見出し画像

感想 ホモデウス上 ユヴァル・ノア・ハラリ 疫病とか戦争の克服を獲得した人類は、次に不死と幸福を追求する・・・。


サピエンス全史と何となく似ていた。

最後のキリスト教批判は強烈で、たぶん、この人宗教が嫌いなんだと思う。

人類は飢饉、疾病、戦争という問題を解決しつつある。
いやいや・・・と思うがまぁいいでしょう。
それで次の目標はホモ・サピエンスをホモ・デウス(神のヒト)へアップグレードすることであるとのことだった。
やばい宗教の教祖みたいですね。

次の目標は、不死、幸福が追求されていくのだろうとのこと。
今は、科学と宗教はバランスとっているが、そのうちポスト人間至上主義が生まれるかもしれない。つまり科学万能主義みたいな感じなのかな。
気になったのはアルゴリズムに人も影響されている。進化じたいがアルゴってところですかね。

具体的に細かく見ていくと・・・


隕石の落下被害よりも、人の営みのほうが生態系を破壊している。
確かに、そのとおりです。

豚の話しは強烈だった。
繁殖させるための工場みたいである。
母子が一緒に暮らせることはなく、子を産むと次に妊娠、それの繰り返し。外を散歩することもできない。確かに、人類はひどいと言える。

さらに、衝撃的な事実。
戦争で死ぬよりも自殺者のほうが多数いる。
どこが幸福なんだという話し。

豚を犠牲にしても、ぜんぜん人は幸せになってないということ。

生き物は、アルゴリズムに制御されているらしい。

ヒヒがいる。目の前にバナナの木がある。しかし、ライオンが近くにいる。さて、どうする?。
要するに確率の問題。高確率のほうが生き残り、そういう性格がDNAに継承していく。
つまり、アルゴリズムに生き物は制御されているという議論です。
進化じたいがアルゴみたいなことかな。

情動的な性質なども、そのアルゴの結果だと言う。

豚に対して、こんな残酷なことができる背景には、宗教がある。
意識は人にしかないと宗教は言っている。豚には意識というか感情がない家畜であるという思想。
だから、酷いことしていいという感じなのか。

意識とか魂についての議論が楽しい。

ダーウィンの進化論は、我々から魂を奪った。
つまり、進化論的に言うと細胞の進化ですから、目に見えない魂は議論の外になる。
つまり、科学は、この魂の問題を語る口を今のところ持たないということです。

ロボットには魂はないのか?。
動物はどうなのか?

感覚や情動もアルゴリズムの集積だとしたら・・・

人間はどうなるのか?

実際、決断をしている時、無意識で決めている部分が人間にはある。
自動に処理できる。

人間に意識はあるのか?
単なるアルゴリズムの集積なのか?

脳の中で電気が流れ、人は何かの決断をする。
なら、コンピューターと同じなのか。

馬のハンスは計算ができた。
しかし、真相は飼い主の表情を察していただけだったらしい。
つまり、アルゴと同じ、こういう反応を示したらこうなるということです。統計学じゃん。

人類と他の生き物の違いは、共同で何かができるかどうからしい。
サピエンス全史でも、ネアンデルタール人とホモサピエンスの違いの説明でありましたね。
例えば、貨幣とか独裁者。これ国民が信用しなくなったら、それは無価値になる。しかし、みんなで信用していれば、それは使える。
共同主観的現実。

この後にキリスト教に対する批判みたいなのが続く
人類は、宗教と科学の両輪でやってきたが、人間至上主義というか科学万能主義みたいになっていくのではないかという話しで上巻は終わりです。


2022 11 5



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?