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佐藤佐太郎の短歌

今日は「日経歌壇」の掲載日なので、日経新聞を買おうと思ったら、近所にコンビニではすでに売り切れ。そこで、夕方から、見つかるまでコンビニをはしごするつもりで、三条河原町のあたりまで出る。

肝心の日経新聞は1軒目で入手できたので、そのあと、京阪三条駅と河原町OPAのBOOKOFFと、京都BAL地下の丸善に立ち寄り、いくつか書籍を購入。河原町OPAのBOOKOFFは文庫本の配置ルールが変わリ、目当ての本が少し探しにくくなった(冊数も少なくなった?)。

今日購入した本はこれらである。

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「なんで突然、田中正造!?」と思われる人もいるかもしれないが、これについてはまた後日書く。

ここのところ近代歌人の短歌を色々と読もうと思っていて、見つけ次第購入しているのだが、今日は『佐藤佐太郎歌集』が大きな発見だった。

近代歌人については、まだまだ不勉強で知らないことも多い。歌人・佐藤佐太郎も今日まで知らなかった。1909年生まれで、斎藤茂吉に師事。都市生活の憂愁を歌う第一歌集『歩道』を1940年に出版。歌集のみならず、斎藤茂吉研究、歌論書など多くの著作を残した。1987年没。

何の気なしに、この本を手に取り、目に入ってきたのがこの歌だ。『歩道』に収録された1935年の歌。

連結をはなれし貨車がやすやすと走りつつ行く線路の上を

これに一気に心を掴まれてしまった。今ではあまり見かけない光景かもしれないが、操車場を間近にみれる鉄道駅のホームなどで、昔はよく見ることができた(個人的には新潟県の新津駅でみた記憶が鮮明に残っている)。

昼下がり、気だるい空気の中、機関車もついていない貨車が、すーっと、走っていく。少し夢見心地な光景。これに着目した歌があるなんて!

もちろん、シンプルな情景描写の短歌とも取れるし、このように単独で走っていく一両の貨車に、何か独り身で都市に生きるものの孤独感と解放感が仮託されているようにもみえる。

買う予定リストに入れていなかった歌集を衝動買いさせたこの一首。これからゆっくりこの歌集を読んでいこうと思っている。どんな短歌との出会いがあるか、楽しみである。

追記:他の書籍についても書きたいことがあったのだけれども、思いの外長くなったので、記事を改めることにします。

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