2022年上半期よく聴いた音楽【ベストアルバム】
今回は、上半期ベストアルバムということで、よく聴いたアルバムを15枚チョイスしました。
各アルバムごとの個人的ベストトラックも添えつつ、上半期を振り返りながら紹介していきたいと思います。
15.Tahiti 80 "Here With You"
フランスのインディーポップ職人、Tahiti 80の通算9作目。傑作デビュー作"Puzzle"への原点回帰とも言える清涼感溢れるサウンドに、ソウルやディスコの要素を織り混ぜた、煌びやかで軽快なシンセポップアルバム。派手さは無くとも、確実に一定水準を超えてくる安定感、健在ぶりを発揮した一枚。
個人的ベストトラック:Lost In The Sound
14.Elephant Gym "Dreams"
台湾が誇る3ピースインディーロックバンドによる通算3作目。彼らのルーツであるマスロック、ポストロックの要素は残しつつ、Childspotの比喩根、台湾のR&Bシンガー9M88、同じく台湾のシンガー林生祥など、様々なコラボを通じて、メロディックなボーカルを主役に据えるという新境地を切り拓いた。
個人的ベストトラック:Witches
13.The Smile "A Light For Attracting Attention"
Radioheadのトム・ヨークとジョニー・グリーンウッド、Sons Of Kemetのトム・スキナーによる新プロジェクト。Jazz畑のトム・スキナーによるドラミングと、その他多数のJazz奏者をバックに据えたサウンドでJazzに接近しつつ、ロックバンドとしての肉体的な躍動感にも満ち溢れた意欲的作品。
個人的ベストトラック:The Opposite
12.Stars "From Capelton Hill"
カナダが誇るインディーポップバンド、Starsの通算9作目。彼らの最大の武器である、男女ツインボーカルによる絶妙な掛け合いと甘いハーモニーは本作でも健在。落ち着いた大人のムード、味わい深いソングライティングに磨きをかけ、円熟味を増したベテランの雰囲気漂う作品。
個人的ベストトラック:If I Never See London Again
11.Asian Kung-fu Generation "プラネットフォークス"
言わずと知れた日本の人気バンド、アジカンの通算10作目。ROTH BART BARONの三船雅也、羊文学の塩塚モエカ、ChelmicoのRachel、OMSB、GuruConnect…活発なコラボから様々な音楽性を取り込んだ作品。今という時代を反映した、泥臭く、メッセージ性の強い歌詞も印象的。
個人的ベストトラック:You To You (feat. ROTH BART BARON)
10.Sadurn "Radiator"
フィラデルフィア発、インディーフォークバンドのデビュー作。Elliott Smithから影響を受けたというミニマルでローファイなサウンドで、リズム隊は普遍的で美しいメロディを際立たせることに徹している。Clairoを彷彿とさせる、どこか少女の面影を残したような歌声も魅力。
個人的ベストトラック:Snake
9.Yard Act "The Overload"
UKリーズから現れたポストパンク界の新星、Yard Actによる1stフルアルバム。フックの効いたギターとストイックなリズム隊が織りなすバンドサウンドは非常にソリッド。スポークンワードで畳み掛けるようなボーカルは、尖りつつもどこか緩く、遊び心に溢れている。ディスコグルーヴを強調したダンサブルなナンバーも魅力な会心の作品。
個人的ベストトラック:The Incident
8.Rex Orange County "Who Cares?"
イギリスが生んだ新世代のSSWによる通算4作目。ポップスからソウル、R&B、ソフトロック、HIPHOPまで、多種多様な音楽をバランスよくブレンドしつつ、ストリングスを効果的に使用し、洗練されたサウンドを展開。Benny SingsやTyler the Creatorとのタッグも話題を呼んだ良質なポップソング集。
個人的ベストトラック:Amazing
7.Spoon "Lucifer On The Sofa"
USインディーロックのベテラン、Spoonの通算10作目。ミニマルで洗練された、変に捻ることのないストレートなロックンロールサウンドが無骨で渋い。円熟味のあるギターリフも味わい深い。後半にかけて内省的でサイケな要素を織り交ぜつつ、情報量を徐々に増やしていくアルバム構成・展開も聴き応えがある。
個人的ベストトラック:The Hardest Cut
6.Sondre Lerche "Avatars Of Love"
ノルウェーの国民的SSWによる通算10作目。同郷ノルウェーの新世代歌姫ことAuroraや、日本から世界へ羽ばたく女性4人組バンドCHAIとコラボするなど、飽くなき探究心に満ち溢れた作品にして、全14曲86分の超大作。アコギとオーケストラを軸に、荘厳かつ静謐なサウンドが展開されている。
個人的ベストトラック:Cut
5.Pinegrove "11:11"
現行のUSインディーロックシーンの牽引者、Pinegroveの通算5作目。元Death Cab for Cutieのクリス・ウォラがミックスを手がけ、フォーキーなサウンドと、神秘的な空気感漂う、力強くスケール感のあるバンドサウンドが調和した、Pinegrove特有のバランス感覚に更に磨きのかかった仕上がりとなっている。
個人的ベストトラック:Orange
4.羊文学 "Our Hope"
独自の存在感を放つ大注目の3ピースバンド、羊文学の通算3作目。塩津モエカによる優れたソングライティングと、ボーカリストとしての繊細な表現力。河西ゆりかによる正確無比なベースラインと巧みなコーラスワーク。フクダヒロアによるインディーロック然としたトリッキーなドラミング。3人の強烈な個性が凝縮されたロックアルバムに仕上がっている。
個人的ベストトラック:光るとき
3.Liam Gallagher "C'mon You Know"
Oasis解散後の低迷期を経て、着実に評価を上げ復権を果たしたソロ3作目。リアムの唯一無二の歌声を最大限に活かした、シンプルでストレートなロックサウンドに徹した、良い意味で変わらないスタイル。Oasisのディスコグラフィーと並べても遜色の無い、「Oasisの続き」のような作品。
個人的ベストトラック:C'mon You Know
2. Big Thief "Dragon New Warm Mountain I Believe In You"
USインディーロック界の至宝、Big Thiefによる通算5作目は、全20曲、計80分の超大作。それでいて、リスナーを飽きさせない多彩さに満ち溢れた会心の作品。フォーク、カントリーを軸に、ハープやフィドルなどの楽器を取り入れたアイリッシュ民謡的アプローチから、バンドサウンドが躍動するオルタナティブ・ロックまで、これまで築き上げてきた地位を不動のものにする、新たな傑作の誕生。
個人的ベストトラック:Spud Infinity
1.宇多田ヒカル "BADモード"
日本ポップス界のトップランナーによる通算8作目(Utada名義の作品を含めると10作目)。A.G.Cook、Floating Pointsという現行のポップミュージックを代表する大物ミュージシャンをプロデューサーとして迎え、前作までのミニマルかつ緻密なサウンドプロダクションはそのままに、エレクトロなテイストをより前面に押し出し更なる進化を遂げた。固有名詞を多用し、直接的に時代を反映しつつ、よりリスナーの心に寄り添った歌詞も非常に印象的で、最高傑作と呼ぶのに相応しい素晴らしい内容に仕上がっている。
個人的ベストトラック:Somewhere Near Marseilles ーマルセイユ辺りー
以上の15枚になります。
他の方の上半期ベストを見て気になった作品もこれから聴いていきたいと思っています。
下半期も素敵な音楽に出会えますように。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?