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春がはじまる

春到来。今週は週末にかけて段々と暖かさが増すらしい。ほんとうにこのまま春になるのかは怪しいけれど、なんとなく、気持ちは軽くなる。

4月になると、娘が女子(短)大生になる。親としては受かってくれてすごくうれしい。何しろ小学校高学年から将来の夢は変わらず『画家』で、きちんと大学まで受かったんだから大したものだ。

ちゃんとした大手の美大専門予備校に通わせてあげれば私立の有名美大も目指せたんだろうけど、そうなるとひとり暮らしもしなくてはならなくなるしまぁ、分相応というのはこういうことなんだろう。言い方を変えれば、お金があれば開ける未来も確かにあった。でもこの先は本人のがんばりに期待だ。最近の大学生はみんな奨学金で通っているらしい。偉いなぁと思う。

ちなみに大手予備校は行かなかったが、絵画教室には小学生から通っている。先生は武蔵美卒の油絵画家でとても素敵な方だ。先生がいなければいろんな意味でここまで来られなかったと思う。

習い事というと、結果が重要視されると思うが、もっと徒弟制度のようなところがあって、ピアノの先生にも絵の先生にも娘が悩む度に相談に乗ってもらい、励ましてもらった。そしてそういう繋がりが、娘に『人に対する信頼』を身につけさせてくれたのだと思う。

進路は絵の先生のオススメで決めた。それでも先生は入学する寸前まで娘にレッスンをするらしい。どうやら思った以上に心配性みたいだ。お子さんがいないので娘のようなものなのかもしれない。

さて、新入生だ。スーツがないと入学できないと娘は騒いでいるけれど、そんなものは一様で、問題は普段着だ。娘はロリータっぽい服に憧れているらしいんだけど、身長も肩幅もあり、断念したらしい。そんな娘にとって次に大切なのが『実用性』。絵を描いて汚しても大丈夫なもの。

そもそもウエストから腿にかけて体型がすごく横に張っているので、合うデニムを探すのが至難の業。ようやくGAPで見つけたデニムも、浅い色のものを買ったら(選択肢がなかった)、アクリル絵の具のよりによって黒をつけてしまい、誰もGAPだとは思わない代物になった。

アクリル絵の具なんか使わなくても、鉛筆デッサンするだけで爪の中まで鉛筆で真っ黒になってくるので、洗い足りない手で帰ってくるとカーキ色のワンピでもぼんやり黒くなる。美大なんていうとおしゃれな気がするが、なにを着せていいのか謎だ。

今日はまとめて服を何枚か買いに行った。ちょっと前になるが誕生日だった。誕生日ジャストだと春物が少ないのでズラしたのだ。

それはもう、戦場(笑)。趣味、実用性、サイズ、トレンド……。もともとわたしは服を選ぶのは好きなんだけども、ひとの服となると……。いいね、と言っても相手も買ってもいいと思うとは限らないから問題だ。とりあえずボトムは、今流行りのワイドパンツで。――よく考えるとあれはわたしが縫えたのではないか……?(ゴムウエストだったし、わたしは裁縫が得意)

問題はトップスだ。とりあえず今年流行ってるみたいだしスエットを買うことにしたんだけども色が……。春らしく白を買いたいところだけど、淡いグリーンにした。パステルカラーしかなかった。

わたしならカーディガンの1枚も欲しいところだけども、これがまた白だと汚すのだ。ワークっぽいジャケット、アウトドアパーカーの短いものを勧めたけれどピンと来ないようだったのであとにすることにした。

女の子だからかわいくしてあげたいのは山々。しかし、汚れるのだから仕方がない。汚れてもいい服装がいちばんだ。あとはデートに行く相手ができたら、その時は自分で選んで趣味に走ったものを買ったらいいと思う。相手ができたら、ということ前提だけども。

なんにしろ、春だ。新しい学校で、新しい出会いがある。わたしから見たらうらやましい限りだ。ぜひ思う存分、人生を楽しんでほしい。

ちなみに、わたしの学生時代はトレーナーにデニムでした。理系でアウトドアやってたので、好きなスカートを履く機会があまりやって来なかった。そういうのもあって、娘の服装も実用性を求めたわけです。素敵なシャツブラウスだって、座学でも汚れるかもしれないし、肩が張るかもしれませんしね。

春にちなんだ短編をひとつ。

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