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夕刻の電車と翳りゆく心

保育園へ子どもを迎えに行く電車の中で
途方に暮れたことを時折思い出す。

あの時私は夫に養ってもらっていたし
外から見れば何不自由なく暮らしている
ように見えたかもしれないけれど
間違いなく心細かった。

いろいろと詰まっている気がした。
悪いものが少しずつ溜まって
動きを鈍くしている気がした。

何故こんな心持ちになるのか
自分ではよく分からなかった。
夫に話しても到底理解しようとしては
くれない気がした。
あの人のことだから、自分を非難されたと
早合点して逆に責めてくるに違いない。

何とかなると思って結婚した。
何とか出来る自信があった。
自分の力を過信したのだ。
思ったよりも私が選んだ道は険しかった。


*

離婚してから三年経った。
彼は今でも私と子どもを経済的に支えて
くれている。
毎月の養育費は欠かさず渡してくれる。

もうあの時のように途方に暮れることも
息が詰まって上手く呼吸が出来なくなる
こともない。
不安に悩まされはするけれど
少しずつ回復してきた気がするのだ。


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