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感想 キノの旅14  時雨沢 恵一 ダイヤモンドがたくさん取れる国では、その石は価値がない。



旅人が不思議な国を訪ねるという設定の短編集です。
本作で14冊目
今回も面白さは継続です。

開運の国 という話しが良かった。
ある石がたくさん取れる。
買ってくれないかと頼まれる。

しかし、旅人はいらないと拒絶する。
その代わりに、その二束三文の価値の石を開運の石として高値で売ればと提案する

この話しのすごいところは、オチです。
国を出た後に、その石は実はダイヤモンドだったと・・・

ようするに、物の価値は需給によって変化するので
よそでは貴重なダイヤモンドでも
この国では、普通の綺麗な石なのです

開運の石として売れば
そこそこの値段になるし
買い手も損はしないということでしょう

問題は、ここのダイヤモンドが大量に外に流出した場合
今のダイヤモンドの価値が・・・

寄生虫の国 の話しも面白いと思いました。
ある国では、国民はいっさい病気をしないのだという

その原因は寄生虫
しかし、この寄生虫は50年で死に宿主である人も死んでしまう

さて、50年無病で暮らせる人生がいいのか
寿命は50年

それとも病気のリスクはあるが、寿命まで生きられる人生がいいのか
これは生きている世界によって違ってきますね

貧しくて病になると寿命が短縮するという国なら
当然、welcomeなのかと思います。

しかし、現代社会では悩むところです。
いがいと、寄生虫くれという人が多いかもしれません。



2022 11 12




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