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就学前のこと(其の二)


前回の「就学前のこと①」では、国立小専科の幼児教室に通うことになったこと、そこでの学びを通じて親子で共有する時間を持てたことなどについてお話しました。

今回は、受験(抽選)の結果と、たまたま受験した私立小での体験が、後の慶應中等部、SFC中等部受験に繋がるお話です。個人的なエピソードですが(同じようにできるものでもないですし、する必要もありません)、ここでは、選択肢を狭めずに可能な限り「やれることはやってみる」ことが、知らず知らずのうちに世界が広がったりする、ということを共有できればと思います。

※今回は、親の感傷的な気持ちが若干長めですがお許し下さい。ここはどうしても外せないのです。以降は、このような部分は極力出さずに進めてまいります。

【国立小学校受験について②】

結論から言うと、国立受験の結果は3校とも抽選落ちで、試験すら受けられませんでした。

年中の1月から、かなりの量のペーパーもやり(私立小の受験をするお子さんに比べれば少ないですが、保育園に通いながら仕事をしながら、子も親も時間のやりくりや気持ちの面で相当頑張りました)、抽選に受かった子が受講する直前講座(1日~3日間/学校により異なります)の仮申し込みも済ませ、家庭のすべてが全方位的にそこに向けていたのに(仕事も有給を申請していました)、学芸大竹早を筆頭に、抽選が通る確率が一番高い筑波附属も、そして最後全ての望みを託したお茶の水附属(ここが一番抽選通る確率が低い)もダメでした。想定はしていましたが、思った以上にがっくり来るものです。

最後の抽選のために仕事を中抜けし、お茶の水附属キャンパスの講堂に向かったのですが、抽選の結果が出て手続きの必要がない保護者(落選者)は速やかに退場するよう講堂内アナウンスで指示され、ドナドナの音楽が流れるくらいの悲壮感たっぷり、虚ろな目をした親がとぼとぼ行動から出て行きました。私もその列の流れ身を任せて講堂を出て行きました。

その後、すぐに会社に戻ることが出来ず(この時の気持ちは、国立小の抽選を全落ちした人にしか分からないと思います…)、茗荷谷駅前のマックで100円コーヒーを飲むわけでもなく、席で茫然としていました。

1月から10月まで短いと言われれば短いですが、幼い子供が毎晩、毎週末、一生懸命、テストに向けて頑張ったのです。親である私達も、出来る範囲でMAXに娘のためにやれることは全部やって来ました。でもこの抽選システムで、テストすら受けられないという現実に直面し、それらの「がんばり」をどうしたらいいのか分からなくなるのです(※学芸大附属世田谷だけは唯一、テストは全員受けられるみたいですが、我が家は住まいによって受験できず、結果最初に抽選がある学校のみの受験でした)。

そうしたら、斜め向かいの席に我が家と同じように抽選で落ちてしまったであろうお母さんが、泣きながら「ダメだった…(嗚咽)。私が受け取った番号が悪かったんだと思う(嗚咽)。私のせい…」とおいおい泣いているのを見て、「あー、凹んでいるのは私だけじゃない」と、なんだかそのお母さんの行動に救われました。あの時、「一緒にここまで頑張ってきた同士」として心の中でビッグハグをしました、そしてマックを出て会社に戻りました。

そして、ここからゆっくりとドラマが始まります…。以下、回想シーン的なトーンでご一読下さい。

その茗荷谷のマックで茫然とすること(つまり国立3校とも抽選で漏れて終了の)2ヶ月前の幼児教室の面談室で、ベテランの先生が私達家族にある一つの提案をしてくれました。それは、

娘が私立の小学校を受験すること。

先生曰く、「ご存知の通り、国立はまず抽選に通らないと試験は受けられません。そして、毎年結構な人数で(抽選で)全滅というご家庭もあります。お子さんによっては、それはそれと捉えて気持ちを切り替えて地元の小学校に通う子もいますが、

「今まで頑張ってきたアレはなんだったの?」

と目的に向かうフローを否定されたように感じてしまうお子さんもいらっしゃいますので、国立小の対策でもしっかりやって来た子なら受験できる私立がありますので、そこを受験してみませんか?」と。

私立の受験など考えてもいなかったし、第一経済的に我が家では厳しいと思ったので、そのままお伝えすると、最終的に通う、通わないはご家庭で話し合って決めればいいことで(行かなくてもいいんです)、

大事なのは試験を受ける(体験をさせてあげる)ことなんです

とのこと。

合格したら、「すごいね」と褒めて今までやってきたことの結果を彼女の中で完結させることが出来ます。不合格なら、「他にもっと頑張った子がいたんだね。今まで一生懸命頑張ってきたことを小学生になっても頑張ろうね。」として地元の小学校に入ってからも今までの延長で頑張ろう、と話が出来ます、と先生は仰いました。ものすごく腑に落ちました。そして、11月に都内にある仏教系の私立小を受験することにしました。

そして、この私立小受験で、娘は大きな「出会い」をします。そのお話については、次回に紹介したいと思います。

次回は就学前のこと其の三、です。

【本ブログの読み方のコツ】
このブログは、時系列に書いていこうと思います(年長~中学の順で)。ただ、ブログをお読みいただいている時点で、お子さん(お嬢さん)が小3より上の学年の場合は、入塾後のあたりから読み進んでください。ちょっとしたTIPSを示すことはできますし、個別にお話をお聞きすることも出来ます。

もし、お子さんが小3或いはそれより下の学年の場合は、よろしければ最初からご一読下さい。全く同じケースである必要はないものの、もしお子さんが「何かにハマっている」なら、それを最大限に活用して中学受験に臨まれることをお勧めします。


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