で叫ぶ。
ラナは海面に出て口に空気をため、海底のコナンのもとへ。そして↓

このシーンですよ。美しい。

これは、昔買った８話の海中シーン食玩。土台がなくなったので、100均の木製フレームと紙粘土で作った海底砂を。海のバックは3Dポストカード。ポストカードは300円。合計500円。
もう少しアップ↓

神シーンでしたね。命をかけてお互いを守るコナンとラナ。このあと、ラナが力つきて海底にゆっくり沈んでゆきます。

それを見て「ラナーーっ死ぬなーっ」と渾身の力をこめて拘束具を外そうとするコナン。。。
そのあと、ラナを抱えての海面からのとびだしはカタルシス。色彩も青みがかった水中から鮮やかな色彩で空中へ！

砂浜に打ち上げられたあとのふたりもいい。
出会いを思い出して再現するコナンに心から大笑いのラナ。全編通して一番の笑顔。

無邪気で。セリフが少ないのに、青空や流れる雲、光、視線で感情が語られる。ラブラブやイチャイチャという言葉は似合わない。「ピュアピュア」してる、と言いたい。ほんとピュアピュア。
８話のラストで「ラナは軽いな、鳥みたいだ」と１話と同じセリフを言うのですが、８話分の成長と信頼が重なってる。１話の時の好奇心と好意から、８話はラナを心配させまいという細やかなコナンの王子ぶりがいい。

この「序盤と同じセリフ」は「泣いちゃダメだよ、必ず助けにくるからね」もある。序盤の時のこのセリフに、ラナは「うん、泣かない」といいながらも、うう…と泣いてしまった。
終盤、同じようなセリフをまたコナンがラナに言うシーンがあります。二人の信頼の歴史がぎゅぎゅっとなってるので、８話以降未見の方はその時のラナの表情にご注目ください。

個人的には、ハイハーバーでの麦畑のシーンも好きです。もうなんだろう、「尊い」という言葉しか浮かびません。まあ全般好きですけどね。

あと、コナンは言葉使いがきれい。
工場からプラスチックパンを取って警報が鳴った時、「まずい」でも「やっべ」でもなく「いけない！」だし、先程の「必ず助けにくるからね、泣いちゃダメだよ」も「ぜってー助けにくっからな、泣くんじゃねーぞ」では雰囲気が変わる。いや、悟空は悟空でいいんだけど(笑)
野生児なのに育ちがいい感じがピュアさを増幅させている。

いいなあ。コナンとラナ、いいなあ。
(ジムシー風)