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感想 シャドウ  道尾 秀介 まさかのどんでん返し、ラストで一気に伏線回収。しかし、大人の登場人物の大半が精神に病気があるという設定はどうなんだ。

読んでてイライラした。
すごく胸糞悪い作品だった。

だが、ラストでどんでん返しがあり、伏線も見事に一気に回収されるという爽快さは気持ち良い。

胸糞悪さの原因は、メインの登場人物の大半が何らかの精神的な病にかかっているからだった。
こんなことってあるのか。


主人公の少年の父は精神の病にかかっていた。
母は病気で死亡。

少女の父も精神の病にかかっていた。少年の父とは親友。
彼女の母は自殺。これも精神に何か・・・。

それから犯人。
すべての元凶の人、これは精神異常者だとしか思えないし、こんな鬼畜な人間は嫌悪感しか抱かない。

まともなのは少年と少女のみ。
彼らは大人たちの不安定さに揺さぶられ巻き込まれる。

誰かのために何ができるのか・・・。

この言葉が鍵のような気がする。
息子のため、少女のため・・・。
そういう気持ちがあったから、このパッピーエンドに繋がるのだと思う。

上手く作られているのだが、冷静に考えると警察はこんなトリックというのか嘘も見抜けぬほど無能なのかとも思う。
そういう無能設定の警察がないのと、この物語は成立しない。
伏線の一気に回収する爽快さが出せない。
というのも、普通、それ警察が調べるでしょうというのが抜けているからだ。

血の成分とか、屋上の げそこん とか。
そういう細かい突っ込みを入れるとミステリーは成立しないのかもしれない。

でも、横浜に住んでいる精神科医の主治医が、父と少女の喧嘩の場面に駆けつける場面はさすがにご都合主義に思える。




2024 9 23


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