見出し画像

2021年6月の読者日記

6月の読書日記

読んだ本の数:12
読んだページ数:2948

少し暑くなってきたのと、今月は多忙で読んだ本の数があまり多くありません
時代物を多めに読んでいます

--おすすめの3冊--

陰翳礼讃 谷崎 潤一郎
シャムのサムライ 山田長政
カラフル 森 絵都

-----------
シャムの侍は、象を使うシャムの戦争スタイルが楽しくて
王権をめぐる権力争うもなかなかリアル



陰翳礼讃は、日本の美意識について書かれていて
とても興味深い内容になっていました。




カラフルは、ありがちなのに楽しい。


新刊の中では、レッドネックもいい感じです。
情報弱者が、このIT化社会の中、どのようにはめこまれていくのかがわかります。




以下、読んだ本を簡単にまとめています。

サクッとわかる ビジネス教養 行動経済学の感想


経済学に心理学を+したのが行動経済学。より実践的で役に立つ理論でした。知っているのと知らないのでは、かなり違ってくるかもしれない。だいたいは、ビジネス書とか心理学の本に書いてあるのと同じような感じでした。わかりやすく図解などで説明しているので大学生にも理解できると思いました。自分にとって肯定的なことばかり集める・・・確証バイアス。これがやっかいで、こういう傾向があるということを知っておくだけでも武器になると思います。人間は自分に都合の悪いものを見ない傾向があり、だから、いつまでたっても駄目なのです。
読了日:06月03日 著者:

坂月さかな作品集 プラネタリウム・ゴースト・トラベルの感想


宇宙を旅する人の話し。絵がクリームソーダ―みたいでクール。青い世界は見ているだけで心地よい。話しとしては宇宙服の話しが好き。売り物でない宇宙服を飾っている服屋さん。それは旧式で時代遅れなんだけど、フォルムが最高にお気に入りなんだ。みんなに、こんなの持ってるよと知らせたい。そういう気持ちわかる。塔の話しも良かった。海が大好きな少年が塔になったという話しを聞いて行くんだけど、その塔の前のクリームケーキが絶品で、どうも話しは作り話しらしい。そこを訪ねた人が勝手に話し作って広めている。みんな海と塔にホレたんだろう
読了日:06月05日 著者:坂月 さかな

吉宗の星の感想
徳川吉宗というと享保の改革をなしえた歴史的な英雄というイメージなのですが、紀州藩にすらなる資格がなかった下賤の女を母に持つ3男で父親の殿様からも嫌われていたというのには驚きました。さらに、父、二人の兄を毒殺し殿様になった過程。将軍になった経緯。前半はスリリングで楽しかった。中だるみがあり、その後はラストの後月問題で人盛り上がりでした。おもしろい歴史物です。
読了日:06月06日 著者:谷津 矢車

政治的に無価値なキミたちへ──早稲田大学政治入門講義コンテンツの感想


早稲田大学でおこなわれた政治学の講義12回をまとめたもの。わかりやすく腑に落ちる内容だが、右系の思想の人が読むと発狂する内容だと思います。具台的には、価値、人権、労働、階級、結婚、生命、秩序、刑罰、象徴、政府、国民、恐怖の項目からなっていて、日本の国の問題点や世界の問題をピックアップして、この世界を外観できるような感じになっています。これを読むと日本に対して絶望的になり、天皇制とかいらんと思います。色々違和感もあります。結論が国内で矛盾と闘争しろではなく、日本から逃走しろですからね。夢も希望もないなと・・
読了日:06月08日 著者:大田比路

幕末紀の感想
作者のご先祖様、柴田快太郎という銃の名手の目を通した幕末が描かれている。坂本龍馬と親戚で、伊達宗城の信頼が厚く。戦場でも隠密としても大活躍。少し事実かどうか疑わしく思いつも、面白いので最後まで読みました。銃を中心に据えて見た桜田門外の変の記述や、当時の銃知識。色々と斬新な切り口で楽しかった。この時代、外国の銃に注目した人はどれだけいるのだろう。最後は少し腑抜けた終わり方だったが、着地としてはそんなに悪くない。銃中心に幕末を見るとちょっと違った景色が見えてくる。
読了日:06月10日 著者:柴田 哲孝

