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2019から2020の月波結②

年越しなんてめんどくさくてやだなぁと思いながら掃除をした30日。昨日の続きということで2019秋以降に続く。

カクヨムでそこそこ長く書いていると、Twitter上のカクヨム友だちが増えていく。作品を読んで仲良くさせてもらったり、作品を読んでいただいて仲良くさせてもらったり。理由はわからないけど気がついたら仲良くなっていたり。

そんな中、あるチャットグループで仲良くなった方からDMが届いた。(いかがわしい展開は無いので悪しからず。)Twitterで知り合ったキタハラさんという方の脚本が劇になるので、他のカクヨム作家さんたちと観に行かないか、という内容だった。

キタハラさんは昨年のカクヨムコン(わたしが落ちたヤツ)で大賞を取り、年末に小説が書籍化されることが決まっていた。わたしはキタハラさんの小説の細かく、かつリアルに綴られているところがすきで何作か読ませてもらっていた。世界観が独特であることと、わたしの持つものとは別のバックグラウンドを持つと思われる作品は知らない世界をのぞく楽しみがあった。

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キタハラさんはツイキャスで、その滑舌の良い美声とつまづくことないトークでリスナーを楽しませる方。そこに集まるメンバーの大半が演劇『情事のない日曜日』を観る、要するにオフ会。――オフ会、甘美な響き(笑)。もう人生の中で二度とやって来ないと思っていたイベントに緊張した。

その頃、わたしは悩んでいた。カクヨム作家のひとり、成井露丸さんにコンテストの情報などいろいろ教えていただき、自分に合うレーベル・コンテストを探していた。反面、自分はどこまで小説に力を入れていくのか。趣味が高じてプロを目指すのか? 楽しければそれでいいのか? 悩んでいた。コンテストに出し続けることに意味はあるのか? その先がもしあるなら書籍化からの作家デビューだ。ふつうなら諸手を挙げて喜ぶところだろうが、わたしにはプロ作家になれたらそれを続けるという自信がなかった。

そんな時、劇が終わってからの二次会の席で(生まれて初めて新宿で飲んだ)キタハラさんに文芸講座を勧められたのだ。わたしの悩みのひとつは小説について本格的に学んだことがないというものだった。子供の頃、ピアノを習わせてもらえなかったトラウマを思い出す。もちろん、小説はどこかで教えられて書かなければいけない決まりはない。でもわたしは自分に自信が持てない理由の一つがそれだと思っていた。なにしろ隠れ文系というやつで、高校からバリバリ理系教育を受けたので。

キタハラさんの教えてくれた講座はわたしにとってひとつの憧れに近づくことができる魅力的なものだ。なんと、新潮社の講座なのだ。信じられない。世の中にそんなものがあるなんて! 新潮文庫育ちのわたしはぷわーっと浮き上がってしまい、翌日には講座を受講することを決めていた。実は講座の始まる10日前くらいで、他の講座はすべて満席。ひとつだけ残った講座に入ったのだ。わたしにはそれが運命的なものであると感じられた――。

10月から始まった講座はどきどきの連続だった。まず地下鉄の乗り換えが上手くできそうにない。方向音痴である。これだけでも腰が引ける。その上、任意とはいえ毎回原稿用紙30枚の作品提出と講評がわたしを緊張させた。正直なところ、Webではいつもスマホで書いていたので、PCでWordを使っての作品作りは初めて(笑)。

先生はやさしくて、そして作品の講評をしながら面白い作品を書くために必要なテクニックを教えてくれる。いままで疑問に思っていたことも。刺激的であり、同時に自分の中途半端さに情けなくなる。「少しは書けるようになった」と思っていたのは思い違いだったことを思い知らされた。

と、講座の話はここまでとして。そんなわけで『小説を書くということ』について、3回の講座であったがたくさんのことを学んだ。自作が恥ずかしくなる……。でも、書き続けようと決めたのだから。頭を下げ、夫にiPadを買ってもらった。

さぁ、有料の講座に毎月、2時間以上をかけて通い、iPadまで買ってしまった(家族共用のPCはあるが、気軽に使える自分専用のものが欲しかったのだ。長編10万文字をしっかり書くにはスマホは適さないと判断した上での購入)。後戻りができないところに自分を追い込む。

その間には新潮社の公募『女による女のためのR18大賞』に1作応募(落選した)。これは心躍らせて送ってはみたものの、小説として不十分な内容だったし、講座を受けてわかったことは公募を目指している人はWebの「気軽さ」とは別の「真剣勝負」に挑んでいるということ、わたしにはまだ敷居の高い公募だったのだ。なにしろここからプロ作家さんがごろごろ排出されているのだ。生半可な気持ち、作品で挑むべきではなかったが、反面、初めての公募という経験をすることができた。

それから、集英社『ナツイチ』コンテスト。これはエブリスタ掲載作品からの募集で、『17日後』を修正して出すことに決めた。大幅に改稿したいところだったが、不思議なことに久しぶりに見る物語は変更を許さない、わたしの手を離れた作品になっていた。誤字脱字、意味の通りにくいところを修正して応募した。明らかによく書けているとは言えない技術力のない作品だと思うが、作者としてもう一花咲かせてあげたかったのだ。このコンテストはまだ中間発表がない。

講座に通うことになっていちばん変わったのは書いて放り出すことがなくなったこと。よくよく自分の作品と向き合って書きたいという気持ちが強まった。なので、秋に行われたカクヨムでのコンテストは魅力的に見えたが2本、見送った。すごく出したかったけれど。

そんなこんなでいまは今年のカクヨムコンの読者選考期間。懲りずにまた応募してしまい、毎日をなんとか病まずに送っている。応募期間開始までに書き上げようと思っていたのに、どうにも気に入らなくて(小説を書く上でのセオリーを大切にしてみようと決めていた)書き直しをしたので、実はまだ書き上がっていない。〆切は1月末。時間はまだあると自分に言い聞かせているところ。焦って書いて台無しにしたくない。作品に責任を持てるようになりたい。

のだが、6日必着の新しく受ける講座の課題が終わっていない(汗)。3日に速達で出す予定なのでいい加減、出さないといけない。

こんなふうに激動の2019後半期が過ぎようとしている。濃い半年だった。書き忘れたが、キタハラ組とは違う集まりでのオフ会にも参加させていただき、実際に何作もわたしの作品を読んでくださっている方から貴重なご意見をいただいたのは本当に良い経験となったし、見えないWebの世界でわたしの作品を追いかけて読んでくださる方が目に見えて存在するということはものすごい励みになった。

というわけで、また続きたいと思います。今日はここまで! 終わりまで長文を読んでいただきありがとうございます!

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