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片岡聡一の『海岸暗号化』を手に入れる

先週の金曜日、三鷹の古書店「りんてん舎」さんがこんなツイートをされていた。

不勉強ゆえ、片岡聡一という歌人をこれまで知らなかったのだけれども、「りんてん舎」さんがこの歌集から引用する短歌の数々がどれも素敵で、装填も素晴らしいし、ぜひ手に入れて読んでみたいと思った。

先日の土日は遊びで東京へ行く予定が入っていたので、この歌集が残っていたら購入しようと「りんてん舎」に行ってみたのだが、残念ながらすでに売り切れていた。店主の方曰く「あのツイートをした後、割とすぐに売れてしまった」とのこと。

残念に思ったものの、(「りんてん舎」の店主の方のアドバイスもあり)別のところで入手できないか、と調べてみたら、Amazonのマーケットプレイスで1冊だけ扱われていたのを確認。慌てて購入。

そして今日、無事に手元に。

片岡聡一『海岸暗号化』

手に取って読んでみたら、予想通り、いや予想以上に素晴らしく、第一章をあっという間に読み終えた。第二章以降は、読みたいような読んだら勿体無いような妙な気持ちになっている。

高校の夢を見ており 竹内が群れからはなれわが部屋の戸に立つ

片岡聡一『海岸暗号化』「第一章 国道十六号」より

幼子よ 模型のどこに月島の祭をひそませたのか教えて

片岡聡一『海岸暗号化』「第一章 国道十六号」より

2012年出版のこの歌集の最終ページで確認すると、歌人・片岡聡一は1974年千葉県の生まれで、塔短歌会に所属しているとだけ書かれていた。

いま、Twitterで検索しても、現在の様子がわかりそうな情報は出てこない(同姓同名の政治家がいるために、さらに情報が掘り起こせない……)。現在も塔短歌会に所属しているのかどうかもわからない。

歌集出版と同時期に、折口子尚というペンネーム(哲学者の西川アサキとの合名)で『永劫回帰の部屋』というタイトルの小説を発表していたらしい。

今も短歌を(創作を)続けていてほしいし、ぜひ次の歌集を読んでみたいと思っている。

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