檸檬先生の感想
すべてが色で見えてしまう共感覚の持ち主の少年と少女の切ないラブストーリー。いじめられっ子だった小3の少年の寂しさを埋めたのは中3の少女。レモン色に見える彼女のことを少年は檸檬先生と読んだ。二人は傷をなめ合い互いに共存関係となるが、少年はいじめがやみ普通になっていく。たぶん、先生は同性愛者なのだと思う。しかし、父親の会社の後継者として婿を取る立場なので男と・・・。言いたいことはわかるし、子供の頃の切ない感覚は伝わってきたが、何が表現したかったのはよくわからなかった。
読了日:06月12日 著者:珠川こおり

レッドネックの感想
ネットの怖さを痛感した。選挙結果すら変える力がある。個人情報の収集、インフルエンサーを通しての都合の良い情報の植え付けなど、今や色んなことができてしまうという怖さ。それを小説にしているのだが、切れ味の悪さがある。グーグルとかの検索エンジンやSNS が個人情報を収集しているのは知っていたが、にしてもここまでやれるのか、現実はもっとえぐいのかもしれない。ただほど怖いものはないというからね。
読了日:06月13日 著者:相場 英雄

讃翳礼讃の感想
日本人の美意識と日本家屋をリンクさせ、その薄暗い影に美意識の原点があると谷崎さんは言っています。本書は谷垣さんの文章に大川さんの写真が加わり、具体的に谷崎さんの文章の意味が視覚化できる構成になっていて、とても親切な本です。確かに、僧侶やら能の役者、歌舞伎の役者が派手な金ピカとか赤の服を着ますが、あれ闇の中ですごくいいんですよ。金の絵ですか、あれの美しさたるや・・・。写真を見てわかるわかると頷く自分がいました。日本家屋のトイレを別棟にする美意識、その庭の景色を楽しむという余裕。少しだけ古の日本人に触れた気分
読了日:06月19日 著者:谷崎 潤一郎

シャムのサムライ 山田長政の感想
タイで侍大将として活躍した山田長政の半生を描いた大作。どこの国でもそうだが、権謀術策というのか、悪だくみがあり、悪い奴が暗躍する。王と言えども力がなくば殺される。そんな中、前王への忠義を貫く山田長政は異質な存在と言える。そんな日本式の忠節を承認たちや悪い家臣のライは警戒するのも当然だ。戦闘シーンに像が出てくるのも楽しい。長編なのに、そんなに長くも感じなかった。面白かった。
読了日:06月21日 著者:幡 大介

「大人になりきれない人」の心理 (PHP文庫)の感想
五歳児の大人、こんな人たくさんいると思う。自分が自分がという性格で、自分に甘くやたらと人に厳しい。こういう人が多くなると世界は窮屈になると思う。母親からの愛情を幼少時に十分に貰っていない愛情欠乏症。愛を知らぬがために、人を愛することができない。憎んでいる。何をやっても楽しくない。不平不満のオンパレード。こういう人を親に持ったら災難だと思う。僕はこういう人をたくさん知っている。誰にでも、こういう傾向があると思う。これは現代病なのかもしれない。
読了日:06月26日 著者:加藤諦三

カラフル (文春文庫)の感想
敗者復活戦を生命でやっちまった話し、死んで魂になった男が、自殺した中三の少年になって復活。自分の問題と向き合う物語。複雑な家庭で、そりゃ死にたくもなるわさと思うのだが、本当は優しくてみんな彼のことを思ってたという展開。黒一色の人生が、復活したことで世界がカラフルに見えたという、この展開は楽しい。設定も面白いし、ラストのオチもいいかんじでした。
読了日:06月27日 著者:森 絵都

世界がぐっと近くなる SDGsとボクらをつなぐ本の感想
地球は問題山積みだ。 この世界を持続可能な世界にするため SDGsという考えができた。 名前だけは知っていたが、本書で具体的な内容を理解できた。 地球の資源は有限だ。 このままの速度で浪費続けていくと、早晩、大変なことになってしまう。 ようするに、この世界を持続継続させめための環境に配慮した そういう秩序を提言しているわけです。
読了日:06月29日 著者:

以上

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?