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しりとりエッセイ (な) なすび



高校時代、なすびに似ていた男がいた。




こういう感じの人でした。
母親がパキ入っていたので
パキスタン人

だから、顔は なすび なのに みんな気を使って
渾名を なすび とはつけず

顔の長い芸人繋がりで
ココリコと呼ばれてました




しかし、何か馴染めなかった
だって、彼はココリコにまったく似てなかったのです。

よその学校の友達Kというのがいて
電車の中でたまたま、僕とココリコが一緒の時に遭遇しました

「俺、こいつの渾名わかったで」といきなし言ってきた
当然、なすび と言うのだろうと思ったのですが

Kは、彼を指さして
こう叫んだ

パキ


パキスタンの パキ やろ

もろ人種差別やん
俺は焦った

僕らは、先生から人種のことでからかってはいけないと注意されていたのもあり

明らかに、彼の顔はパキスタンだった上
なすびに似ている
しかし、それは差別だしとか悩んで

ココリコとか、思ってもない
似ても似つかない渾名をつけていたが

やはり、普通に考えると パキ なのでした。

もしくは なすび

彼は満面の笑みを浮かべて

そう、俺はパキだぜーーー  

と嬉しそうに言ったのでした。

どうも、彼は 自分の渾名について
みんなが配慮しているのを快く思ってなかったようで

むしろ、パキと言って欲しかったと後に告白したのです。

もし、配慮とか、そういうのなしだと
僕なら、きっと

麻婆茄子と渾名をつけていたと思う。

というのも、彼の肌はナスほど黒くなく
どちらかというと麻婆茄子風の色だったのだ。

人権とか、人種差別だとか僕たちは配慮して
差別しないように、そういう人たちと距離を置くが
それが彼らには差別なのかと思った

それに対し、ブスのデブには容赦ない
知り合いの女の子を僕たちは

雌豚 と呼んでいた。

こちらこそ、配慮が必要だったと今になって思う。

せめて、上沼恵美子だよね。

次回のしりとりえっせいは (び) ではじまる言葉

2023 2 4



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