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小6まで続けた習い事が面接突破の鍵

前回の投稿、「公立小だから開けた道」で触れた松竹とフジテレビの企画で当時の市川染五郎丈と舞台で踊り(その他大勢のキャストの一人として)、それがきっかけで、毎月歌舞伎を観るほどに「歌舞伎」にのめり込んでいく娘の様子を友人が見て、松竹が主宰する歌舞伎スクール「歌舞伎寺子屋」を勧めてくれました。

書類審査(一次審査)と面接(二次審査)を経て、晴れてそのスクールの二期生として入学できることに。こちらはガチで役者志望のお子さん(男子)も勿論いらっしゃいましたが、同じ二期生には娘のように和事や日舞が好きな女子もいました。

このスクールに娘は小2の4月から小6の2月まで在籍し本当に多くのことを学び、またいろんな出会いがありました。何よりここで過ごした5年間が慶應SFC合格への鍵となる経験(コンテンツ)となったことは断言できます。

その経験がどのようにSFCの合格への鍵となったのか?

それについて、具体的に話したいと思います。
慶應SFC中等部は、通常の願書に加え「活動報告書」なるものがあり、ここには小4から続けている活動(学校、学外、家庭内から一つ選んで)を書きます。これをベースに二次試験(面接)は進行します。つまり、ここで各生徒の「コンテンツ」について深く聞かれるので、野球でもバレエでも筝曲でも「これなら自信をもって話せる」というものがあるとかなり有利です。

逆に言うと、小4以降、塾一筋で来た(全てを勉強に掛けて来た)というお子さんは、一次試験で高得点を取ることが大切となります。SFC中等部は合格最低点も最高点も公開していませんが、さすがにトップクラスに入ることが出来れば、面接を上手くこなせば合格する可能性は高いと思います。

話を面接(二次試験)に戻します。

慶應SFCは勉強ばかりしてきた子というよりは、勉強もそれなりに出来る上で、「これ(=コンテンツ)」というものがある人材(生徒)を取る傾向にあると思います。なので近年、一次試験の問題はそこまで難解ではありません。それは学力でふるいにかけることが目的ではないからです。試験後の帰りバスの中で、どこかしこから「算数、簡単だったよね?」と聞こえてきました。娘もまた「算数が、簡単で、2回見直しして間違いも見つけられた」と話していました。

また、70名の募集定員に対して200名近くが一次試験合格という数字から見ても、一次試験を通過するのはそこまで難しいわけではありません(1/2弱は二次へ進みます)。問題もそう難しくありません。

しかし、二次試験(=面接という名の本戦)で半分以上が振り落とされるという厳しい現実があり、そこの明暗は何によるのか?と聞かれれば、やはり前述の「コンテンツ」が合否に大きく作用しているのだと思います。

SFCのHPでは、二次試験は、「面接」と「体育実技」とありますが、運動が出来なくて不合格ということはなく、よっぽど先生の指示を聞いていない、或いは聞く態度にない場合を除いては、ここで何かジャッジされることはほぼないとお考えいただいて大丈夫です。
因みに、我が娘は運動は不得手なほうで、入学後も苦労してますが(運動が出来る子が本当に多いそうです)、でも問題なく合格をいただけたということは、運動能力を見ているということはないと言えます。これは、塾の慶應面接対策の説明会でもベテランの先生が仰ってました。

では、娘は2回の面接(面接官が変わって都合2回面接が行われます)で、何を話したか、何を聞かれたか?

それは、ズバリ「歌舞伎」のことについてです。

前半少し小学校生活について聞かれましたが(これはどうやら全員に対してそうみたいです)、後半は歌舞伎のことしか聞かれなかったとのこと。私達親との面接も基本歌舞伎にまつわる娘の活動とその上で、なぜSFCが良いのですか?という質問であっという間に終わってしまいました。

もちろん、その「歌舞伎」と「SFC」を結びつける必要はあります。娘の場合は、歌舞伎役者にはなれないけど、400年以上続くこの伝統芸能を日本のみならず、オペラのように世界に知らしめたい。そのためのアウトバウンドと、日本に来て、本物の歌舞伎を観てもらうインバウンドを行いたいので、英語とコミュニケーションをSFCで磨きたいと話しました。

親の面接に移ると(都合3回ある面接のうち一番最後が親との面接)、既に2回の面接を終えている子供の面接の内容を反芻するような質問来るかと思ったら、面接官から来たのは、

「ウチ(SFC)は、伝統芸能を教える学校でもありませんが、いいですか?」や「今も習い事を続けていて、勉強もきちんと出来ていて、これは相当大変だったと思いますが、それほどにお子さんが一生懸命やれたのはどうしてですか?」

と聞かれたので、

「これは行けるぞ!」と確信し、その喜びを隠しながら、

「この学校(SFC)で学びたいというただただ、その気持ちが強かったからだと思います」

と返答いたしました。

今もこのくだりを書いていると興奮が蘇ります。なので、この学校はお子さんにコンテンツがあるとかなり有利な学校と何度も繰り返すのです。


因みに。娘が入学してから、どんな子が周りにいるかを聞いてみると、受験直前まで「バレエを」、「バイオリンを」、「野球を」していたという子は多く、「コンテンツ」を持っている子だと言えます。あとは、そのコンテンツとSFCが売りにしている「語学学習」と「コミュニケーション」をどう紐づけるかだけです。これはお父さん、お母さんの出番です。ここのシナリオだけは、子供だけだと到達しないので、親がアシストする必要があるかと思います。

例えば、野球をずっとやっていたお子さんは、将来メジャーリーグでの野球のメソッドを日本に持って来たい。そのために将来アメリカの大学院で、スポーツマネージメントを学びたいと考えている、と伝えるなど。これって、彼の「コンテンツ」と「SFC」ががっつり結びつきます。そして本人が思っていることともズレはない。そういう落としどころが必ずあるので、そのシナリオを作ればバッチリです。

次回は、いよいよ入塾以降(小3以降)についてのお話です。


【本ブログの読み方のコツ】
このブログは、時系列に書いていこうと思います(年長~中学の順で)。ただ、ブログをお読みいただいている時点で、お子さん(お嬢さん)が小3より上の学年の場合は、入塾後のあたりから読み進んでください。ちょっとしたTIPSを示すことはできますし、個別にお話をお聞きすることも出来ます。

もし、お子さんが小3或いはそれより下の学年の場合は、よろしければ最初からご一読下さい。全く同じケースである必要はないものの、もしお子さんが「何かにハマっている」なら、それを最大限に活用して中学受験に臨まれることをお勧めします。

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