【サロンから見る音楽史】 vol.6 市民階級の花
今回は、マリー・アントワネットの周りにいた音楽家が登場します。
グルック。
名前を聞いたことのある方は多いのではないでしょうか。
本格オペラの先駆け《オルフェオとエウリディーチェ》の作曲者です。
グルックはハプスブルク家でマリー・アントワネットに仕えていて、結婚の際に一緒にパリへ移りました。
これが音楽サロンにとって、ものすごく大きなことでした。
パリの知的階級の貴婦人たちの談話サロンは、ここで最盛期を迎えていました。
グルックは次第に大貴族であるジュリー・ド・レスピナスのサロンへ出入りします。
レスピナス嬢はリヨンの出身ですが、その才英ぶりは評判で、若くしてパリへ向かい、重要なサロン主催者となりました。
レスピナス嬢は身分よりも、実力を見抜き支援することに力を注ぎました。
もともと市民階級であるグルックに、
そしてそれまで宮廷のお仕え人としかみなされていなかった音楽家に、
はじめて日の目を見せてくれた貴婦人と言えるでしょう。
なんてありがたい。。。
こうしてグルックは一躍、パリの花形音楽家となりました。
そしてこれによって、音楽家の芸術的地位も向上することとなったのです。
市民階級の躍進。
これが意味することはもうおわかりと思います。
次回はその時代、
1789のフランス革命です。
クラシック音楽を届け、伝え続けていくことが夢です。これまで頂いたものは人道支援寄付金(ADRA、UNICEF、日本赤十字社)に充てさせて頂きました。今後とも宜しくお願いします。 深貝理紗子 https://risakofukagai-official.jimdofree.com/