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書評 薬屋のひとりごと 日向 夏  大奥に、薬屋の娘である猫猫が入廷するのだが・・・。ミステリー小説です。


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大奥で、毒見役となる猫猫は、薬屋の娘である。
薬屋と言っても、養父が宮廷の元医師で仕込まれているので医者顔負けなのです。
宮中の藪医者のおっさんよりも腕は上。
その知識と経験を武器に、難問を解き明かしていく宮廷ミステリーというカテゴリーに分類されるのでしょうが、本作、ミステリーとしては頼りない。
続編も出ている評判高い作品ではあるが、私としては、さほど・・・なのでした。

これ毒です

猫猫は、マッドサイエンティストです。
自分で毒を飲んで実験とかする十代の女の子。
変態女です。

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一番、王に寵愛されている愛妃の毒見役になる。
きっかけの事件は、王の子供が連続で死亡するというもの。
結論から言うと、おしろいが毒で、赤ちゃんはソレが原因で死んでいた。謎解きされても拍子抜けなんです。どういう成分が身体に悪いとかわからないし、ずっと、そのおしろいを使っていたみたいなのに、どうして急に事件に・・・。矛盾がいっぱいあります。
ほとんどの話しが、このパータンで、それでも楽しいのはキャラがおもしろいからです。
アニメ化とかすると高評価になりそうです。

大奥が舞台なので、女同士の駆け引きが色々とある。

  薬屋 を やってき て 思う、 女 の 笑み ほど 恐ろしい 毒 は ない と。

女の人間関係は複雑です。

先ほど、猫猫の出世のきっかけは「おしろいに、毒がある」こと発見したことと言いましたが、本人は単に、『おしろい は どく、 赤子 に ふれ さす な』とメモを残しただけで出世なんか考えてなかったのです。出世欲のまったくない女です。
というか、無能なままでいたかった。

女性どころか男性までも恋に落としてしまう美貌の持ち主の壬氏という宦官がいます。

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この二人のやりとりがおもしろい。
この物語の魅力は、ここにあると思います。
猫猫は、ツンデレで位の高い壬氏にも、自分より上の人にも毒舌を吐く。

子供をなくした妃が病気で、その原因を探りに来たのです。
死にかけの妃に、化粧している女たちが・・・。
自分の妃に、いつまでも美しく・・・という気持ちはわかるが、毒なのですよ。おしろい。だから、死にかけている。そんな無知な女たちに毒舌攻撃。

「誰 が 自分 の 餓鬼 殺し た 毒 を 喜ぶ ん だ よ」
と毒舌。

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これはキャラ小説だと思います。
読みやすく、雰囲気もいいので悪くはないのですが・・・。
ミステリーとして、まったく面白くない。
子供向けでしょうか?。
漫画にもなっています。
2巻は買わないことにします。



2020 3/29


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