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Let go of the past

揺れる髪の毛がわずらわしい。耳にかけてもすぐにはらりと落ちてくる。すべて短く切りそろえてやろうか。そうだ、ばっさりと切ってしまおう。そう思ったあとで、少しだけ寂しくなった。
“私、女性らしさを手放そうとしている?”

私の中で長い髪の毛は女性らしさの象徴らしい。長髪の男の人の存在も知っている。短髪で女性らしい人がいることも理解できるのに。

もう二十年ほど前のことなので自信がないけれど、長い髪がよいとその後別れることになる夫に言われたことがあった。結婚する以前もずっと付き合ってきた人に似たようなことを言われ続けてきた。髪の長さ、身につけるもの、体型、食事、色々注文を受けてきた気がする。

今は独身で特定の誰かもそばにおらず気楽もいいところ。子どもは私のファッションに何も言わない人なので本当に好きにしたらよい。
ということはこのまま女性を忘れて違う形態に移行したとて多分誰にも何も言われない。それはそれでとっても自由で楽であるのに寂しさや居心地の悪さを覚えるのは何故か。
それだけ長い時間私が「女性らしくあれ」、正確には「女性らしく○○あれ」と言われ続けたからに違いない。

私が髪の毛を短く切ることに寂しさや罪悪感のような感情を覚えるのは経験してきた過去のせいらしい。
そう気付いた瞬間、髪を切ることにネガティブな感情が発生しなくなった。
こんな簡単なことだったとは。しかしなかなかこのことに気付かず数日かけて明らかになったのでした。真実ではないかもしれないけれど、自分的にはかなり腑に落ちているのでこれでよしとしよう。

もう少し暖かくなってから美容室へ行くのが、今から楽しみだ。

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