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#読書感想文
感想 追憶の夜想曲 中山 七里 最後のオチが凄まじい。あれには鳥肌がたった。法廷劇は大好きだが、ここまで緊迫感のあるやり取りは珍しい。
借金だらけの引きこもりの夫を妻が殺害。 本人が自白しているし、証拠も十分、こんなのひっくり返せるわけがないのである。 本人が自分がやったと言っているのに、弁護士はどうして引き受けたのか。無罪だと主張するのか。 本書の面白さは法廷劇にある。 ライバルの敏腕検事の弁舌は素晴らしい。 終始、御子柴弁護士は受け身である。 それがラストであれだからたまんない。 依頼人の幼い娘の存在と、祖父の存在が作品に厚みを出していた。 こういう少女に信頼されると、御子柴としても頑張るしかな