ぼくのしごと

 おどろいて
 おぼつかない足をうごかした
 この世界の秘密
 明かすのは、ぼくのしごと
 たったひとつのしごと
 とぼとぼ歩いて秘密見つける
 部屋にそれを飾って
 ときどき眺める
 たったひとつのしごと
 それが僕の生きるしごと

 田んぼにトンボ
 とびまわる、その情景に
 ぼくはおどろく
 世界はいつも秘密を囁く
 聞き逃さないように僕は
 みみたてる

 時にはじぶんのなかから
 時にはむかしのなかから
 時にはきもちのなかから

 秘密はかおをだす
 見えない繋がりを
 忘れられている想い出を
 見つけて
 詩にして
 絵にして
 紡ぐ

 それがぼくの 
 たったひとつのしごと